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NBC テレビ
2002年9月24日
ジェイ・レノ:トゥナイトショー

*samprasfanzのジョイ・パーカーがビデオから会話を書き取り、写真を取り込んでくれました。写真コラージュはソーニャ・ストランスキーが作成。


ジェイ:一流の人物の登場です。ようこそ、ピート・サンプラス!

(ピートが登場し、2人は握手する)

ジェイ:おめでとう!

ピート:ありがとう、ありがとう。

ジェイ:いったい何回グランドスラムで優勝したんだい、14回?

ピート:14。

ジェイ:14……それで、最大のタイトルというと?

ピート:あ〜、今回が最大だと思う。今年は少しばかりガッカリするようなものだったし、ウインブルドン後みたいなどん底をくぐり抜けてきたからね。懸命に努力した。できると自分を信じ、そして成し遂げたんだ。

ジェイ:それで君が言うどん底とは、振り返ってみるといつだったかい?

ピート:まあ、ウインブルドンの後だね。家に帰り、本当にガックリしていたよ。今年はその時点までもウンザリするようなものだったが、あれはまさにひどくて、悲惨だった。だが僕はまだやれるって信じていた。長い間みんなは僕を見限っていたが、家族や妻が支えてくれたんだ。

ジェイ:いま私はここで、君のようにあらゆるタイトルを勝ち取ってきた男と向かい合っている。そんな君が見限られていたと言うと、なんだか笑えてくるよ。だって君は史上最高の選手の1人で、私はそれを知っている。一体全体どんな点で(聴衆が拍手喝采し始め、ピートは微笑む)君を見限っていたと思うんだい?

ピート:僕は長い間ナンバー1で支配的だったが、最近はそうでもなく、少し下がり始めていた。あ〜、ウインブルドンにはみんな大きなショックを受け、それからだろうね。僕も少しばかりそれを信じ始めた。

30・31歳になり、辞めて次へ進むべき時なんだろうかと考えたりもしたよ。でも僕はまだテニスに情熱を持っていたし、プレーを愛していて、もう1回メジャーで優勝できると感じていた。そして僕はそれを成して、ここにいるんだよ!
(拍手喝采)

ジェイ:ああ、素晴らしい話だ。特に魅了されるのは、つまり、私が君を好きなのは、君が声高に自己主張する人間じゃないからだ。君は不平や泣き言を言わず、ただすべき事をする。君に「オーケー、昨日はどん底だったが、ここが転換点だ」と言わせるものは何なのだろう。つまり、その強さはどこかから湧いてくるのかい?

ピート:そうだなあ、僕自身、家族、妻からだね。妻は毎日僕と一緒にいなくちゃならないが、順調に行ってない時は容易い事じゃない。でも彼女がそばにいてくれたおかげで、僕は我を失わずにいられた。真剣に努力してより良いプレーをする事に関しては、僕の責任だった……。

ジェイ:いくつか記事などを読んだが、不当でたちが悪いと思ったね。結婚が君のプレーをダメにしたなんて、ナンセンスだ。それにどう対処したのかい?

ピート: う〜ん、くだらない話ばかりだった。本当にね。結婚は僕にとってこれまでで最高の事だよ。自分にふさわしい女性に出会ったんだ。

僕はテニスで多くの事をしてきて、とても長い間テニスに打ち込んできた。結婚し、家族を持つ時が訪れて、それが僕たちのしている事だ。この勝利は僕にとって、とても大きなものだったよ。本当に。まさにカムバックで、素晴らしい気分だった。

ジェイ:そうだね、素晴らしい、素晴らしかったよ。さて、ここで少し休憩し、この後さらにピートと話しましょう。

(コマーシャル)

ジェイ:再びUS オープン・チャンピオン、ピート・サンプラスと一緒です。大会での観客について話してくれ。彼らのサポートはどれくらい重要だい? それを感じられたかい?

ピート:とてもね。特にアメリカ人で、こういう時期にニューヨークにいるという事は、とても大きな意味があった。決勝戦でアンドレと対戦し、観客は試合にのめり込み、プレーするのは楽しかった。でも多くのサポートはいつだって心強いよ。

ジェイ:ところで君のサーブはどのくらいの速さなのかい。私はいろいろ聞いたんだが……。

ピート:あ〜、おそらく最高スピードが時速135マイルかな。

ジェイ:135マイル、恐れ入るね。君が練習で使うような機械は、そんなに速い球を撃ち出すのかい?

ピート:いや、僕は機械を使って練習はしないよ。

ジェイ:いや、つまり(笑)

ピート:僕は人間と練習するんだよ。

ジェイ:まあ、君がそういうサーブを打つのは知ってるが、時速135マイルがどれくらい速いのか、想像しにくいんだよ。

つまり、たいていの人は打てない……よし、ここでテープを見てみよう。サーブを打つ場面だ。(ピートがアンドレに次々とサーブを打つテープが映される)何か合図でも必要だね。ほとんど見えないよ。
(拍手喝采)

ジェイ:(拍手喝采のため聞き取れないが、何か言う)

ジェイ:君は自分のサーブをリターンできたと思うかい?

ピート:そりゃね、うん、だって僕は135マイルや131マイルで、ダウン・ザ・ラインにすごいサーブを打ってくる男たちとプレーしてきてるんだよ。だからできただろう。大変ではあるが、いまでも僕はかなりいいと思うんだけど。

ジェイ:ハハハ、そりゃそうだ、君はすごくいいよ。ところで君のUSオープン初優勝は何年だったっけ?

