同人系
インディーズなのに、ローリスクハイリターン!
これがデフレ時代のニューマーチャン!

 
     

 

実姉妹
〜濡れた相姦図〜

アナログファクトリ−(2002)
ロックンロールADV/ゲームB
精液B+(顔5:口5[全て顔アップ])
キーワード:ところで次作は?

両親との死別で、姉夫婦の元で世話になることになった主人公とその妹。しかし、心に闇を宿す義兄は、兄妹の前で倒錯した性の姿を見せつける。狂気の宴に否応なく巻き込まれていく主人公、そして姉妹のゆく末は・・・。

ら〜らららら〜ら〜
ちんちんぽんぽんちんちんぽんぽん〜
よ〜く洗いなよ〜

ちんちんぽんぽんちんちんぽんぽん〜


発売までに既にレビュー何本分もの話題を提供してくれた観のある「実姉妹」が遂に発売・・・というか、通販なので家に届いた。

掲示板でも結構言っているけど、おっさんゲーマーのオレは規制自体は賛成派だ。しかし、これも前から言っていることだけど、アリバイのためだけにやっている無意味な自主規制は好かん。「オマンコ」と言う言葉にピー音を入れることや、陰毛にモザイク入れることが世の中にどういうプラスになっているのか、俺にはさっぱりわからん(むしろ、裏ビデなんかが出てヤクザに金が行くだけのような・・・)。そういういわゆる「シンタックス」な次元だけの規制に誰か一石投じてくれんか、と常々思っていたのだが・・・。

そして、AV業界に比べると弱腰揃いのエロゲ界でも、ようやくソフ倫に与さない作品が出た。それがこの「実姉妹」だ。まあ、要するに元PILの田所氏による同人ソフトなんだが、単なる「同人」と違うところは、この「実姉妹」を発売する行為自体が本流勢力へのアンチテーゼになっているところだ。文字通りのインディーズ。ソニアやアアルの「単にソフ倫ではない」というところとは意味合いが違う。ここら辺はエロゲ界一のロックンローラー・田所氏らしいところ。まあ、勢い余ってトレース問題とか引き起こしてしまって(この意図は未だにわからん)、発売延期になってしまったのはご愛敬というところか。

「非ソフ倫」ではなく「反ソフ倫」で作られた作品ゆえ、内容的にも挑戦的な要素が満載。

ファーストシーンでいきなりこの作品がどういうものなのかがよくわかる。姉夫婦と同居することになった主人公が、夜、義兄の部屋から漏れてくるあえぎ声に誘われてそのに入ってみると、そこでは義兄が主人公の姉ではなく、実の妹とセックスをしている。そして、呆然とする主人公の目の前で、妻たる姉は旦那の尿を飲み、旦那に言われるままに主人公のチンポをフェラする。

作品全体こういう感じ。実の兄姉妹のセックス表現あり、18歳未満のキャラクターのエロあり、モザイク極小、ヘアとアナルにはモザイク無し、卑語修正なしとソフ倫以上法律未満という表現設定のオンパレード。確かにこれは激エロだ。なんだか昔のエロゲをやっていた時の「いけないものをやっている気分」を大いに味あわせてくれる。

しかし。
仮に、この作品の「反ソフ倫」的な要素を全部抜いたとしたら・・・・どうか?

おそらく、駄作と言われるのではないだろうか。やはり苦しい台所事情ゆえか、一般エロゲレベルのなかにおいても、作品自体の完成度はかなりサムい。

全体的にボリューム不足で、選択肢を選んでもあんまり場面に大きな変動がない。しかも、ストーリーも何だかなぁ・・・確かにこの作品はインモラル感に溢れているんだが、その大部分はそういう「反ソフ倫」という劇薬によるもので、作品の世界観自体から漂ってくるものはほとんどなかった。

例えば、ウリの一つの近親相姦も、ちっとも背徳的なことをしているように思えなかった。というのも、この作品の背徳行為は全て義兄の指示のもとに有無を言わさずやらされるものだからだ。例えば、こめかみに銃を突きつけられたらじじいのチンポだってくわえざるを得ないでしょうが。そういう時はチンポより銃の方が気になる訳で。こうなるともう近親相姦でもスカトロでも同じような感触になってしまいますなあ。どうにも近親相姦と別な部分を刺激されているように思えたんだけど・・・。何だかこの雰囲気は、田所氏の昔の作品「学園ソドム」を連想させられる。あれも極悪人灰田が生み出す狂気ムードが、やっている行為を駆逐していたような・・・しかも、この「実姉妹」は「ソドム」よりも狂気の度合いが遙かに薄い。そういう意味では中途半端という感じがするなぁ。

あと、絵がヘタれているってのも大きい。とりあえず、エロに全部という感じの作品なんで、絵面は重要。CGが差し替えになった影響は大いにあると思う。ヘアが剛毛じゃなくなったのはよかったが、それ以外は明らかに前の絵の方が良かったような気がする。汁CGに関しても数はそれなりにあるものの、かなりヌルい表現でさっぱりだった。内容に反しておとなしい絵だこと。

ただ、音声に関してはよかった。卑語満載だしねっ。何だか「発情カルテ」で燃えていたのがアホらしくなるぐらい、いやってほど「チンポ」「オマンコ」って言葉を聞けますわい。キャラ性はほとんど関係なく、いきなり卑語喋りまくるんで、もう何が卑語なのかマヒしてしまうほど。そういえば、うちの掲示板で「ここまできたら隠語じゃなく陽語」って話もあったなぁ・・・。できれば「キャラやシチュエーションにあった形での卑語の出し方」ってのも考えてほしいけど、一度はこういうマックス状態を出さなきゃいけないと思うんで、俺的には極めて好意的に受け止めたいですな。

そして、最高にポジティブなのはおまけCD。いつもいつもおまけCDが一番評価される田所作品だが今回もっ。初回特典につくオマケCDは「お兄ちゃんロックンロール」と「お兄ちゃんブルース」の2曲のテーマソングとカラオケ。それに兄妹卑語ドラマ8本がついている。

この卑語ドラマのバカさ加減にゃ参ったですわ。

「チンポ〜、ビンビンのチンポはいりませんか〜!どうしよう、一本も売れない・・・」ってな出だしの昔話や「お兄ちゃん、チンポでギターを弾くのよ!きっと有名になれるわ!私はオマンコでハーモニカを吹くわ!」というロックバンドの話、何を言っても「チンポ」で終わる言葉を言ってくるしりとり女等の話が延々と・・・。スネークマンショーの「ブルーフィルム」を越えてますわ。こういうの大好き。バカドラマだけじゃなく女性キャラによる普通の卑語オナニーボイスも入っていて至れり尽くせだし、はっきり言って本編よりもこっちのおまけの方がお世話になりそう

