CNNチャンネル
2002年9月13日放送
CNN コニー・チャン・トゥナイト


ピート・サンプラスが人生とテニスを語る;アンクル・ジュニアがマフィアの殺人について語る;フロリダの外国人抑留者が発言する

これはラッシュ映像の筆記録である。このコピーは最終フォームとは限らず、更新の可能性がある。

物語のようなエンディングか?

(ビデオクリップ開始)

実況の声:やりました、14個目のグランドスラム・タイトルです。

(ビデオクリップ終了)

アナウンサー:賭け屋のオッズ、年齢、そして批評家たちをものともせず、ピート・サンプラスは14個目のグランドスラム・タイトルを獲得しました。今夜、コニーは、サンプラスと彼の妻ブリジットと共に、テニス・人生・結婚について語り合います。

コニー・チャン・トゥナイト。ニューヨークのCNN放送センターからライブでお送りします。

アナウンサー:
予告:「コニー・チャン・トゥナイト」に戻り、ピート・サンプラスのキャリア・カムバック、コート内外でのピートの成功の秘密についてお届けします。

アナウンサー:次に:サンプラスとアガシがセンターコートにいます。かつてのように。

(ビデオクリップ開始)

実況の声:やりました、14個目のグランドスラム・タイトルです。

(ビデオクリップ終了)

アナウンサー:そして今、サンプラスはオフコートで彼の新しいパートナーと一緒です。

コニー・チャン・トゥナイトは続きます。

(コマーシャル)


チャン:最近はウイリアムズ姉妹やアンナ・クルニコワなど、女子テニスの話ばかりで、視聴者の皆さんは今年のUSオープンにおける、1つの驚くべきパフォーマンスを見落としたかもしれません。これから皆さんは、彼に会おうとしています。

けれどもまず最初に、それがなぜそんなにも衝撃的であったのか、CNNのジョシー・カープが要約します。

(ビデオテープ開始)

ジョシー・カープ、CNN特派員(ナレーション):今年、ピート・サンプラスはUSオープンで優勝するとは考えられていなかった。そして12年前にも、優勝するとは思われていなかった。今、2つの番狂わせが、キャリアを本立てのように挟み込んだのだ。彼のキャリアは、期待・予想をとても高いレベルにまで上げ、またそれを裏切らず、サンプラスはテニス界最高の選手と呼ばれるほどである。

ピート・サンプラス、プロテニス・プレーヤー:僕が支配的で、世界1位で、そして容易にスラム優勝していた頃、それは……僕はそれを当然の事のように考えていた。

カープ:クイーンズ(訳注:フラッシング・メドウ)からメルボルン、ウインブルドンまで、サンプラスはパワフルなサーブを放ち続け、6年連続で世界ナンバー1プレーヤーとなってきた。

(2001年ビデオクリップ開始)

サンプラス:時速125マイルのサーブをセンターへ打つ事、キャリアの最後まで、僕はそれができるだろう。大いなる武器だ。そして常に、まだこのゲームをできるという信念を、僕に与えてくれる。

(ビデオクリップ終了)

カープ:彼の記録における唯一のきずは、クレーコートのフレンチ・オープンで優勝していない事である。他ではどこでも、彼は支配力を振るった。特にウインブルドンの芝生では。サンプラスはそこで7回優勝してきたのだ。

サンプラス:人々がそれを評価し始めたのは、ベッカーを破って3回目の優勝を遂げてからだった。僕はあまり多くを語ったりしたりせず、ただラケットに物を言わせてきた。

カープ:南カリフォルニア育ちの男は、めったに西海岸的クールさを失わなかった。しかし彼が感情を見せる時、それは著しいものだった。1995年のオーストラリアでは涙にむせんだ。1996年USオープンでは試合中に吐いた。2000年のウインブルドンでは、グランドスラム・タイトル新記録を樹立した13回目の優勝を決めた後、スタンドの両親を捜した。

サンプラスが今年のUSオープンにやって来た時、そのドラマチックな時以降33の大会でプレーしてきたが、1回も優勝していなかった。彼は、自身のレガシーを汚す前に辞めるべきだという囁きを聞いていた。

サンプラス:僕が自分に誓ったのは、今年苦労してきて、あれやこれやを耳にしていたけれども、辞めるのは自分の判断で決めるという事だった。

カープ:それにふさわしく、サンプラスは34回目の対戦でアンドレ・アガシを降し、カムバックを成し遂げた。

サンプラス:つまるところ、彼は僕のライバルだ。ボルグにはマッケンローがいた。僕には長年の間アンドレがいた。そして彼はベストだ。

カープ:今回アガシを破った後、彼は初めて妻と勝利を分かち合う事ができた。

サンプラス:僕がこの厳しい時期を乗り越えられたのは、彼女のおかげが大きい。つまり、僕はふさわしい女性に出会ったという事だ。

カープ :まさに、ふさわしい時に。CNN のジョシー・カープがニューヨークからお伝えしました。

(ビデオ終了)