ピート:1990年。

ジェイ:1990年、君はその年ジョニーのトークショーに出たね。

ピート:うん、タフだったよ。

ジェイ:何が?(聞き取り不能)ここでジョンの時の映像を流す必要があるな。

ピート:すべてが。僕の人生はすっかり変わり、ジョニー・カーソンのショーに出演した。少しナーバスだったよ。

ジェイ:ジョニーはとても親切でね、彼に電話して「おい、誰それの映像を流すんだが、テープを借りられるかい?」と言うと、いつも貸してくれるんだよ。

これは君のテープだ。あまり変わってないようだね。「こりゃいい、彼は Howdy Doody(何年も前にテレビ放映された操り人形)か何かみたいだ」って思ったよ。(ピートは何かを言うが、聞き取れない)実際、君は同じように見えるね。見てみよう、君が19歳の時だ。

(テープを流す)

ジョニー・C:君にとってナンバー1になる事はどれくらい重要かい?

ピート:今のところは、それほど重要じゃない。むしろこの優勝を自分にしみ込ませないと。

ジョニー・C:むしろこれをしみ込ませる ??

ピート:ええ、そしてずっと楽しむようにする事の方が大切だと思う。ただ楽しみ、うぬぼれたり横柄にならない事。特に……。

ジョニー・C:それは賢明な考えだね……ただこの時を楽しむというのは。

ピート:僕はこれまでと変わらない子供でいたい。

ジェイ:さあ、話して、どうだい?(拍手喝采)……君の姿勢は1インチだって変わってない!

ピート:ごめん、この席はちょっと居心地が悪いよ。

ジェイ:よし、私が言おう。君は誓いを守り、うぬぼれ屋にならなかった。多くの選手はうぬぼれすぎだと思うかい?

ピート:いいや、女子ツアーにはいくらか。(聴衆がひやかし、ピートは恥じらい……赤くなる)つまり男子ツアーでは、みんなクールだ。でも女子ツアーには何人か、かなり自信に満ちた若い女の子たちがいるって意味だよ。

ジェイ:アンディ・ロディック、彼は生意気かい?

ピート:いいや、彼はとても礼儀正しい、素晴らしい選手だよ。良いゲームを持っていて、謙虚だ。立派な選手になるだろう。

ジェイ:どの女の子たちが生意気かい?

ピート: お〜〜、ジェイ、知らないよ。(彼は赤面し、笑っている)

ジェイ:みなさん、彼が質問のきっかけをつくったんですよね。私が持ち出したんじゃありませんよ。

ピート:僕は名前を挙げたくないよ。でもあなたは知ってるんだろ。

ジェイ: え〜、それはVから始まるのかな?(笑) え〜、ハハ。

ピート:もういいよ。

ジェイ:うぬぼれ屋でも、悪くないよ。問題ない。

ピート:分かってるじゃない。

ジェイ:おい、汗をかいてるじゃないか。これを使うかい。ティッシュペーパーの箱を手渡す)

ピート:そりゃ君だろ。(聴衆が笑う)

(コマーシャル)

ジェイ:それで今後テニスはどうするの。何をするんだい。引退はしないだろ。(嘆願のように)

ピート:分からない。迷ってる。まだプレーしたいとも思うし、また楽しさを感じているが、一方では、素晴らしい勝利だったから……まだ考え中だ。1カ月後くらいに自分がどう考えているか、見るつもりだよ。

ジェイ:最後の質問だが、君はギリシャ系だね。結婚の時、「ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング」をしたのかい?
訳注:ギリシャ系アメリカ家族の結婚騒動を描いたコメディ映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」にひっかけている。

ピート:う〜、「ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング」はしなかった。でも「ビッグ・ファット・グリーク」の友だちはたくさんいるよ。(笑)だが僕たちの結婚式は……

ジェイ:いいぞ、続けてくれ。

ピート:(笑)わかったよ。

ジェイ:ニックという名前の男が多い……
ピート:ニック、ジョージ、ガス、ガスもたくさんいるよ。

ジェイ:さて、どうもありがとう。君は正真正銘のチャンピオンで、本当にちゃんとした人間だ。どうもありがとう……(聴衆の拍手で聞き取れない)ブリジットによろしく。お腹の赤ちゃんにもね……。ピート・サンプラスでした。

さて、次のゲストは才能豊かな若い女優……マギー・ジルノーです。ピートに挨拶を。

訳注:ピートはその後もステージにとどまり、脇の椅子に座ってショーを見ていました。

Joy からの追伸
この女の子は出演した「The Secretary」という映画について訊かれ、S&Mに関わる映画で、参考のためにプロデューサーからポルノ映画を渡されたと言います。カメラがピートに向くと、彼は眉を上げて笑顔を浮かべます。そのシーンを取り込もうと30分くらいやってみましたが……ダメでした。
訳注:その後に成功した。右の写真。

それから彼女が、作中の女性がネズミ取りのワナを乳首につけていると話すと……カメラは再びピートに向き……ピートは笑って「ホントに?」という様子でこの女の子を見ます。

オーケー……これが、できるだけ正確を期して書き取ったものです。会話はとても速く、聴衆もジェイ、ピートもしょっちゅう笑っていました……ピートは楽しんだと思います。