|
アメリカ版TENNIS 1997年7月号 戻ってきた宝物 |
|
![]() |
ピート・サンプラスのコーチ、ティム・ガリクソンが1996年5月に亡くなった時、葬儀の場でサンプラスは、ウインブルドンで初めて獲得したトロフィーを思い出の品として捧げた。ティムは1993年、そのタイトルへと彼を導いてくれたのだ。続いて彼は、さらに2つのトロフィーを獲得した。それでは、なぜこの写真には今も3つのウインブルドン・トロフィー(手前にある金色のもの)があるのだろうか? なぜなら、前例のない事だったが、オール・イングランド・チャンピオンシップスの運営委員会がサンプラスに代わりのトロフィーを送ったからだ。 委員会の一員である BBC 放送解説者のジョン・バレットは次のように語った。「我々がそうしたのは、彼の気高い行為に心を打たれたからだ。また彼は常に、我々の選手権において本当に良い振る舞いをしてきた。彼が初優勝の記念品を手元に置けないのは気の毒だ、と我々は考えたのだ」 自発的に手放したトロフィーに対し、代わりのものが贈られたのは初めての事である。何年も前、1920年代に女子チャンピオンとなったキティ・ゴッドフリーの優勝プレートが 盗まれた後、代わりが贈られた事はあった。 観察力の鋭いファンは、4度のオープン・チャンピオンの周りには、3つしかUSオープンのトロフィーがないと気づくだろう。それは、この写真が撮られた時、1996年の優勝カップは彫版師のところにあったからである。 |