チャン:そして今、ロサンジェルスから通信で合流してくれるのは:ピート・サンプラスと彼のオフコート・パートナー、奥様のブリジット・ウィルソン - サンプラスです。

今日はありがとう。あなた方をお迎えして、とてもワクワクしているのよ。おめでとう、ピート。素晴らしかったわ。

ピート・サンプラス、プロ・テニス・プレーヤー:こちらこそ。

チャン:さあ、テニスのお話に行きましょう。

サンプラス:どうもありがとう。

チャン:ええ。そして、おめでとう、ブリジット 。いろいろ話をする前に、まずお2人がどんな風に出会ったのか教えてちょうだい。ブリジット、どうぞ。

ブリジット・ウィルソン - サンプラス、女優:どうぞ、ハニー。(笑)

サンプラス:君からだよ。君はその話をする。僕はテニスの質問に答えるよ。(笑)

ウィルソン - サンプラス:ずるいわ。

チャン:ほらほら。

ウィルソン - サンプラス:えーと、本当の話をするの?

チャン:ええ、もちろん。(笑)

ウィルソン - サンプラス:ピートは映画で私を見たの。そして彼の友人が私の友人と知り合いで、その人がお膳立てをしてくれたのよ。そしてこうなったわ。(笑)

チャン:どこへ出かけたの? 最初のデートの事を覚えている? どこへ行ったの?

ウィルソン - サンプラス:実は彼の家に行ったの。

サンプラス:最初のデートで、彼女は僕の家に来たんだよ。(笑)

チャン:あらまあ。本当? ステキじゃない。ピート、あなたの友人って、何か、ニックスかレイカーズの宣伝担当をしていたのよね?

サンプラス:レイカーズ。

チャン:そう、レイカーズ。

サンプラス:ジョン・ブラック。

チャン:彼がお膳立てをしたのね?

(混信)

サンプラス:ええ。彼が協力してくれて、僕が実行したんだ。(笑)

サンプラス:そして9カ月後、僕たちは婚約した。1年後には結婚した。そして今年の終わりには、最初の子供が生まれようとしている。かなり速かったね。僕たちはとても幸せで、これからを楽しみにしているよ。

チャン:素晴らしいわ。いつ赤ちゃんは生まれる予定なの?

ウィルソン - サンプラス:12月に。

チャン:ステキ。

ウィルソン - サンプラス:もうすぐよ。

チャン:赤ちゃんが男の子か女の子か、分かっているの? 教えないでいいわ。あなた方が知っているのかどうか、興味があるだけ。

ウィルソン - サンプラス:まだ知らないの。

チャン:オーケー。さて、ピート、あなたは……。

ウィルソン - サンプラス:そのうち調べるかもしれないけど。

チャン:そうね。ブリジット、ピート・サンプラスについて、誰も知らない事を1つ教えてくれない?

ウィルソン - サンプラス:あらまあ。(笑)

サンプラス:あまり内輪な事じゃないといいなあ。

チャン:いえ、内輪でなくていいのよ。何か私たちが知らない小さな事。

ウィルソン - サンプラス:まあ。

チャン:難しすぎる? もうちょっと考えたい?

ウィルソン - サンプラス:難問だわ。

チャン:オーケー、考えてくれる? そしてインタビューの終わりに、話して……。

ウィルソン - サンプラス:ええ、ちょっと時間をちょうだいね。後でこの話題に戻りましょう。

チャン:いいわ、オーケー、いいわ。さて、ピート、今度は少しテニスの話をしましょう。あなたにはスランプの期間があったわね。2000年9月から約2年間。そして、ブリジットとの結びつきが影響しているに違いないと言われていた。それはひどいと思うわ。とても不快で、いやな話だと思う。

でも、もちろん、アンドレ・アガシもブルック・シールズと最初の結婚をした時、同じようにスランプと言える時期があったわね。それで、2年間のいわば問題は、何が原因だと考えているの? あなたがそれをブリジットのせいだと考えていないのは知っているけれど。

サンプラス:それはもっと……うん、僕は2〜3年前に記録を破った。13回目のメジャー。その後、何かが僕から抜けていったんだ。僕はただ……かつては持っていた優越性を、毎週毎週は感じなくなったようだった。

記録の達成には多くの苦労や消耗が伴っていたんだ。その後、確かに少しばかり苦しんだよ。僕は過去2年USオープン決勝まで行ったのだから、まだいいプレーをしてはいた。ただ毎週毎週ではなくなったんだ。でも今年は、悪戦苦闘だった。ウインブルドンはどん底だった。家に帰ってから、辞める事について考えていた時があったよ。楽しくはなかった。そしてそれは、僕たちの結婚への重荷のようになっていた。

だが幸いにも、僕はふさわしい女性に出会い、彼女はとても辛い時期の間、僕を支えてくれたんだ。素晴らしい家族が僕を助けてくれ、この時期を切り抜けてきた。そしてUSオープンで、すべてがうまくいったんだ。厳しい大会だったよ。だが、とても辛い時期に、もし妻や家族、そして周りのみんなが支えてくれなかったら、僕はここにいなかっただろう。だから今回の優勝が最高なんだ。僕は本当に一生懸命やった。そして最後にすべてがうまくいったんだ。

写真をクリックすると拡大されます。

チャン:とても素晴らしかったわ。いい、私たちはみんなあなたを応援していたと思うわ。ピート、あなたが優勝し、それをブリジットに見せる事が、どれほど大切だったか……彼女はそこにいたのでしょ? 