まあ確かに色々不満なところも多いけど、この作品に関しては、出来はどうあれ無事発売できただけでも評価に値するかも。田所氏の日記でもポロポロと書いてあったけど、何かとしがらみの多そうな狭い業界で何か風穴を開けるのは大変だ。作品だけに集中できない事情もあるだろうからねぇ。少々内容がサムくても我慢するか、という気も。それでもなお、十分エロかったと思うし。やはり卑語要素はデカい。ソフ倫作品ではないという強みを短期の開発期間で発揮するには、こういうアプローチしかなかっただろう。

ただねー。送料手数料込みで9300円の価値のある作品だったかーと言われたら大いに疑問だがー。同人ソフトよりは上等だけど、一般エロゲには足りないというレベルの作品だからねー。田所氏のやろうとしていることへの支持表明として今回はお金を払わせてもらったけど、問題は次作だ。この次は今回はアドバンテージになった「反ソフ倫」要素が、既に手あかが付いた状態になるので、内容をよほど上げるか価格を下げるかしないと苦しいわねぇ。オレ的には、2作目はもう買わないかな、という観も・・・。だって発売予定ラインナップ凌辱臭いんだもんー。それやったらソフトオンデマンドの「こわれもの」の淫語CD(3500円)買うわ。明るい「ちんちんぽんぽん」の世界でやってくれんかねー。

 

 

DISCODE-1異常性愛
ソフトサークルクレージュ(2002)
同人SLG /ゲームB+
精液A(顔13[うち顔アップ4]:口1[うち顔アップ1])

私は妄想好きの女の子・・・。毎日淫らな妄想をしては、自分を慰めているの。でも、もう妄想だけじゃ満足できない・・・妄想を実現させたい・・・私は・・・。

未だにアリスの「妻みぐい」は売れているそうで・・・。アリスの新作が定価2800円。やはり、コストパフォーマンスに対してはみな敏感なんだなぁ、と思うことしきり。

とかく、エロゲは高い。特にオレはエロを主眼に買う人間なので、同じような刺激を得られる他のメディアとの価格差には時々愕然とする。エロマンガ「飲尿女神」が1000円、エロビデ「ゴックンバズーカ」がせいぜい3000円という他のエロ分野と比べて、定価8800円分実売7000円弱分の刺激を感じさせるゲームがどれほどあるってんだろうか。そりゃ他メディアと比べることは無意味かも知れないけどさ、ゲームとして見たら「マリオサンシャイン」なんかは定価6800円な訳で。これはどういうことなのよ、と。中途半端だよな〜。エロがあるからこそしょーもないゲームに高い金を払えるんだけど、そのエロに関しても、もっと安い金額で同じぐらいの満足を得られるんだから。オレは致命的に貧乏だから、そういう部分にはさもしいのだ。

とはいえ、エロゲにはエロゲの魅力があるってのは認めざるを得ない訳で・・・そういうジレンマを抱えているボクチンがこの度買ったのが、精液ぶっかけ系の古参同人サークル・ソフトサークルクレージュから出た「DISCODE-1」という同人ゲーム。

まあ、ことコストパフォーマンスって点においては、うっす〜い本に1000円払わないといけない同人世界はまさしく大バクチの連続なんだが・・・。ただ、欲望は深いだけに当たった時はデカい。打率1割台の松井という感じの分野である。その当たった時の快感が魅力で、最近普通の汁では物足らなくなったオレも、その大当たりを求めてちょくちょく「とらのあな」なんかに出向いたりするようになってしまったのだが・・・。やはり今でも買うときにはかなり迷いがある。

しかし、この「DISCODE」はまさに東京ドーム天井直撃弾
買ってよかった!

ゲーム内容は単純。汁好きの女の子が、色んなところで汁H体験をするというもの。朝は教室でクラスメートとまぐわい、放課後は学校での乱交パーティ、そして帰り道はナンパ待ち、家に帰ったら弟を誘惑、てな感じで、まさに一日汁漬けの毎日だ。むひょひょ。しかし、これを漫然と楽しむ訳には行かない。体力と隷属度の兼ね合いが結構シビアで、のほほんと何も考えずにプレイしていると、イベントは半分も埋まらない。Hシーンのキーポイントとなる縄やローションなどのアイテムも、金を貯めて購入しなくてはならないのだ。ストーリーはないが、結構ゲーム性はある。しかし、ちょっとしたゲーム性とキャラ設定を作るだけで、一気にヌキ甲斐のあるものに変わるのは本当に不思議だ。これこそ「ゲーム」の魔力。これが単なるCG集やったら、多少汁があったところで1回使って終わりだろうて。

Hシーンの総数は18。パラメータを揃えないと見られないHシーンがある一方、パラメータはHシーンによって上がるというやり方なんで、H自体にはふんだんに出会える。Hシーンは全てヒロインの独白とセリフによって進められ、ヒロインの声はモノローグも含めたフルボイス。声優レベルは十分。ほんまに同人か、これ?

そして当然だが、全てのエロシーンに汁かけがある

汁に関してはまあ、クレージュは汁専門サークルなんだから、オレから何か言うのも失礼な話だが・・・。ただ、今までのクレージュの作品はオレ的にはイマイチだった。というのも、ここって全身大量ぶっかけ系のイメージだからねぇ。オレはジックス作品のレビューでも書いたように、漫然と全身にぶっかけるのにはあんまり燃えないのだ。 どっちか言うと、狭いところに大量にかけて欲しいタイプのオレとしては、今までの全身ぬるぬる系のクレージュCG集はターゲット外だった訳で・・・。

しかし、この「DISCODE-1」での汁は、そういうネガティブイメージを全てふっとばした。理由は簡単で、かける部位を選択できるからだ。Hシーンの後のフィニッシュシーンは「顔」「マンコ」「身体」という感じで出す場所を選べる。この選択肢が付いただけで、上記のぶっかけ問題はオールクリアになった。

