●エロゲカウントダウンの作り方●

 

●西暦3003年のエロゲーマーたちへ●

小生、最近非常に危機感を覚えております!

思えばこの「エロゲカウントダウン」、エロゲ界における汁帝国建立を目論んで開いたサイトだった訳だ。5年近くエロゲをやってやってやりまくって汁布教に勤めてきた訳だけど、どうにも最近ヤバい!エロゲをやっても昔のように面白がれない!何をやっても既視感が漂いまくる!以前から何度となく襲われてきた症状だけど、いよいよ末期ですわ。アトリエかぐやのゲームなんか2年前だったら、燃えに燃えてやっていただろうに、チンポびくともしないっす!インポですよ、インポ!一方、今でもエロビデやエロマンガでは抜きまくっている訳で、これはエロゲに対しての感受性が枯渇したとしか思えないっ!どうしよう!

しかし、「十六夜の花嫁」とか良い汁ゲに出会うと、やっぱりエロゲはいい!と思う訳だ。汁ゲ運動の継続は我がレゾンデートルでありんす!とはいえっ、このエロゲEDぶりでは洗脳活動もままならないっ。「あゆみちゃんLABO」と「LOVERS」が出てしまったら、もう次の聖少女作品(2、3年に1本ペース)が出るまで開店休業状態になりかねない。

後継者がいれば・・・!

ボクがフニャチン抱えている間にも、相変わらず大量にゲームは発売され、感受性豊かな狂人候補・・・もとい、青少年達が新鮮な気持ちでゲームを楽しんでいる。このなかに汁サイトの後継者がいるかも知れないのだ!これを放っておくのは、もったいない!

そこで、今のうちにボクのレビューのメソッドを書いておく。いつか出てくるであろう、汁が好きで、なおかつレビューを書きたいなあ、と思っちゃった人。これを見て、ボクの千年帝国実現の野望を受け継いでちょんまげ!

明日のフューラーは君だ!



●ECDの作り方(メンタル)●

現在、レビューサイトは非常に弱い立場にある。

思えば、ボクがサイトを開いた1998年辺りは最初のレビューサイトの興隆期で、とにかく沢山のレビューサイトができた。当然、数が増えればバラエティもできてくる。どんどん個性的なサイト、フェティッシュなサイトが増えた。もちろん、我がサイトは一点突破系の典型。しかも、2000年辺りはそれらレビューサイトでの嗜好なり主張なりが、ブランド側からフィードバックされてきたのだ。汁ゲも一気に増えた。これが世界の狭さの強み。この頃はサイトをやってて充実感があった。

しかし、今は全く状況が違う。その最大の要因は、もちろん2ちゃんねる。速報性は言うまでもなく、フェチ・ネタ系の情報量においてもレビューサイトを圧倒。その巨大さと機動性の前に、レビューサイトから何かを発信できる状況ではなくなってしまった。今や、レビューサイトはプレーヤーの意見を代弁し流れを作る存在では到底なく、98年以前の姿、つまり、データのリファレンス的な使われ方が主になってきたような気がする。今からネタ系主張系サイトで人を集めるのは、結構大変そう・・・。

しかしですね。そんなデータベースみたいなレビューサイトがいくつもあったところで、しょーがない訳だ。

「ストーリーはなかなか良好で、テキストも読みやすいです。ただ、キャラがちょっと弱いかな、と感じる部分もありました。システムは軽快でした。後、エロが期待していたよりは濃くって良かったです。音楽最高!75点ってとこかな?」

↑こういうバイアスのほとんどかかってないレビューは確かに有用。ではありますが、こういうのはどこかで誰かが1つ書けば十分な訳ですわ。レビューサイトとして存在意義があるもの、自分自身への備忘録以上のものを書こうと思うと、こういうデータの羅列から更に一つ踏み出す必要がある。さて、どうすれば?


レビューを書くときに一番重要なものは何か。
それは当然、自分自身であります。

先に例として書いたバイヤーズガイド的なレビュー、ああいうのはデータであって、レビューじゃない。実際、それが読まれる時、読者はデータを見ているのであって、レビュワーを見てない。一生懸命レビューを書いたのに、これでは寂しい。注目されたいからサイトやってるっちゅうに!

