エロゲカウントダウン
ゴールデン・汁ゲ・アワード2001
 


●大賞●
なし

昨年の汁作品群が開いた汁ゲの可能性を正統的に進化(もちろん俺基準で)させてくれるような圧倒的な作品は今年はなかった。「大賞」ってのは単に優れた作品というだけではなく、「歴史を継ぎ、作るもの」になるべきものでなくては。したがって、該当作なし。

 


●金賞●
リトルモニカ物語

(RUNE・9/21)

注射器2
(アーヴォリオ・5/25)

上のようなこだわりを取っ払ってしまえば、今年も良作はそれなりの数が出た。しかもラブエロ汁系が多かったのが嬉しかった。特に「リトルモニカ」。圧倒的な傑作という訳ではなかったけれども、去年のスローガン「純愛汁濁」に一番近く、女の子達が淫乱キチガイではなく、ラブラブゆえに汁エロになっていく課程が汁ゲの「望むべき発展(もちろん俺基準で)」の具体例として輝いていた。あともう一つ、「ローデビル!」(ブラックライト)も良かった。こちらはメインヒロインが主人公の恋にはまってしまいに精液マニアになってしまうという、「リトルモニカ」以上の徹底された世界を見せてくれていた。しかしCGレベル的に低く、惜しくも落選。一方、「注射器2」は新味はなかったものの、総合点的に順当。やはりAVでは女優レベルに当たるCGクオリティの高さは絶対的に重要ですなぁ。


●特別賞●
けらくの王
(メルロー・6/22)

新味という点ではこれ。エロゲで現在一番発展の余地があると思われるボイス分野で、エロの限界点を大いに広げたそのガムシャラ淫語パワー。風船クラブ原画が猛烈なチンポ萎えさせ攻撃を仕掛けてくるにもかかわらず、あれだけエロ度を保っているのはスゴイ。「発情カルテ」以上の極北。

もうひとつ、ボイスといえば「エッチなバニーさんは嫌い?」(ZYX)も忘れがたい。あのフェラ音は素晴らしかった。。


●ベスト汁ショット●
奴隷介護

(シルキーズ・10/26)

本年最高の汁質。大吟醸。特に汁ゲを嗜好していない作品で、あのこだわりはさすがに老舗。あともう一つ、「Coda-棘-」(OVER)も非常に良かった。この2作品は汁質のみならず、汁のかかり方にも色々工夫をこらしている様子が見受けられる優秀な汁作品で、陵辱モノじゃなかったら十分に「金賞」評価だった。


●最優秀原画家●
聖少女
(麻雀幻想曲III 2001edition)

(アクティブ・9/7)

おいっ、そんな目で俺を見るな!そうですよ、えこひいきですよ、えこひいき。この人、今年3枚しかエロ絵描いてないんですけどねぇ・・・。しかしそのレア度がまたボクちんを惹きつけるのです・・・。まあひいき目なしなら、カワギシケイタロウ(「ぱちもそ」「姫裸」)かな。


●最優秀ブランド●
なし

ん〜敢えて言うなら創美研究所だが・・・やはり去年の最優秀ブランド・13cmの活躍を思うと小粒でしょう。ちなみにワーストブランドは今年もScoop。連続受賞おめでとう!

●2001年汁ゲ総評●

なによりまず、今年はこなしたゲームの本数自体が少なかった。

2000年の汁ゲ大ブレイク。それが諸刃の剣になってしまうことが予想されていたんだが、2002年初めの大期待作・「ぶっかけ天使シルキー&ミルキー」(エヴォリューション)の大コケで、その予想が見事正解だと知った。「SMのススメ」、「Bible Black」、「発情カルテ」という強烈な作品群をやってしまった後では、もう汁が出ているというだけでは到底満足できない身体になってしまっていた。一度ヘロインをキメてしまうと、もうスピードやコーク程度では満足できないのである。雑誌でみても「これは絶対にやるぜ!」と思える作品の少なくなったこと。