しかもセンスがあることには、Hシーンは体力が続く限り何度も繰り返せるのだが、前シーンの汁かけ選択が絵的に継続されるのだ。例えば、前のシーンで顔にかけたら、次のシーンでも顔にかかったまま。そこでもう一度フィニッシュに「顔」を選択したら2重にかかるし、「身体」にかけたら全身ぶっかけ的な汁になるという訳だ。まあ、同じところには2回までしか汁は重ならないんだけど、これはかなりこだわりを感じる汁システムだね。汁質はかなり綺麗な感じの汁で、そんなにベチョーって感じではないけど、さすがに2回かけとかだとインパクトありまっせ。

唯一不満としては、もうちょっと顔アップ顔射とか口内射精W射精とか見せて欲しかったし、汁そのものへのフェチズム(ネバスペとかザーメンフードとかね)をフォローしてくれたら、とも思ったな。汁フェチ的には結構初心者向けという感じもする。まあ、ぶっかけサークルやからしょうがないか〜。唯一フェチっぽいシーンとして、制服ぶっかけがあったのはサークルのスピリットというところ。

汁好きでこの作品に満足できない人はもう好きに生きたらいい。旅に出ることをお勧めする。ボイス付き汁付きゲーム。それで定価1500円。この内容を考えたら天文学的な対価格効果と言っていいだろう。個人的には「妻みぐい」よりも断然ヌケた。実はこのゲーム、18のHシーンは全て一枚絵。つまりメインのCGはたった18枚しか使っていないのだ。それなのにこれだけ使えるのは驚くべきこと。やっぱり一点突破は効率がいいね!当たりはずれの多い同人界で、こういうものを作ってくれるサークルがたまたま汁サークルだったことを神に感謝せねばなるまいて。ありがとう、エロ神様!

 

 

DISCODE−2 二律背反
ソフトさ〜くるクレージュ(2002)
坊主の自慰行為SLG/ゲームB
精液B+(顔7[うち顔アップ0]:口0[うち顔アップ0])
キーワード:今回はレビューらしいこと何にも書いてません。ごみん。

ごく普通の女子学生・・・しかし、彼女にはなぜか、股間に男のそれが・・・。今までは気にもとめなかったそれが、最近うずき出すの・・・・。

フタナリとは、男である!
という確信がことに強くなる作品。

フタナリとは何だろうと言うことを考えてみると・・・・歴史的な流れとしては、きっと「セックスは描きたいけど、むさくるしい男を描くのがイヤ」という観点からできたと思う訳だ。つまり、フタナリとは「男」の代替物だったと。つまり、フタナリが出ていても、「女役」の女がちゃんといて、フタナリが「男」としての役割を外さずにセックスをしていたら、そこには全く違和感はないんだね。そこにはちゃんと「男」と「女」がいる訳だから。

しかしだな、ハースニール等の同人誌に見られるように、フタナリが「フタナリ」という新しいフェチズムとして独立したところから、フタナリの象徴するものがかなり変わってきたように思う。

オレが見たところ、どうもフタナリのキモってのは、どうも射精感にあるようなのだ。とにかく、フタナリものは射精中毒のやつしか出てこない。どいつもこいつも自分で自分のをシゴいては「でちゃうでちゃう〜!オチンポ!オチンポがぁぁぁぁ!」なんて言いながらピュルピュルと男(?)汁出す。これが様式美ぽくなっている訳だけれども、これがオレにはどうにもわからん・・・。射精がキモである訳だから、当然フタナリものってのは汁シーンが沢山出てくる。そこで、一見したところでは、オレのような「汁マニア」に受け入れられそうな感じもするんだけど、オレ的にはフタナリと顔射口射マニアの間には幅は狭いが深〜い溝があるように思う。

オレにとって汁とは、女にかけるものであって出すこと自体が目的ではないんだよねぇ。射精することのみが良いんなら、女の顔でも、胸でも、ティッシュの上でも同じなんだからなぁ。射精そのものを追体験したいとは全く思わない。単に女のイッたところが見たいというのなら、女のままの方がよっぽど良いと思うんだが・・・・そこでわざわざ男と同じシーンに差し替えようというのがすごいな。

もちろん、先に言ったように「女役」がいてくれたら問題ない。せやけど、フタナリのみ、もしくはフタナリ×男の組み合わせやと大いに困った状況になる。そこでこの作品。延々と女が自分のチンチンをしごいて射精するシーンの連続なんだね。オナニー色強いっす。やっぱり、まず「射精」ありきのような気がする。ヒロインは授業中に発情して、トイレでオナニーしてピューピューザーメン出したり、自分の部屋で好きな男の写真を見ながらチンポしごいてたり。つうか、見れば見るほどヒロインが男に見えてくるって感じなんですよー。ヒロインの欲望も、実際やってることも男そのものやねん。そういう状況でヒロインがチンピラに輪姦されたり、好きな男に告白して和姦シーンがあったりしても、結局さぶですわ。やっぱり萎えますわな。

それに、フタナリは構造的な問題ってのもあって。フタナリのフィニッシュシーンは、射精するチンポとエクスタシーのアヘ顔を同時に捉えないといけないという観点から、ど〜しても画面がロングになってしまう訳だよ!チンポと顔は離れているからね!そうなると顔アップの射精シーンは必然的に少なくなる・・・この作品も顔アップ一つもなかったなぁ・・・。

そういう意味ではシリーズ前作「DISCODE-1」はモロに汁マニアターゲットの作品であったが、フタナリオナニー作品であるこの「2」は汁というキーワードで結びついていながらも、その欲望の種類は全く違う作品だったような気がする。まあ、これはこれで一つの市場になっているようなので、オレのようなジャンル違いの奴からのいちゃもんはそれこそ余計なお世話というものだろうが。しかし、汁マニアとフタナリはやっぱり合わないなという感をまた確かめた一作でありました。

まあ、そう言いながらしっかりヌキましたが!
セルフ顔射にはやっぱり燃えるねっ(結局、顔にかかっていれば満足)

 

 

パーフェクトホール
アウトバーン(2003)
淫乱ツイン婦警フェラ淫語専門ADV/ゲームB+
精液A+(顔14[うち顔アップ10]:口7[うち顔アップ5])
キーワード:下品万歳

灰燼派出所のファンキー婦警・メグ&マドカ。今日もきょうとて、「特別」勤務!毎日がノ〜プロブレム♪

口を開けながら歩いていたら、満漢全席が向こうから入ってきたような作品。

中小ブランドのエロゲ以上に規模が小さい同人ゲーム。数少ないCG、限られた技術。その上、同人誌よりもさらに高い値段のものが多い訳だから、満足できる作品作りとなると厳しい。いきおい、出来の良いものは限られた能力を一点集中で出した偏ったものが多くなる。作品評価のキーは業の深さ。しかし、そういう作品はフェチや欲望が偏りすぎて、全てがストライクということは望むべくもないのであるが。

