ファイナルファンタジーIX パラメータアップ分析

 

☆はじめに

レベルアップによって変動するパラメータには、HP、MP、魔石力、素早さ、力、魔力、気力の7つがあります。これらの変動は、一見すると一定なように見えます。

しかし、実際は違います。といってもランダムなわけでもなく、どういうことかというと、装備品によって補正されたパラメータによって、ボーナス変動が起こるということです。

まず、HPは力とレベル、MPは魔力とレベルの値に依存します。レベルが上がるほど増えるのは当たり前として、重要なのは、力が高いほどHPは多くなり、魔力が高いほどMPが多くなる、ということです。また、魔石力にはボーナス変動はなく、一定なようです。

☆装備品によるパラメータ補正の影響

さて、装備品によっては、素早さ、力、魔力、気力が変動するものがありますね。しかし、例えばガーネットのLV1のときのMPは46、魔力はまったく補正を受けてない時(初期装備もそうです)、21です。このままの状態でLV2になったとすると、MPは47になります。それでは、装備品を変えて、魔力を30にしてレベルアップするとどうなるのでしょうか。結果は同じです。MPは魔力の値に依存すると書きましたが、それは補正を受けない、素の状態での値に依存するということで、このように装備品による補正はパラメータ変動には直接的には変動を及ぼしません

しかし、間接的には影響を及ぼします。どういうことかというと、補正なしで進めていった場合、魔力はLVの1の位が4、7、0のときに上がります。つまり、LV1〜10までの区間で考えると、LVが4、7、10になったときにそれぞれ魔力が1上がり、それと同時にMPが4〜5増加します(魔力が上がらないときはMPの増加はだいたい2です)。

しかし、装備品によって魔力を+9した場合、LV4と7のときに魔力が2、LV9と10で1と、合計6上がります。そして、LV10の時点でMPは補正なしのときよりも8増加しています。

MPはあくまで魔力に依存するので、ここからは魔力だけを考えていきます。補正なしの時は4、7、10で上がったのに対し、+9補正のときはさらに4、7、9で上がったと考えられ、4や7で2アップしたことから、補正なしでも、無条件で上がるパラメータと、補正の影響で上がるパラメータは独立している、つまり無関係であるということが言えます。これを+5補正にすると、4、5、7、9、10で上がる、つまり補正によるアップはLV5と9のとき、ということになります。

これを見てみると、やはり+9補正のときのほう+5補正のときよりも1回多く上がっています。しかし、+5補正のときは、+9補正のときは上がらなかった、LV5で上がっています。ここで、試しにLV4まで+9補正で行ってLV4で2アップし、LV5のときに+5補正に変えるとどうなるか、試してみました。結果はやはり、上がりませんでした。しかし、これによって、魔力に小数点以下が存在し、その小数点以下は、補正によって生まれるということがわかりました。また、前に書いた一の位が4、7、0のときに上がるというのに関しては、小数点以下はまったく適用されず、それぞれのときに、「1増加する」という考え方でいいと思います。

☆ボーナスポイント

しかし、LV12のとき、異変が起こりました。魔力補正なしのときは魔力が上がったのに、補正5のときは上がらなかったのです。つまり、補正なしのときでも、小数点以下は生まれる、ということになります。これに関しては他にも実験を行いましたので、間違いないです。これ以降、この「小数点以下」を、ボーナスポイントと呼ぶことにします。

ここまでは魔力について書いてきましたが、他の3つ、素早さ・力・気力でも同様のことが言えます。ただ、それぞれのパラメータによって上がりやすさに差があるようで、上がりやすい順に、力=魔力<気力<素早さ、となります。力と魔力の上がり方は、全く一緒です。また、キャラクターによって、例えばスタイナーは力が上がりやすく、ガーネットは魔力が上がりやすいのでは、と思われるかもしれませんが、キャラクターによる個人差は初期値のみで、そこから先の変化はどのキャラクターでも全く一緒です。

では、補正の値によって、ボーナスポイントにどのような変動をもたらすのか。表にまとめてみました。スタートレベルが1であるため、1を引いた値で考えています。力は魔力の全く同じ結果だったため、掲載しません。

魔力補正 LVいくつの時に上がったか(LV−1の値) ボーナスポイントの範囲(小数第3位まで、以下四捨五入)
11,22,32 0.094〜0.095
+1 8,16 0.125〜0.133
+2 7,13,20 0.154〜0.158
+3 6,11,16 0.188〜0.200
+4 5,10,14,19 0.214〜0.222
+5 4,8,12,16,20 0.250〜0.263
+6 4,8,11,15,18 0.278〜0.286
+7 4,7,10,13,16,20 0.302〜0.316
+8 3,6,9,12,15,18 0.334〜0.353
+9 3,6,8,11,14,16,19 0.375〜0.385