データの羅列のレビューから抜け出す鍵は、レビュワーによる切り口。オレはここがスキだ!オレはこれはキライだ!という、指摘ではなく主張。「文章を通じてゲームを描く」のはガイド。「文章を通じて自分を描く」のがレビュー。評論系ならともかく、感想レビューにはとにかく本人の指向性のフィルターが要る。レビューを書くということは、「自分はどういう人間であるのか」ということを晒すことに他ならない。

とにかく、自分のなかの嗜好、好き、嫌いをできるだけ全面に押し出してやるべき。そして自分自身の 「理想」まで持っていたらなお良し!ビジョンがない人の賞賛・批判は説得力がない。ボクの場合はもちろん、「ラブ汁」!そして、一度決めたら、とにかく鬱陶しいほどにそれにこだわるっ。ラブ汁ラブ汁ラブ汁ラブ汁ラブ汁!マントラの如し。特にフェチ系の嗜好は他人には理解されないので、ほとんど洗脳をするような感覚。もちろん、ここで「そこまでの主張は私にはないです・・・」という人がいると思う。しかし、そういう人がなんでレビュー書こうと思うんかね?


そして、レビューを書くにあたって、次に重要なこと。
それは、ゲームの本質を見極めること

ゲームをやり終えて、パっと浮かぶ印象でもいいし、オープニングのある場面でもいい。何か一つ、「このゲームは●●だ!」というものを見つけることが肝要。レビューというものは、一つの読み物になっているのが理想。となると、何か一つ、レビューを読み進む上での大きな手がかりは絶対必要になる。

ここで重要なのは、その「本質」が全くの見当違いであってもいいってこと。それが「本質だ!」と言い切れるだけの自信と熱意があれば、それで十分。むしろ、個性的な視点は人の興味を引きつけますからな。ボクはルーンファンが全員違うといっても、「ルーン作品のアイデンティティはオチンチン発言だ!」と言い切れますよ!まあ、ムリして違う目線で探す必要もないけど、そういう特徴が一つも見つからないよりもずっと良い。逆に、そういうものを見つけてあげないと、レビューされるゲームも印象が薄くなってしまい、そのゲームにとっても不幸ですわ。ボクは大概ブランド自体をキャラ付けしているので、作品内にインパクトが見つけられなかったら、ブランドとしての特徴を挙げてお茶を濁してましたが・・・フォスター作品なんかゲームの特徴ねぇし、毎回ブランドネタですわい!


そして、この二つの要素でもって、レビューで展開することは↓
自分自身 vs ゲームの本質

ここにレビューを書く意味が生まれる。アニメでもドラマでもそう。キャラ性とシチュエーションの組み合わせにドラマができる。レビュワーのキャラ性もない、ゲームの本質も見極めてないレビューは、単に前から後ろに情報が流れる報告書でしかない。逆に言うと、これさえ成立していれば、オープニングでアンインストしてもレビューが書ける。仮にコンプをしてなくても、ゲームの本質がこれだ!と思えば、それに関しての自分の思いをぶつけりゃいい。

後は、書くだけ。



●ECDの作り方(テキスト)●

勢いよく!わかりやすく!
書き方の基本はこれです。

しかも、どっちか言うと「わかりやすく!」という部分の方が重要。特に、興が乗りすぎた文章は深夜に書いたラブレターのようになりかねないっすからな。まあ、インターネットというのはワールドワイドなオナニーみせっこ会場みたいなものなんですが、せっかく書くのだから、できるだけ多くの人にとってわかりやすい書き方、頭に入ってきやすい書き方をしたいもの。読む人の存在を頭において書くように心がけたいですなっ。

まずは情熱を持って一気に書きたいことを書く!その後は延々と読み直して修正。この「修正」にはボクも毎度迷うし、レビューをアップした後でも気が付けば結構手を入れている。ここではボクがテキストを書く時に心がけている注意事項を書いていこうと思う。(注:退屈です)


・1行目、最重要

これは当然。ネットレビューというのは流し読みされるということが前提であるので、1行目で何かフックがないと致命的。ゲッツでもチチクリマンボでもドントポチでも、何でもいいからとりあえず言っとく。

・そこから、自分のレビューの主旨に向かって一気に行く

論文ならともかく、全ての要素に均等にコメントするのは読み物としては愚の骨頂。自分の一番書きたいことを意識して、そこに向かって突き進む。美味しいところは前に前に。注釈・フォローは全部後回し。勢い勢い。

・しかも、読み手を置いてけぼりにはしない

そうは言うものの、読み手が付いていけないほど勢いよくてもいけない。それじゃ、単なるうわ事になりかねない。電波も一人じゃ生きていけない。読み手があってこそですわ。しばらく時間を開けて読み返し、わかりにくいところは書き直す。論旨だけじゃなくって、書き方そのものを直すだけでも大分見やすくなる。段落をまたいだ事柄に対して漠然と「それ」とか「あれ」とか使わないで、ちゃんと書く。主語をはっきり示す。1つの文を長くしすぎない。漢字とひらがなのバランス。エトセトラエトセトラ・・・簡単なことなんだけど、ちょっと手を入れるだけで、効果絶大ですわ。