そこで、この作品。

フェラ専ゲー「ラブラチオ・マニアックス」のライター・西崎氏のペンで、下品同人誌の神・ガジェット工房のA-10氏が原画。口淫色の強い作家同士のコラポで、当然ゲームはフェラ手コキ&淫語オンリー。一穴主義の極みのような作品。しかも、フェラオンリーということはフィニッシュは当然、顔射か口射しかあり得ない訳で。「オレのために作られたか?」という電波を受けかねないほどのコンセプト!構えたバット目がけてボールが飛んできたという感じだな。

内容はすこぶる簡単だ。サキュバス淫乱婦警がひたすら淫語を言いながらチンポを舐めまくるというだけの作品。Hシーンは、22のシチュエーション。うち21のシーンに2つの会話バリエーションが用意されていて、合計43シーン。内訳はフェラが13シチュ、手コキが2シチュ、足コキが2シチュ、ぶっかけが3シチュ、アナル舐めが2シチュ。セックスシーンはおろか、2人の婦警は服さえも脱がない。この割り切り方は見事。いや、これでええのよ。マンコなんか別にいらん。フェラマニア、ザーメンフリークというものは、ぶっちゃけた話、顔さえあればいいのだ。

Hシーンの作りはインディーズビデオの淫語ビデオそのもの。限定された状況のなかで、チンポ中毒の女達が言葉と身体で延々とチンポ愛をぶつけてくれる。非〜常にお下劣であります。まー、「チンポ」関連の淫語は山盛り聴けますわ。唾液音とかえげつないほど入ってます。修正なしとはいえ、もはや淫語は珍しくない。しかし、この作品のテキストは本当に好きな人間が書いているという点で、単に淫語をどんぶり勘定でぶちまけたというものとは一線を画していると思う。特にオレが気に入ったのは「Wオナ視姦」。フェラも手コキもなく、2人の婦警が顔アップの状態でこっちを見つめるなかオナニーして顔にかけるものなんだけども。それがいわゆるSMなぶり系じゃなくって、2人がワクワクと精子の出るところを待ち受けている様子を肴にオナニーする訳だ。しかも、向こうから「私のかわいい顔でオナニーして」とか言われるのは非常に気持ちいい。フェラ・顔射好きの病が極まってくるとセックスとかどうでもよくなってくるけど、更にそれが進行すると、もうフェラすらどうでもよくて顔を見ながら自分でオナニーして顔にかけるのが一番良かったりするんだ(オレがそうと言うわけではないけど!)。女が寝ている顔を見ながらオナニーをしてみたりね(オ、オレがそういう訳ではない!)。でも、ここまで来ると、さすがに女性に悪いかな〜と自己嫌悪になりそうなところで、このゲームの娘たちは、まさに顔をズリネタにされることが望みであるという発言をする。こりゃ天使だね。

A-10氏の絵は相変わらず独特なムードのあるアニメ絵で、個人的に非常に好み。ただまあ、この塗りはどうかなぁ・・・。もともとザーメンフードや汚れ靴下にワキ毛ボウボウ等々、下劣表現が大得意のA-10氏ではあるが、オレ的にはかわいい絵柄と下品さのミスマッチが好きだったんだ。しかし、この塗りだとかわいい部分がかなり弱まり、ギラギラしたところばかりが強調されていてA-10氏の絵の魅力を多少スポイルしているように思った。中間色を使って柔らかいムードにしてくれた方がよかったなぁ。も一つ贅沢を言わせてもらえば、2人の婦警が同じようなサキュバスタイプじゃなかったらなお良かったんだけど・・・わざわざ2人準備した設定が生かされきってない。片方は痴女だが、片方はフェラを全くしたことがなくて興味津々、とか言う風にもっと立場が離れていれば更にモチベーションが上がったと思うんだけどね。まあ、これだけ小さな規模のゲームだと最初からマックス状態のキャラの方が料理はしやすいけど・・・。

結論としては、これはフェラ・淫語・汁属性の人なら絶対に買いだと思う。シチュ的にはソフトさ〜くるクレージュの「DISCODE」よりも欲望の強度が上と感じた。女性フルボイスで2300円。損はさせないですよ。正直、同人でここまでオレ好みの作品出されると、非常に不満を言いにくい。こういう濃い欲望系のゲームで他人の意見を聞き過ぎると作品として薄くなる可能性があるし。しかし、A-10氏を使っているのに、チンカス掃除やキンタマ責めのシチュがなかったというのは意外。近年の巷のフェラフェチの流れを考えると絶対にあると思ったが。せっかくキンタマが無修正で描けるのに・・・。まあ、これは次回作のために温存したと思っておくか!このコンビの次作、きっとあるよね?あってくれ!

これで汁がよかったら、本当に完璧に近い作品だったのになぁ・・・。いや、フェチとして汁については言わせてください!一般作ならこの汁でも十分だけど、この作品はフェラと汁に大層こだわりを感じるし、オレ自身の嗜好に通じるものがある!ここは敢えて言わせてもらうっ。

汁がくっついてないんだよ。汁が。

コラムでも散々言っていたことだけど、くっつき感こそが汁CGのキモなんだ。汁シーンがあっても、汁がくっついてない作品が未だ多い!

ポイントはたった2つしかない。輪郭と影の問題。わかりやすく絵で解説!

●汁がくっついていないCG

1・汁の輪郭が360度ちゃんと描いてある(カプセルのなかに入ってるようになってしまう)
2・汁の影を厚く描く(汁の下に均等の幅で影を入れると、肌の上空に汁が浮いているように見える)
●汁がくっついているCG

1・輪郭をボカす(全てボカすのも×。重力があるから、当然汁は下に流れる。しかも、精液は分離するから、上から下に水分をしみこませながら重い塊が移動する。従って、下の塊の輪郭を残して、上の水分の輪郭はボカす)
2・影をほとんど描かない(くっついているんだから、ほとんど影はいらない。汁の塊の部分にわずかに線を入れるだけで十分。肌との差違を出したいなら、むしろ汁自身に影をつけるべき)

おい、オレをバカと言うな!

