アメリカでの留学生活

 海外で生活するといろいろなカルチャーショックを受けて、伝え聞くより住んでみると身にしみて感じます。アメリカあるいはカリフォルニア特有のこともあるかと思いますが、今後アメリカで留学するという人にも参考になるかと思います。海外で思うように生活できないストレスを発散する意味で、アメリカでの留学生活できがついた点を私的な見解でぼちぼち述べさせてもらいます(1999年頃の状況での話です)。

英語

日本である程度英会話を勉強していたので、自分が何をしたいかという基本的なことを話すのには苦労しなかったのですが、最初はリスニングに苦労しましたし、特に電話やボスとの会話では、重要なことを聞き逃すまいとすごく緊張しました。レスポンスは速くなりましたが、ボキャブラリーがなかなか増えません。
アメリカ全体に言えるのかよく分かりませんが、移民というか英語を母国語としない人々が多いわけで、みんな英語を話せて当然といった感じなので、英語を話せないと無視されるような風潮があるように思います。

公共交通機関

ロサンゼルスの公共の交通機関はほとんど機能を果たしておりません。バスや電車とかあるにはありますが、治安が悪く汚いし、それ程便数も多くないので、不便極まりないです。空港に行くのでさえも公共交通機関で行くのは至難の業です。車がないと何もできません。資源の無駄遣いですし、自然破壊にはアメリカが一番寄与していると思います。車の値段もクレージーで、特に日本車は中古車でも値段がなかなか落ちません。

車の運転

車の運転に関しては、道を譲ったり、歩行者に優しかったりと、基本的な交通ルールは、日本と比べて良く守られています。しかし、運転は乱暴で高速道路ではばかみたいにスピードを出すし、車線を変えます。全般的に道路の状態は最低ですし、事故も多発しています。まあ、Driving and road conditions are asking for troubleといったところでしょうか。

治安

こちらでは、風景というか街並で、周辺の治安の程度が分かります。緑が多いと、それだけ管理するのにお金がかかるわけですから、周囲には裕福な人が住んでいるということなのです。治安が悪いところは、全く緑がなく、変な人(ホームレス)がうろうろしていますので、すぐ分かります。貧富の差がこんなにもすごいのかと悲しくなります。アパートを探すときにも、ここまでsecurityの点に気を配らなければいけないとか驚きました。当然の事ながら、日本みたいに、自動販売機は建物内以外では、ほとんど見かけません。コンビニも歩いていける範囲にはありません。人が集まる所はとにかく治安が悪いということです。

祝日

カレンダーには休みのように書いていても、大学は休みでなかったりとこちらの祝日にはあまり統一性がないように思えます。うちの研究室には、日曜日以外の休日がないので、祝日があっても無意味なのですが。Thanks giving(11月の第四木曜)とChristmasがこちらのlong vacationのようです。最近、アメリカの祝日には3種類(federal, state, religious)あることがわかりました。

講義

ラジオアイソトープや危険物取り扱いなどの講習のため実際にこちらの講義を受けましたが、日本のスタイルとの違いを感じました。問いかけ方式で息が抜けず、学生の方もすぐ質問してきます。スライドやOHPはもちろんのこと、コンピューターをプロジェクターに接続し、プレゼンテーション形式で講義するというのも印象に残りました。

セミナー

毎週月曜の8時からlab meeting、金曜の3時半よりdepartment seminarが行われています。月曜の朝早くからというのは慣れないときついです。lab meetingでは実験結果や今後の実験方針を話すことになっています。lab meeting後に、質問や感想などをまとめてスピーカーに提出し、またスピーカーも質問や意見に対応するという形式を取っています。
department seminarではdepartmentのメンバーがほぼ全員揃い、お菓子などを食べながらとat homeな雰囲気で行われています。ラップトップコンピューターをスライドプロジェクターに直接接続し、プレゼンテーションする形式が多いのには驚きました。

コピー

機械に関しては、アメリカ人は古いのを辛抱強く使うので、コピー機もかなり古いのがまだまだ現役です。すぐ故障しますし、仕上がりもよくありません。コピー用紙は基本的にレターサイズしかありません。したがって、A3やB4を使って2ページ分を一度にコピーすることはできません。非効率で、国際サイズに合わせて欲しいものです。

文具

センスがありませんし、品質もよくないので、日本からもっと持ってくればよかったと後悔しています。バインダーが3穴のものしかないし、やたら大きいので使いにくいです。また、フォルダーも日本みたいに便利でいろいろな種類はありません。ただ、日本みたいに規格がいくつかあるわけではないので(レター、3穴)、統一性はあります。

コンピューター

うちの研究室には、アルバイトの学生が出入りしていて、コンピューターのメインテナンスをしています。イントラネットもしっかりしていて、気持ちよくコンピューターが使えています。Windowsマシーンがほとんどです。日本語版よりすごく早く動くので、英語版も欲しくなりました。

インターネット

インターネットの発祥の地だけあって、至る所に浸透しています。電話料金が一定地域の料金固定のタイプがあり、大学のサーバーをプロバイダーにして、非常に安く家でインターネットを使っています。日本も早く電話料金が安くなるといいのですが。

予約社会

何をするにもこちらでは予約が必要なようです。知っている範囲では、カット、医者、ドライビングテスト、不動産などです。予約するにも電話のつながり方が複雑で、目的のオペレーターにつながるまで一苦労です。

レストラン

こちらロサンゼルスには、いろいろな種類のレストランがあります。チップは面倒ですが、食べることは、楽しんでいます。中でも、中華レストランの数は極めて多いです。安くて味も無難なので安心できます。意外にアメリカ料理はどういうのを指すかというと思い浮かびません。

研究機器

建物や設備と同様に、実験機器は非常に古いです。それによく故障します。こちらの人は、チップなどの消耗品はばんばん捨てますが、機械に関しては大切に?使うようです。

空調

うちの建物だけかはよくわかりませんが、セントラルヒーティングはよく働いていません。建物の中は、夏は寒く、冬は暑いです。体にもよくないし、年中ついているので資源の無駄です。

照明

こちらの照明は暗いです。電球が驚くことに昔の白熱電球で、すぐ切れてしまいます。おまけに電球で暑くなります。

ゴミ

アパートには、ゴミ捨て用の部屋があり、いつでもどんなゴミでも捨てられます。リサイクルのことはあまり考えてないようです。

洗濯

アパートのコインランドリーで洗濯しています。こちらでは、洗濯物を外に干すことは貧しいと見られるので、室内に干したり、乾燥機にかけています。外に干した方が衛生上いいのに、変なところに見栄を張るようです。

郵便

最近値上げされましたが、こちらの郵便料金は非常に安いです。切手もシールタイプのものがあり、使いやすいです。しかし、郵便局の数が少なく、ほとんどのポストの回収が1日1回というのは不便です。

お金

日本は現金社会ですが、こちらではほとんど現金を持ち歩きません。チェックも慣れたら便利でしょうが、あまり好きではありません。ほとんどクレジットカードを使っていますが、たまにIDを見せろといわれるので面倒くさいです。ATMは日本みたいに万能ではなくて、札が20ドルのみだったり、一度におろせる額が決まっていたりと、あまり便利ではありません。


ロスではほとんど雨が降りません。そのせいか雨の予報は全くといっていいほど当たりません。みんな雨には慣れていないので、道路は極端に渋滞します。ワイパーが動かなかったり、使い方を知らないドライバーも結構います。テレビのニュースでは、雨が降ったと大騒ぎになります。