 

気力補正 LVいくつの時に上がったか(LV−1の値) ボーナスポイントの範囲(小数第3位まで、以下四捨五入)
+0 32 0.031〜0.032
+1 16 0.063〜0.067
+2 11,22 0.094〜0.095
+3 8,16 0.125〜0.133
+4 7,13,20 0.154〜0.158
+5 6,11,16 0.188〜0.200
+6 5,10,14,19 0.214〜0.222
+7 4,8,12,16,20 0.250〜0.263

 

速さ補正 LVいくつの時に上がったか(LV−1の値) ボーナスポイントの範囲(小数第3位まで、以下四捨五入)
+0 ??? ???
+1 32 0.031〜0.032
+2 16 0.063〜0.067
+3 11,22 0.094〜0.095
+4 8,16 0.125〜0.133
+5 7,13,20 0.154〜0.158

これを見ると、「魔力+0=気力+2=速さ+3」「魔力+1=気力+3=速さ+4」…となっていることがわかります。これを踏まえて、表を書き直すと、次のようになります。

力、魔力 気力 素早さ ボーナスポイントの範囲(小数第3位まで、以下四捨五入)
    +0 ???
  +0 +1 0.031〜0.032
  +1 +2 0.063〜0.067
+0 +2 +3 0.094〜0.095
+1 +3 +4 0.125〜0.133
+2 +4 +5 0.154〜0.158
+3 +5 +6 0.188〜0.200
+4 +6 +7 0.214〜0.222
+5 +7 +8 0.250〜0.263
+6 +8 +9 0.278〜0.286
+7 +9 +10 0.302〜0.316
+8 +10 +11 0.334〜0.353
+9 +11 +12 0.375〜0.385

魔力は+10以上にすることも可能ですが、僕はここまでしか調べませんでした。さて、これを見ると、ボーナスポイントが、なんか一定の値ずつ増えていってるような気がします。そして、常識的に考えて、そんな変な値に設定するとも思えません。そう考えて、僕は「0.03125」という値を導き出しました。これだと、0.03125、0.063、0.09375、0.125、0.15625、0.1875、0.21875、0.25、0.28125、0.3125、0.34375、0.375となり、小数第4位以下の四捨五入を再び戻して算出したところ、すべて範囲内に入ります。

この「0.03125」は「1/32」のことで、2の5乗分の1ということになり、コンピュータ的にもかなりキリが良さそうだし、この狭い範囲の間では、これしかキリのいい数字はありません。ということで、僕の中ではこれで間違いないと思っています。書き直すと、ボーナスポイントは1/32ずつ増加していく、ということです。つまり、素早さは、補正なしではボーナスポイントは絶対得られない、ということになります。

☆ボーナスポイントの重要性

さて、それではボーナスポイントがどれだけ重要かを考えてみましょう。まず力と魔力は、LVの一の位が4、7、0のときに必ず1上がります。つまり、LV99までに、29上がります。で、補正なしの場合ボーナスポイントが3/32加わるので、LV99までに9、合計38上がることになります。それでは、補正+9ではどうなるでしょうか。ボーナスポイントは12/32=3/8ですから、これだけで36、固定アップと合わせると合計67。補正なしのときに比べてなんと29も多くなります。上昇率で考えると、38が67、つまり約1.76倍になることになります。これだけ違えば、HPやMPにもかなりの違いが出てくるはずです。例えばガーネットの初期魔力は21。補正なしでやってたら59にしかならないところが、+9補正なら88まで行く計算になります。補正を+1するごとにLV99までで3の違いが出てくるので、+13補正できれば99(カウンターストップ?)まで届きます。+13が不可能でも、+10が可能ならば、HPやMPへの影響は出ませんが、装備品の補正を含めて99は可能です。力はちと厳しいかもしれませんが、魔力なら可能だと思います。

気力の場合は、固定では力や魔力が2回上がるごとに1回上がります。つまり、LV7、14、20、27、34、40…のときに上がります。よって、LV99までには、14上がります。ボーナスポイントを考えると、補正なしでは1/32ですから、LV99までにわずか3しか上がらず、合計17しか上がりません。しかし、補正+7なら、8/32=1/4のボーナスポイント。つまり、これだけでLV99までに24回も上がることになり、固定と合わせて計38。補正なしのときの倍以上上昇することになり、21の差が出てきます。