お絵かき掲示板で描いたCGゆえに、ちと粗くて恐縮だけど、ニュアンスは伝わるでしょ。こういうことですよ。この「パーフェクトホール」の汁はモロに「くっついてないCG」に当てはまっている。輪郭がはっきりしすぎていて、どうもゼリーが乗っかっているような感じだ。量が出ていてもズシ!っとこない。そういえば、各所でオレが推薦された「妹汁」、これも汁は沢山出てるけどくっついてないCGだった!せめて汁の下の影を小さくしようぜ!

まあ、好みの問題と言われればそれまでかも知れないけど、汁に関してはわしゃ譲れん!もしかしたら、汁好きの人すら、「別にいいやん」と思うかもしれんけどね〜。こないだの「恋する妹〜」のレビューでフェチの先鋭化については少し話したが、かく言うオレもこと汁に関しては理性で割り切れない異様な感性を持っている訳で・・・・。

最近、フェチゲーってテクノですねみたいなこと思っとるんだ。物語は曲に言い換えることができる。テキストは詩に、キャラは音に、ストーリーはメロディーに例えられるだろう。流れていくストーリー(メロディー)に、テキスト(詩)が豊かなイメージを加え、キャラ(音)が彩りを添える。とすると、フェチゲーはテクノだ。時間軸で連続するメロディーよりも、1つ1つの音へのこだわり。作品の総体よりも要素への偏愛。論理ではなく、「萌え」として感性で理解する。その細部への関心はキャラにとどまらず、特定の属性までに先鋭化される(何だかサブカル雑誌みたいな話だぞ!)

そういう意味ではこの「パーフェクト・ホール」や、ランドセルとスモッグ着たような娘が出てくるロリゲは、インダストリアル・テクノだな。肥大化した要素のみ。ストーリーも、詩情も、キャラ性もない。そこにあるのは延々と続くフェチの反復という訳ですわ。まあ、興味のない人にとっては騒音にしか聞こえないでしょうが!しかしまあ、そのフェチ要素がちゃんと煮詰めてあれば、これは存在価値があると思う・・・というか、なかったら困る。こういう流れが普通のエロゲにフィードバックされていく訳だし(オレがロリゲによく文句を言うのはロリゲ自体が気に入らないのではなく、その志の低さというか、とりあえず感の強いフェティッシュぶりに一言いいたいの)。

逆に言うと音が面白くなかったら、テクノなんかエレクトーンのリズムボックスとかわらん。フェチゲーも要素を磨き上げることでしかその価値を証明できない。そういう点でこういうアウトバーンみたいな欲望の深いゲームを安価で出してくれる存在は心強い。1作限りで終わらせないで、続けて欲しいです。汁フェチブームが去った感のある(泣)一般エロゲブランドに代わって、くれ〜じゅとともに汁ゲを引っ張ってくださ〜い。

 

 

DISCODE surface
ソフトさ〜くるクレージュ(2004)
同人SLG /ゲームB
精液AAA(顔12[うち顔アップ4]:口2[うち顔アップ1])
※まだ見てないCGが4枚ほどあり、不正確です。
鼻射・メガネ射は顔射にカウント、髪射は除外

ちょっと見た目は優等生。でも、欲求不満の私・・・。誰か、私を汚して。私を壊して。

ナイスですね!

まことに、まことに、ナイスですね!ホラ貝の音が止まらねぇ!村西カントク、アンタが広めた顔面シャワーも遂にここまで来たよ!

ホントに久しぶりのレビューです。去年の総括で散々泣き言を言ってしまったように、フェチの先鋭化とおっさん化がダブルで進行する俺。今年最初の期待作だった「愛姉妹」が激しくズッコケたのも相まって、エロゲ離れが一気に加速。理想の汁ゲを追い求めた日よ、今いずこ。どこかにあるユートピアにたどり着けないまま行き倒れの三蔵法師だった訳で。

そしたら、意外と近くにあったよ、天竺!

池袋駅から歩いて5分。とらのあな4階にそれはあった。ぶっかけ専門同人サークル「ソフトさ〜くるクレージュ」制作『DISCODE』シリーズの最新作・『DISCODE surface』だ。前回の「2」がふたなりものだったことで、やや意気消沈していた同シリーズだが、今回はシリーズの総決算、汁ゲ界のナポレオンというのにふさわしい高品質の作品に仕上がった。

ゲーム内容は前作前々作と同じ。

欲求不満を持て余す女子が、街で学校で秘密クラブでフィーバーしまくるというもの。しかし、イベントシーンが一気に増えたので、プレイしている時の期待感は前作とは比べようもない。「1」では18枚だったイベントCGは今回一気に43枚だ。それぞれのCGに一つのシチュエーションがふられており、それに眼鏡やバイブ、クスコ等アイテムによるバリエーションが存在して、非常に盛りだくさんの内容。汁プレイの内容を書き出してみたので、ご覧くだされ↓

本作に入っている汁プレイ:

単発顔射、多人数顔射、単発口射、胸射、身体かけ、局部かけ、クリトリスかけ、髪かけ、鼻射、メガネかけ、手の中出し、足かけ、中出し、アナル中出し、体操服・ブルマかけ、緊縛ぶっかけ、ニーソックスかけ、射精観察、中出し後バイブかきまぜ、中出し後クスコ観察、足コキ、スペレズ
本作に入ってない主な汁プレイ:

わき射、大量飲み、眼射、ザーメンフード、ネバスペ、露出系汁プレイ

代表的な汁プレイはほとんど網羅されているといっていいだろう。飲み系がやや弱いかなと思うが、このサークルは元々ぶっかけ専門。ぶっかけに関しては全くもって充実している。当然、今回も一つ前のシチュエーションでかけられた汁が次のシーンにも残っているという、多段汁仕様になっている。この汁の使い分けが驚異的で、43枚のCGが汁かけ差分を入れると750枚以上に膨張!汁CGに関してはもはや異次元の領域に達していると言っていいだろう。

これだけのバリエーションを作ってしまうと、例えば顔アップの顔射が好きな俺にとっては、それが数シーンに止まっているしかないのは残念とも思う。しかしだ、一つ一つのシーンがものすごく密度が高いので満足度は極めて高いのだ。例えば、ある顔射シーンでは、目元、髪、頬、口元それぞれに別々にかけられる。かけたら汁が後に残っていくので、全部の場所に発射し終わった後のドロドロ感は凄まじい。汁質は相変わらず非常に良く、水っぽい部分と固まりの部分がしっかり描き分けられた重い汁がズシッ、ズシッという感じで乗っていく。

