ショー:「CBSモーニングショー」
1990年9月10日、月曜日(東部時間午前7時00分)
1990年USオープン・チャンピオンが「CBSモーニングショー」に出演


昨日のUSオープンで、19歳のピート・サンプラスは、なんという素晴らしいプレーを見せた事でしょう。彼は強力なサーブと完璧なストローク・ゲームで、アンドレ・アガシに対し、番狂わせを演じました。サンプラスは、84年ジョン・マッケンロー以来の、USオープンで優勝したアメリカ人です。またこの大会の、史上最年少男子チャンピオンとなりました。

ピート・サンプラスは今朝、グレッグ・ガンベルと一緒にこの番組に登場します。私は昨日、大会会場で彼のサービスを見ていて、むち打ち症になりそうでしたよ。おめでとう。

ピート・サンプラス(USオープン・チャンピオン) ありがとう。

ガンベル グレッグ・ガンベルがレポートします。おはよう、ピート。本当におめでとう。みんな今朝起きて、ピート・サンプラス --- USオープン・チャンピオン --- は、昨日いったい何をしたんだろうと思っているよ。君は、なぜこの2週間、すべてがうまくいったのかと考える時間を持てたかい?

ピート 信じられないくらいだった。ただ、すべてがすごく速く起こったんだ。マッケンロー、アガシと対戦し……あまりにも速く、ただ起こったんだ。まさに夢の実現みたいだった。

ガンベル 君のプレーを少し放送する予定だよ。君のメンタルについて訊きたいんだが、神経質になったかい? 大試合の時、ナーバスになるのかい?

ピート ええ、マッケンロー戦の前には、とてもナーバスになった。彼はたくさんの素晴らしい成果を挙げてきた人だからね。でも、初めてのグランドスラム決勝でアンドレと対戦した時は、最初の2〜3ゲーム後には、それほどナーバスでなくなった……ただもう1試合するという感じだった。

ガンベル 彼は神経質になっていたと思う?

ピート それが、おそらく僕が勝った理由の1つだろう。彼はとても消極的で、打つボールはとても短くなっていた。それで、僕はそれを生かす事ができたんだ。

ガンベル この大会に臨むにあたり、君にとってのベストとは、どんなものだったのかい? どこまで勝ち上がれると思っていた?

ピート ベスト16か、準々決勝くらいまで行くチャンスがあるかなと考えていた。レンドルとの試合が、僕に自信を与えてくれたと思う。でも、いまのような立場になるなんて、予想もしなかった。

ガンベル みんな君の、時速120マイルのサーブの話をしているよ。君はもう、そのサーブを身に付けていたと思うが、ゲームのその他の要素は、どうやってまとまってきたんだろうか。

ピート このサーブを打つようになってから、2年くらい経つ。でも子供の頃は背が低い方で……もっと大きくなり、背が高くなるまで、いいサーブは打てなかった。いま僕は6フィート、165ポンドあり、サーブにもっと威力を加えられるようになった。僕のゲーム全体は、サーブを中心に機能しているんだ。

ガンベル 君は今朝、インタビューを2つやったね。昨夜、試合後には幾つしたのかい?

ピート 試合後は……ただもう制御不能だった。プレスルームに入っていったら、世界じゅうからの50〜100人くらいの人がいて……これまでと全然違う。この勝利が僕の中で落ち着くまで、少し時間がかかるだろう。

ガンベル 昨夜はどれくらい寝たの?

ピート 1分も寝てない。大変だった。僕はベッドに座り、ただ自分が何をしたのか気付き……いまでも信じられないよ。

ガンベル 今回、多分ベスト・ストーリーは……君のご両親の事だね。

ピート ええ。

ガンベル 彼らに何が起こったか、話してくれるかい。始めは……ご両親は試合を見るつもりだったんだね?

ピート ええ、でも両親、特に父は、とても神経質になるんだ。父は僕の試合を生で、あるいはテレビでも、見るのが苦手で、試合中は買い物とかジョギングに出ている。父は……信じられないよ、とても感情的になるんだ。驚くよ。本人の僕は大して神経質にならないのに。

ガンベル ご両親は、君が優勝したのをどうやって知ったの?

ピート 両親はロングビーチで買い物をしていた。そしてエスカレーターか何かで上がっていた時に、母はテレビのワイドスクリーンで僕を見たんだ。僕がアンドレと握手しているところを。誰が勝ったか分からなかったから、そこにいた男の人に尋ねた。そして「ピート・サンプラスが勝った」と聞いたら、母は大喜びで、その男の人に抱きついたんだ。

ガンベル お母さんは彼にアタックしたわけだね。

ピート そう、アタックだね。母がそんなに興奮するなんて、信じられないよ。

ガンベル ツアーの中にアイドルがいるかい? 誰と親しくしているの?

ピート ダブルスパートナーのジム・クーリエと親しいよ。この2年くらいで、かなり親しくなった。僕たちは同じ年齢で……そんなところだ。

ガンベル オーケー、君はフロリダでエキジビションに出場し、そして次の大会はベルリンだね。いま、君にとっては、すべてが目まぐるしく変わろうとしている。

ピート とても変わっていくだろう。たくさんの選手たちが、僕を負かそうとしてくる。でも、僕が一生懸命努力し続け、賢明であれば、問題ないだろう。

ガンベル おめでとう。

ピート ありがとう。

ガンベル 君が賢明であり続けるよう、祈ってるよ。

ピート ありがとう。

ガンベル ピート・サンプラスでした。