最後に素早さの場合は、固定では力や魔力が3回上がるごとに1回。つまり、LVが10の倍数のときのみ上がります。したがって、LV99までに、しか上がりません。ボーナスポイントですが、補正なしでは全く上がらないので、補正なしではLV99までに9しか上がらない、ということになります。しかし、補正+4にすれば、4/32=1/8、つまりLV99までに12上がり、合計で21上がることになります。初期パラメータで考えてみると、素早さ23のジタンと素早さ18のスタイナーの差は5。普通にプレイしていれば素早さのボーナスポイントは得られませんので、レベルが同じならば常に5の差がある、と思っていいでしょう。で、ジタンとスタイナーのATBのたまり方を考えると、結構違うはずです。そう考えると、この「12上がる」というのは、この差の倍以上に当たり、相当な差となると思われます。とにかく補正+1するだけでもLV99までに3上がりますから、補正+2した時点でスタイナーはジタンよりも素早くなります。そう、エルメスの靴をずっと装備しているだけで、最終的にスタイナーはジタンよりも素早くなれるのです!

こうしてみていくと、ボーナスポイントがいかに重要かがわかるでしょう。しかし、まあレベル上げは他の3人をウイルス状態などにすれば、1人だけでレベルアップできる状況になるので、レベルアップ時のキャラクター間での装備品の振り分けを考える必要はありませんが、素早さ、力、魔力、気力のすべてを最高補正に持っていくことはできません。どのパラメータを選ぶかは、各プレイヤーの「選択」ということになります。基本的に、素早さはATBの上がるスピード、力はHP、魔力はMP、気力はトランスゲージの増減に関係してくるようです(もしかしたら他にも関係しているかもしれません)。今回はアップ系アイテムがないので、このシステムによって、すべてのプレイヤーの「最強データ」が同じ、ということは絶対になくなります。これは、みなさま1人1人が選択してください。これこそが、スクウェアさんが言っていた「プレイヤーが自分で選んで決定する」ということなのではないかと思います。

☆最強を作るための条件−低レベル攻略−

…というところで文章を締めたいところですが、もう1つ、非常に重要なことが残っています。それは、自分の上げたいパラメータを補正できる装備品が手に入るまで、できるだけ低レベルでいかなければならない、ということです。序盤で手に入る装備品の補正はたかが知れており、終盤になればなるほど、補正の大きい装備品が手に入ります。おそらく、最低でも空チョコボになれる=飛空艇を取るところまでは行かないと、お目当ての装備品は手に入らないでしょう。ボーナスポイントの値によっては、必ずしもレベル1で行く必要はないかもしれません。しかし、最強にするためにはどのパラメータでも補正+8ぐらいは行くでしょう。そうすると、どう考えてもレベル4ぐらいまでしか上げられません。

そう、つまり、FF9で最強パーティーを作るためには、途中までとはいえ、低レベルクリアをしなければならないということです。多少楽をする方法としては、あまりお気に入りでないキャラクターだけそこそこレベル上げをしてしまって、強制戦闘などはそのキャラクターに経験値を押し付ける(他全員戦闘不能にしておく)というものがあります。あくまでメインの4人が最強ならいいと考えれば、かなり楽できるでしょう。しかし、最強のパーティーは、低レベル攻略をしないと生まれない、ということだけは間違いないです。

☆究極の二者択一−低レベル攻略とタイムアタック−

そして、FF9には「エクスカリバーII」という武器があります。これを手にするためには、短時間攻略をしなければなりません。つまり、真の最強を目指すには、低レベルクリアとタイムアタックの両方を同時にこなし、さらにDISC4に入ってからでは取れないもので、必要なものはすべて揃えなければならない、ということになります。

しかし、これはあまりにも過酷であり、間違いなくやりこみとしても最高ランクの難しさでしょう。正直言って、これはほぼ不可能だと思います。パラメータを選ぶか、エクス2を選ぶか。これこそが、スクウェアさんの言っていた、究極の「二者択一」なのではないしょうか。

☆おわりに

この分析にあたって、僕はレベル20ぐらいまでしか実験していませんが、ボーナスポイントのメカニズムが途中から変わるということは、まずないと思います。たぶん、大丈夫です(^^;

なんだかすごく難しく、ややっこしい文章だったと思いますが、ここまで読んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。

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