そして、汁をかけられる女の子を描くのは、現役では最高峰のエロさを持つ絵師・LINDA。かわいくも肉感的な女性に重たい汁がバシバシかかっていく様子は、画面を突き抜けて匂いが漂ってきそうだ。ウゲー。ヒロインの和泉鏡華は男の喜ぶことを前もって知っている女で、心では精液をかけられたくてしょうがないのに、表向き嫌がっているという、二つの表情をモノローグとセリフで同時に味わえる。卑語も満載、和泉のシチュエーション実況も汁好きにフォローが利いたもので非常に良い感じ。

汁のかけ甲斐のある美しい女、そしてかかったという実感のある汁、そのシーンを彩るフェティッシュなテキスト。全てに渡って抜かりがない。全てがぶっかけに向かってのコンセプト。ポリシーも何もないエロゲブランドが「こんなの流行ってるらしいぞ」なんて言って作るズッコケフェチエロゲ、皆身投げせい。今回も非常に攻略が難しいのが難点だが、この汁シーンならかなり必死でやること請け合いだ。修行中のお坊様だって塀を乗り越えてやってくるぞ。でも、未だにメインストーリーのトゥルーエンドが見られない・・・難しすぎるぅ〜!アリスのゲームじゃあるまいしっ。

まとめ。キャラ性やストーリー性を除いて、単にエロシーンの汁だけを論じれば史上最高の出来だと思う。絵面に関しては、ほとんど完璧。これ以上にかけると逆にインパクトが下がるし、そういう意味では汁絵はもうマックスに近い。内容に関してもほとんど文句ない。そら言い始めたらなんぼでも言うところあるけど、そもそもフェチというのは超個人的な許容度の小さい世界で、100%一致なんてことは絶対にありえない。それを考えると他人に作ってもらう作品としては、大満足、マンモス満足ですわ。しかも、これが2500円で買えるんですよ。ナポレオンはナポレオンでも下町のナポレオンだよ!まさに庶民の宝!全ての汁好きに買ってもらいたい。


ただまあ、個人的にはこれを傑作とは呼んでも、決定版とは呼びたくないんだよね。

この作品で、やっとエロゲはAVに追いついたと言える。こういう内容の作品はAVでは既に10年前から行われていた。しかし、エロゲの世界でのフェチは非常に進行・検証が遅く、特に「フェチ」を名乗った作品ほどしょーもないという、非常に徹底度の低い業界である。そういう意味では、本作『DISCODE surface』は”初めて”の本格的な汁フェチゲームだった。ようやく、「初めて」。だからして、俺的にはこれを究極作とするのではなく、これをスタンダードとして、ここから始めてもらいたいぐらいなんだけど・・・。ムリかなぁ。エロゲは女性の内面を描けること、キャラを作れること、射精をコントロールできる等のAVにないメリットがあるので、この作品のように非常に破壊力のあるフェチ作品を作れる可能性を持っているんだが。

クレージュにも、この先の内容と見せ方のバリエーションを大期待。この『DISCODE』シリーズで、誘い受けギャングバン形式は完成した。次は是非、和姦で同じ汁量を実現して欲しい。恋人に、嫁に、妹に、奥さんに、同級生に、後輩に、アイドルに、バシバシ鼻に出していこうや!主人公の1人称目線で、女性目線モノローグ切替付きタイマン和姦(『SEXFRIEND』、『あゆみちゃん物語』型)をやってくれたら、地球が滅亡しても笑って死ねるだろう。頼むぜっ。

 

 

DISCODE reverse
ソフトサークルクレージュ(2005)
同人SLG /ゲームB
精液AAA(顔21[うち顔アップ6]:口4[うち顔アップ3])
※前作と共通のCGを除くと多分↓
(顔12[うち顔アップ4]:口3[うち顔アップ3])

ボクらの妄想ヒロイン鏡華が帰ってきた!至高の傑作「DISCODE surface」の舞台で再び繰り返される愛と性と精液の物語。

就職活動中の諸君、職は決めておくに越したことはないぞ!

確かに就活はめんどい!うざい!しかしだ、だからといって俺みたいに何となくニートの道を選ぶと、30過ぎて晩ごはんがバームロール1袋という痛快なことになってしまうぜ!剣呑剣呑。一度履歴書に穴を空けると、人と同じ道に戻るのは困難だ!何でもいいから職は持っとけ!

とまあ、今俺は貧乏なんだ。アングラ劇団員並に貧乏である。にも関わらず!こういう時に限って4月は何年かぶりのエロゲ大豊作月な訳だ・・・。相変わらず体験版が魅力的なアトリエかぐや「ナスおま」チームによる「家庭教師のおねえさん 〜Hの偏差値あげちゃいます〜」。フェラチオ編から急激に成長した廉価アニメエロゲ「らぶフェチ〜マゾ編」。俺の理想が結実した衝撃のリアルタイム3Dビジュアル「らぶデス」。そして、猫舌あちの新作「くじびきAI-BIKIスクランブル」・・・嫌がらせか?

しかし、こういう時にも嬉しいじゃないか。俺の金銭事情を見越したかのようにたった2400円で爆汁ゲームを出してくれるブランドがあるなんてねぇ。ほんとにクレージュには足を向けて寝られねぇな!2400円と言っても期待はデカい訳だ。何しろ、前作「DISCODE surface」はうちのランキングで現在も1位。「DISCIPLINE」よりも上なんだぞ。その続編となれば、もうワクワクが止まらないというものじゃ!8800円もするソフ倫ゲームども、皆死んでしまえ。これだけで十分さ。ああ、十分だ。発売日の朝一で池袋に突撃し(その元気あったら仕事しろ)、とらのあなからVターンで帰宅してプレイオン!