サンプラス:そう、彼女はそこにいた。……僕は苦しんでいたが、彼女が責められるべきではなかった。だが僕が結婚している事が問題になっていた。だから、皆が間違っていると示せたようで、嬉しかったよ。そして僕たちがチームとしてそれを成したのも、いい気分だった。そして……僕が今年最後のメジャー大会で優勝し、今日ここにいるのは、彼女のおかげが大きいよ。なぜなら、さっきも言ったように、僕は辞めようかと考えた時もあったんだから。

だが彼女は僕を支えてくれ、前向きだった。苦しんでいる時は、誰かを必要としているんだ。だから彼女は僕が続けていくよりどころだった。それは本当に……特別なものなんだ。つまり、僕は多くの事を自分の内に秘め、結婚についてもあまり話さない。でも僕は言うよ。もし妻がいてくれなかったら、僕はここにいなかっただろうと。僕が今年どれほど気が滅入っていたか、辛い日々を送っていたか、彼女は知っているのだから。

彼女は僕のそばにいてくれた。そして……それが、僕が彼女と結婚した理由だった。彼女はとても献身的で、僕のためにできる限り尽くしてくれ、自分のキャリアを二の次にまでしてくれた。本当に驚くべき事だ。今でもそう感じているよ。

チャン:ブリジット、本当に素晴らしいわね?

ウィルソン - サンプラス:私をここで泣かせようというのね。

(笑)

チャン:分かるわ。分かるわ。1人の男性が女性を愛し、それをみんなに、世界じゅうに率直に話そうとする。とても素晴らしいわ。そしてとても嬉しいわ。私も泣きたいくらいよ。

ブリジット、あなたは……。

(笑)

チャン:決勝戦の日、あなたはダンナ様のバッグにメモを入れたのよね。彼に何と書いたの?

ウィルソン - サンプラス:何と書いたのだったかしら?

サンプラス:まあ、彼女は……え〜……こう書いてくれたんだよ。僕を誇りに感じている、僕は頑張って決勝にたどり着いたのだから、全力を尽くし、そしてその場を楽しんでほしい、アンドレと対戦する雰囲気を楽しんでほしいって。それを……それを読むのは嬉しかったよ。

コートに出ていく直前に読んだんだ……これから臨む事の前に、少し距離をおいて妻に、そして彼女が書いてくれたものに感謝するのはステキだった。そして、コートに出る前に読むべきメモを持っているのはありがたかったよ。ふさわしい時だし、ふさわしい場だ。

チャン:そうね。ブリジット……。

ウィルソン - サンプラス:私にとっていちばん大切なのは、彼自身が決勝戦を楽しむという事だったの。多くの場面があり、大きなプレッシャーがある。多くの事が進行しているけれど、少しだけ穏やかな時を持って、私たちの緊密な、あるいは特別な関係を味わう、それから出ていって試合に臨む、でもその間も私たち2人の思いはそこに保たれている……そうありたかったの。

チャン:とてもステキだわ。

ピート、私は引退について……みんなが聞きたがっているのだけど……あなたに尋ねる必要があるのよ。あなたは決断を下すのに、2カ月くらいかける必要があると言ったわね。来年はフル・スケジュールが入っているけれど、あなたは何を考えるの?

サンプラス:僕はまだ少しばかり考えている。いまも先週の出来事を楽しんでいるよ。僕は競い合うのが好きだし、プレーが好きだ。そして再び楽しさを感じている。先週したようなプレーをするのは楽しいよ。

来年戻ってきて、フル・スケジュールをこなし、そしてもう一度ウインブルドンを楽しむつもりだ。今年のような具合に終わらせたくなかった。だから戻ってくるつもりだよ。そうしたいと思っているが、まだ考え中だ。だが戻ってくる可能性はかなりあるよ。

チャン:グッド。グッド。

ブリジット、あと5秒残っているわ。ピートに関して私たちが知らない事について、何か思いついた?

ウィルソン - サンプラス:そう尋ねるだろうと思ってたわ。

(笑)

(混信)

ウィルソン - サンプラス:あなたが思い出すだろうって。

チャン:どういたしまして。後であなたに電話をして、聞かせてもらおうかしら。

(笑)

ウィルソン - サンプラス:パーフェクト。

サンプラス:僕は寝る時に冷房が必要だっていうのはどう?

ウィルソン - サンプラス:ああ、そうね。

チャン:ああ、それを聞かせて。

ウィルソン - サンプラス:ええ、それは本当よ。彼は肉の貯蔵庫みたいに寒い所で眠るのよ。

サンプラス:そうなんだ。

(笑)

チャン:けっこう。私たちのスタジオはあなたにピッタリよ、ピート。ここは「デビッド・レッターマン・ショー」みたいに、本当に寒いから。彼のスタジオがどれほど寒いか知ってるわよね。

さて、本当にどうもありがとう。ピート・サンプラス、ブリジット、あなた方が出演してくれて嬉しいわ。