特に、評論分析等、書いている内容が難しいところほど、平易に書く努力が必要。自分の話している言葉に近い言葉使いで書くというのも、一つの方法。わざわざ難しい用語・言葉使いで書くと、そこで流れが滞って逆効果(まあ、それを笑いとして使うなら別だが)。コケおどし的に難しい引用なんかを使いたい時は確かにあるけど、その時はその前後にその用語の意味が類推できるような文を置くとかしておきたい。対談式レビューなんかも何について話しているか見失いがちなので、ことあるごとにまとめを入れるとか、普通以上にわかりやすさを意識すべき。

・とはいえ、わかりやすさと勢いはシーソーの関係

・・・ここら辺が難しい。

例えば、今まさに使っている「箇条書き」。「システム」「ストーリー」などの項目を設定し、それぞれの内容について分けて書く。これはわかりやすさのモデルのような書き方だけど、読む側的には「箇条書きのそれぞれの内容は互いに連続してない」という先入観がある。したがって、読みたいところの項目をいきなり読まれて、それ以外読まれない可能性も大いにあるんだ。だから、ボクは基本的には箇条書きにしない。実際、内容的には分けているんだけど、やっぱり流れで読んでもらいたいので・・・。

レビュー内で極論を言い過ぎた時も付け足したくなるけど、これも度が過ぎると「このゲームはクソ!でも、そうでもない部分もある!ここなんかは結構いい!こういう人ならむしろ良いかも!」みたいになって、何が言いたかったのかわからんようになる。ここら辺のフォローの手加減は毎度毎度苦労いたしますな。

・同じく、ギャグとフォントいじりも諸刃の剣

さっき言ったように、レビューは読み飛ばされるもの。書く方としては文章の単調化に対して病的に近い恐れがある。そこでネタやフォントいじりを文章に混ぜこみ、できるだけ注意を継続させようとする訳だが。

笑いのセンスはモロに感性が出るところなので、ネタを入れることはレビュワーの個性を出すためには絶対的に有効。しかし、ネタを入れすぎて、論旨を覆い隠すほどになると逆効果。ボクがよく使う、「これって要するに○○」だ、というパラフレーズ(言い換え)もゲームを印象づける有効手段であるが、「このゲームってみゆきみたいだよね!タッチみたいでもあるよね!H2みたいでもあるよね!虹色とうがらしみたいでもあるよね!」ってなってくると、ゲームをやってない人が読むとどんどこゲームのイメージがぼやけてしまう。あと、例えがどれぐらいの人に通じてるかも考えねぇと罠にはまるぞっ(←自戒)。

同様に、フォントいじりもやり過ぎに注意。フォントいじりは簡単な操作でてっとり早く注目させる効果があるが、それゆえ使いすぎてしまう誘惑がある。ボクも昔は使いまくった。しかし、フォントいじり使い過ぎかえってポイント拡散させてしまい読みにくくなる。よくクラスのクソ真面目な娘が教科書一面に色とりどりの下線をひき、何が覚えるべきことなのかさっぱりわからんようになっているのを見るけど、それと同じ。今のボクの太字、拡大文字は、「それを追っていけば大体の論旨が見える」という、ハリーポッター的な基準で使うように努力しております。

しかし、ネタ系にインフレは付きもの。ギャグを見事な手加減で切り上げるのはほとんど不可能だが・・・。

・最後にまとめで好感度アップ

散々電波と主張をばらまいた後はまとめ。

もちろん、「わかりやすさ」という点で絶対にまとめは必要だが、このまとめ付近で、自己主張・電波レビューの部分でフォロー仕切れなかった真人間的な視点での意見をまとめて入れておくといい感じ。「とは言うものの、萌え系の人なら大喜びかも★」「でも、さすがに音楽はワールドクラスだ、にえるかーる★」みたいな感じであくまで蛇足的に、かる〜く付け加えることで、レビューとして個性を保ちながら、ある程度の一般性を得ることできる。

こういう部分は書く側にとってはど〜でもいいことなんだが、読む側の信頼感に繋がるし、ひいては電波的主張の部分へのシンパシーをも期待できるかも知れない。特に、ネタ系レビューがたまに発するまともな発言は、「いつもはツッパってるアイツだけど、意外といいところあるじゃん・・・」という胸キュン効果がある。ネタ系のメリットはここ。「もちろん、世の中の道理はわかってる!でも・・・・でも・・・・、ボクはやっぱり言わずにいられないんだぁ!」と自分の異常な部分と世の中の常識との差をわかってますよ〜と匂わしてしておくと、読み手の「ムチャクチャなことばっかり言うんじゃねぇ!それは違うだろ!」というつっこみに対して機先を制せる!延々と真面目なレビューだったら、こうはいかないですよ。散々偉そうなことを言っておきながら、それに対する批判には「ボク・・・ボク・・・・キチガイだからわからない!」とかわす。そいつがオ〜レのやり方〜♪(こんなこと言ってもええんかなぁ・・・)



●ECDの作り方(サイト)●

で、ステキでムテキなレビューが書けたら、サイトを作らないといけない訳だけど・・・。

ここから先は他の人に聞いてください!