ところがなぁ・・・・。

なんつうか・・・・。正直、インパクトは前作の半分以下だったな・・・。いや、確かにすげーんだけど・・・期待が大きすぎたかなぁ。うううううむ。

改めて、様式だけに頼った作品の飽きの早さ・耐性獲得の早さを実感した。この作品はシリーズ前作「surface」のアルタネイト・リミックスという感じの作品で、主役も舞台もメインのストーリーも前作のまま。違うのはサブストーリーだけという形式になっている。前作と同じところはCGもまるっきり一緒。最初起動した時、間違えて前のを買ってしまったか?と思ったぐらいだ。つまりどういうことかと言うと、どんなエロシーンが来るかハナから全部わかっちゃうんだよ。そして、その想像を裏切る名シーンは一つもなかった。「surface」の時のワクワク感は霧散したと言っていい。もちろん、このシリーズはもう「surface」以上のものは作れないと思ってたし、それを踏まえて前作のレビューの締めで「もうこの形式は完成したー」ということを言ったのだが、それにしても、ここまでフツーになるか、と思わざるを得ない。汁質やLINDAの原画の良さについては相変わらずである。なのに、汁度では遙かに弱いクレージュの前々作「have relations with…2」の方がヌケた。いつもは汁シーン見たさに懸命にやるクレージュ名物のむやみに難しい攻略も今回はうぜーの何の。

この作品のように行為そのものでしか評価できないフェチ系ジャンルで、同じことを繰り返すのはバクチ度が怖ろしく高い。

例えば、ぶっかけものというフェチAVジャンルがある。女優が真ん中に座り、その後ろで白ブリーフを履いたむさ苦しい男が山盛り立っていて代わる代わる女優にザーメンをかけていく、ただそれだけを90分続けるビデオ形式である。そこまで堅牢な様式の世界では、女優と汁質でしか違いが出せない。昔はまだ汁をどうかけるかという余白があった。しかし、それもここ数年で大いに発展。どんなしょーもない汁AVでもネバスペだの食ザーだの腋射だの汁行為のバリエーションを一通りやっとる訳だ。汁男優の出す汁質のレベルもどうしようもないってのはなくなった。となると、もう女優しか変えるところがない。ここでしか鮮度を出せないんだ。「ドリームウーマン」や「ドリームシャワー」で同じ女優が二度と出ることはない。どれほど良い女優が出てきても、せいぜい2回までだ。じゃないと、飽きる。南波杏ですら3作目の汁ビデオは全く勃たなかった。

そこにおいて、「DISCODE」はもうこれでシリーズ4作目だ。しかも、エロゲ的に「女優」であるところの原画も全て同じ。ゲームの雰囲気も全て同じ。これで飽きないってのがおかしい。しかし、「DISCODE」はそれをエロ要素のインフレで乗り切った。シリーズ最初の「DISCODE-1」はとにかく全てが新鮮、2作目はちょっと落ちたけど主人公をフタナリにしてベクトルを変え鮮度は保った、そして3作目「surface」はゲーム規模も汁シーン強度も爆発的に高めて最高傑作をモノにできた。しかし、本作は敢えて前作と同じ形式で、しかも要素的にほとんどプラスがない(露出とか汁に関係ないところでテコ入れしてどうすんだ)。こうなると一気に倦怠感が襲ってくる。ことに前作が余りに衝撃的だったせいで、余計に色褪せて見えたな・・・。4作目を出すのなら3作目でもっと出し惜しみすればよかったのに。

しかし、本当ならシリーズ4作ぐらいなら何とか行けると思うんだよね。というのもこの作品はゲームだからね。ゲームはAVよりも遙かに有利な「武器」を持っているから。それ即ち「感情移入」という武器。主人公を通じてゲームの世界と繋がり、キャラと交信する。マウスをクリックするたびに、世界観と一体化していくあの感じ。ただの推理小説が、ボタンを押しながら読むだけで「かまいたちの夜」のあの戦慄になる(ゲーム性うんぬん言うけど、こうして思うとゲーム性の本質は「ボタンを押すこと」だね)。この世界観と繋がる感じがある限り、ゲームは他のメディアよりも圧倒的に有利なんだ。

だからして、「DISCODE」もこれだけレベルの高いエロ要素があれば世界観でカバーして何とかなったはずだ。ところがだ、この「DISCODE」シリーズはなぜかプレイヤーの感情移入を拒絶するような作りになってんだな、毎回。なんでやろ?

俺はこの作品に出てくるキャラクターが全員嫌いだ。もちろんヒロインも含めて。「DISCODE」の世界は学校に性欲処理サークルがあり、街では輪姦パーティがあり、倫理的に非常にインモラルな世界。しかも、インモラルでありながら、キャラ全員が何の疑問もなくフツーにそれを活用しておる訳だ。「学校で性欲処理サークルがあってもいいのか?」は議論されない訳。これが男目線なら問題ない。そういう価値観のなかにプレイヤーも参加してしまえば、 いびつなものも多少クリアできてしまうもんだ。携帯電話を持ってない時は携帯で話してる奴がうっとうしく見えるけど、自分が携帯持った途端、気にならなくなるでしょうが。

しかし、この作品は女性目線なのである。プレイヤーが参加できなのだ。そうなるとこの世界のモラルの低さが一気にうっとうしくなる。畜生!自分以外のヤツが楽しくコーマン決めてる!ってことになるんだよ。学校で性欲処理するなんてけしからんヤツだ!となる訳。そして、そういう世界でヒロインはどこでも、誰とでも、やりまくる。しかも、相手がまたどーでもいい男ばっかり。ヒロインに感情移入できれば、これは寝取られとして成立するが、世界観と繋がる術がないので、単に「誰にとっても都合のいい女」ということになる。誰とでも寝る女。こういうタイプのヒロインはエロゲ的に非常〜に料理が難しい。プレイヤーのエゴと独占欲が強烈に投影されるエロゲのヒロインとして重要なのは、「俺だけに都合がいい女」もしくは「俺だけに都合が悪い女」であって、この「DISCODE」のような「誰にとっても都合のいい女」のヒロインは、「誰にとっても都合の悪い女」よりも更にタチが悪い。しかも、ヒロインはそれを喜んでいる、そして、プレイヤーがヒロインにアプローチすることは許されない。ものすごい疎外感。

この世界も、ヒロインも、以前はそんなに気にならんかった。しかし、これだけシリーズが続くとさすがに気になってくる。延々と同じヒロインでありながら、ここまで近づけないヒロインもすごいな。1作目の時に理想のヒロインに見えたのが、遠い昔みたいだ。普通シリーズを重ねるとキャラには親しみが湧くもんだが、この娘に関しては、男の好みとかエッチに対する姿勢の余りのドライさ・奇矯さを見れば見るほど、むしろ遠い存在になってきている。本作においては、ほとんど怪物に見えてきた。