レイアウトですら4年目にちゃんとしたぐらいなんで・・・サイト作りについては正直わからん!お客集めもどうやるのかわからん!ボクがサイト作った頃はレビューサイト界に勢いがあったおかげか、自分から出かけて行かなくても、自サイトで努力しているだけで友だちもできたしリンクも増えた。でも、今はまるっきり状況が違うだろうから・・・。

ただ、そのサイトでしか得られない情報が一つはある、というのは必須だろう。しかも、その情報が巷に氾濫してる割に、誰もちゃんとまとめていない、って感じだったらなお良し。多くのレビューサイトがあるなかで、レビューの出来だけで人に集まってもらうのはよほどのインパクトがないとムリ。ネット界もポップの法則で動いているから、情報の中心に近づくためにはシーンの空席を探して、そこに座ること。

ボクの場合は、もともと汁サイトがネットにないってところからこのサイトを始めたのであって、当然そこは空き屋だった。しかも、ボクが誰か入れてくれ!と思っていた「汁CGの枚数カウント」を各レビューに付けた。これで汁ゲーマーにとっては確実な情報が常に存在するということになる。これは重要な保険。これでボクのレビューがどんなにクソでも、その情報を見るためだけに来るお客さんはいる。

後は、もう一つ言えるのは掲示板を大切に。人も情報も掲示板があると大いに集まるし、それがサイトを肥やす。掲示板をいい雰囲気に保つのは、サイトにとっても管理人にとってもお客さんにとっても幸せなことだと思う。ボクが唯一、自分のサイト運営で自慢できるのは掲示板運営だったですわ。要は毎日レスつけるだけなんだけどね。あれだけ長い間やって、無数のカキコがあったにもかかわらず発言削除が1回しかなかったってのは実に素晴らしいと思いますな(まあ、その1回がきっかけで気力の限界感じて停止しましたが!)しかし、掲示板を停止した途端、サイトも失速しましたな〜。



●ECDの作り方(蛇足的まとめ)●

以上、ボクが「エロゲカウントダウン」を作るに当たって心がけているやり方であります。

特別なことは何も言ってはおりませんで、ほぼ一般論ですわ。しかし、これからレビューサイトを始めようという方、始めたばっかりの方には多少参考になる、とは思います。もちろん、これは一つの方法であって、全てではないし、まして模範ではあり得ない(そもそも、ボク自身がこれらの約束を守れてない)。

結局、どんなやり方で書こうが、大事なのは自分。何度も言うけど、レビューというのは自分自身の発露。良いレビューは、単に作品の紹介にとどまらず、更に多角的な作品イメージや、ゲームの楽しみ方・読み方まで提示できる。ゲームをやった時の感激なり、失望なりをどうやってダイレクトに伝えられるか。そのためにも、レビュワーというものは良い語り部であるべき。レビュワーにとって一番嬉しいのは、お客さんが「やってないゲームのレビュー、買う予定のないゲームのレビューまで読んでしまった」ということではないだろうか。レビューではなく、「自分」を見に来てもらうためにレビューを書く。それこそがサイトでレビューをあげる醍醐味だと言えるだろう。

熱意があれば、誰でもできる。

2ちゃんねるは確かに強力なメディアではあるが、継続性に関して非常に不安があるし、カキコ停滞を怖れる余りに真面目な意見交換よりノリ・ネタを優先するムードになりやすい。そういう玉石混淆の場当たり的な流れにブランドが無闇に追随するのは、個人的に好きじゃない(汁系スレッド、全然盛り上がってない上に、まともな意見ちぃとも出てないやんけー!泣ける)。やはり世の中の流れを汲み、情報をまとめる存在としてレビューサイトが必要なことは間違いない。小さいフェチスレでコテハンになるぐらいやったら、サイト作った方がよっぽどいいと思うけどなぁ・・・。

クレイジーゲーマーの汁レビュー参入を求む!
そんでもって、ボクにおすすめ汁ゲ、教えてちょ!

ああ、見えるよララァ・・・1000年後・・・汁サイトがネットに溢れる姿が!




●さらに蛇足●

しかし、この先レビュー書きにくいねー。こういう手法を書いてしまうと。

結局、この文はPEROによるPEROのレビュー。自分のサイトのレビューは、このサイトを終了する時に最後のレビューとしてやろうと思っていたんだけど、サイト辞める気はさらさらないし、今回レビューの書き方と称してそれに近いことをやりました。レビューもこの先大した数書かないだろうし、まあいいか。