「DISCODE」の世界を楽しめるかどうかは、例えばかなり前に問題になった援助交際のニュースとかでウリをやってる女子高生が、「エッチもできるし、お金ももらえるし、誰も困ってないからいいじゃん」と宣うのに対してどう思うか、で計れる。ああいう女がヒロイン、しかもプレイヤーキャラでもあるから、その価値観にずっと従ってプレイしないといけない。ああいう援交女子で、ましてその考えを変える気がないと来れば、俺的には自分の近くには居て欲しくない訳だ。まして自分の娘や恋人なんかが、そんな心根を持っていたらどうだ。「みんな喜んでるんだから」なんてレトリックでごまかせる問題じゃない。エロゲのヒロインでも同じ。もし、このヒロインが俺が主人公のゲームに出てきたら、このヒロインに何か一言言いたくなると思う。一言言えば、一気に近づける。ことに俺は自分がモテないことをいいことに女にも自分と同じ立場を求めるファンタジー人間だからさ!こんなモンスターみたいな女主人公は全く受け入れられない!しかし、「もうちょっと親しみやすいところ見せて」と言おうにも、女性目線のゲームだとプレイヤーのそういう気持ちが反映できない。回りのキャラも、ヒロインに近づけずただ肉欲を発散するだけ。こうなると俺の気持ちはどこにもいけない。登場人物全員、彼岸の世界だった。何か大暮維人の「エア・ギア」読んでる時の気分みたい。もう絵しか見とらんわ。このプレイヤーと世界の一体感の希薄さが、このゲームを水槽観察にし、ゲームを単なるLINDAの音声付き汁CG集に分断しているような気がする。

まあ、同人ゲームに対してここまで文句言うのは筋違いって感じもするけど、クレージュはもはや一般ブランドと変わらない位置に来ていると思うので、敢えて言ってみた。それにこの「DISCODE」をこの先も続けるのなら、原画を替えるかヒロインを替えるかしかマンネリを逃れる方法がない。こんだけ多様化した世の中だから、ゲームの世界観も様々なものがあっていいと思う。でも、ことエロゲにおいて、ヒロインにトキメキのないゲームを作ることはナンセンスだろ。これは好みの問題ではなく、「地球は自転してます」レベルの絶対の命題だ。知れば知るほどビッチ度が高まるこのヒロインはシリーズもののヒロインとしてマズい!これならベタな優等生処女ヒロイン強制調教ものの方がまだよかった。俺のこういう感じ方は決してエロゲーマーのマジョリティから離れてないと思うんだけどなぁ・・・。エロゲーマーはこういう「DISCODE」的価値観と無縁だからエロゲやってんじゃないの?それとも、もしかして俺が引きこもってる間にエロゲーマーでも学校で性欲処理サークルに参加してたって奴が大多数になってきたのか?ゆ、ゆとり教育ってやつ?


まあ、色々うざったいクレームをつけてしまったものの。結論としては、2400円で濃厚なエロを求める人には史上最高レベルの一作に間違いない。もちろん、それは前作がなかったら、という注釈はつくんだが。パラメータ的には、前作よりも良い。今までこのシリーズをやっていない人なら絶対的に満足できるはずだ。前作と合わせて1作と思うと丁度良いかもな。前作と合わせたって、フツーのエロゲよりも安いし。とにかく、様式の完成度は高い。エロシーンの絵面と汁のクオリティの高さはフェチゲームで望めるものとしては、もうこれ以上ないだろ。前も言ったけど、クレージュが汁フェチのサークルでよかった。汁好きはクレージュに感謝しないといけないな。シリーズ次回作があるなら、顔アップの汁シーンと卑語、それと露出やバイブ関連よりも個人的にはコスプレを増やして欲しい。そして何より、ヒロインに近づかせて!



それにしても、これだけの圧倒的な汁作品に対してまだ文句を言える俺の厚顔無恥さというか、翻って近年のオタク世界の様式肥大の病的な発達ぶりというを感じないでは居られない訳だけどね。これほどのレベルのものでも、同じ事を繰り返すとインパクトがなくなるのか。エロゲはジャンルの略奪消費をしすぎて様式の奇形肥大を止められない、ってのはいつか何かのレビューで言ったけど、こないだ今人気あるらしい「Sound Horizon」という集団がやってる「楽園」っちゅう同人音楽を聞かせてもらったんだけど、音楽も同じなんだな。このサークルの音は、音楽の要素一つ一つを極端に圧縮して詰め込み、刺激が永続的に続くようにしてあるような感じ。展開も、アレンジも、ボーカルも、メロディーも1秒もフツーのことをしてられないという性急さで、「音楽の裸足少女」とも言うべき、様式肥大ケツマンコ・ミュージック(ほめ言葉)であった。音楽まで、刺激の量り売りの世界になってるのか。オタクというものは、かくも様式の増長を求めることを止められないのだろうか。

まあ俺もその昔、「汁」をインフレ滅亡させる片棒を担いでしまった訳だけど・・・。どんなことでもジャンルとして名前がついてしまうと死滅の始まりなんだが、それが今はネットという圧倒的な触媒を得て、ますます消費の勢いが猛烈になってきている。「ツンデレ」のような歴史と蓄積があるジャンルまで、名前が付いた途端にあっという間に陳腐になったような気がする。ことにエロゲ界のような「ホンモノ」が少ないジャンルでは改変コピペ的粗製濫造のせいで、余計に略奪的奇形的な発達をしていく。業界全体が2ちゃんのスレみたいなもの。もはや、味は関係ない。刺激だけが問題だ。こういう世界で同じことの繰り返しは無為に等しい。「ラブぽた」と「ナスおま」をやったら、「マジカルウィッチアカデミー」とかストーリーもキャラもHも見たことあるものもんしか出てないもんな。俺は酒もタバコもやらんけど、ネットとエロがヘロインみたいなもん。絶え間ない刺激が、オレの不感症を毎分毎秒悪化させていく。小学生の頃11PMのAVコーナーでドキドキしていたオレが、今は舌をピンチで挟まれ乳首に電流を流され浣腸でボテ腹にされながら犯されたヒロインがテープで開けたまま固定された目に眼射される「新体操」OVAを眉一つ動かさず見ている。もう「注射器2」でヌくことは一生ないな。こんな男相手にゲームを作る方も大変だ・・・。バラエティにしても、ドラマにしても何が来ても驚くことはなくなっちまった。しかし、身体はなおも刺激を求めて2ちゃんのリロードを繰り返す訳だ。もはやマルキ・ド・サドの世界。このまま行ったら俺はどうなるんだ。だが、観念して「電波男」一直線になる決心もつかない。できることなら、マーシャルエイジをやってた頃に戻りたい!

しかし、戻るにしても、「黒愛」のOVAを見てから!