こうして廃人に一歩近づいた私に、ジックス低調曲線入り、13cmアニメに手を出して案の定まったり化、宇宙帝王隠遁、天津堂・ソニア・スクープはいつも通りと、エロゲの状況も非常に世知辛いことに。しかし、去年危惧した「一過性のものとしての汁ゲ」という感じにエロゲシーンがならなかったのは幸いだった。汁ゲブランドの久々のニューカマー・創美研究所が年3本も出してくれたのを筆頭に、期待できるブランドの絶対数も増えたので、毎月1本ずつぐらいは良い汁が見込める作品が登場し、99年のような暗黒ムードは無かった。やはり昨年をきっかけに汁ゲ世界の底上げは進んでいた(と思いたい・・・・)。

ただ、それなりの質の汁ゲがそれなりの数出ても、もう既に「汁が出ているか出ていないか」というステージを2000年で越えてしまった俺としては、審美眼が急速に厳しくなってしまった感じ。「インナーパレス」(NOA)のような実写に近い質感で精液を表現しようという新しいアプローチならともかく、「V.G.Rebirth」(戯画)みたいにただ大量に汁を出しているだけで他は何もない、という作品に対する評価がとてつもなく辛くなってしまった。

そういうことを見越して、昨年の総括の締めは「今後必要なのは、何で汁を使うのか?という意味を考えている作品」ということになったのだ。つまり、また論点は原点に返った。汁レベルが極限まで高まっているのは当然で、その上でもう一度キャラ性とか、セリフとか、ストーリーとかエロゲを構成するその他の基本エレメントのレベルによって作品を評価しようというのが今年からの流れ。全員が全員スキーを揃えてジャンプしていた時代ならV字ジャンプをしただけで勝てたが、みんながV字ジャンプをしてしまったら、それから先はもう一度飛型や踏み切り、マテリアルの戦いになるんである。

という訳で今年のベストゲームは「汁」が出ていることは勿論だが、それに加えて「汁を出すインフラ」に気を配っているものを選んでみた。

今年一番良かったのは「リトルモニカ物語」。RUNEはもともと汁ブランドで沢山汁を出していたが、それが今まではテキストの弱さからビジュアルのインパクトのみにとどまっていた。そこに本作では主人公に汁好き嗜好を与えて、決してもとからの汁好きではないヒロイン達が、主人公とより深く繋がるためにそれぞれのやり方で自ら喜んで汁をかぶる。これは既に「SMノススメ」で見られたやり方だったが、それをSM調教のような特殊な状況ではなく、普通のラブコメADVのなかに取り入れてあったという点で、より感情移入しやすい作りになっていた。「自分の変態性を普通の女性(←決して汁キチ女ではないのが重要)が愛で受け入れてくれる」というのは、フェチストの願望。そういう点で、「リトルモニカ」は非常に夢のある汁作品だったと思う。あれでもっと汁が多かったら歴史的作品だったんだが。

それに加えて「注射器2」「ローデビル!」と上位候補にラブエロ汁ゲームが並んだのは嬉しい限り。しかし、それでもまだ汁ゲの良作は未だ陵辱路線に多い訳で、「Coda」や「奴隷介護」、「けらくの王」、あと「鬼作」や「姫裸」なども、もしこの汁がラブラブならものすごかったんちゃうん?と思うと残念な気持ち。勿論、様々なアプローチがあって良いと思うのだが、どうしても汁というと「陵辱」や「征服」のイメージが強く、それを払拭するために血道を上げている我がサイトとしては、もっともっとラブエロ汁作品を求めたいところ。今年のスローガンは「1に精液、2に愛情、3、4がなくて5にY談」でっ。いや〜具体的なこって。愛と精液、どっちが前か後ろかの判断は大いに迷うところ。これは俺のライフワークにしよう。

来年はどういう年になるのか知らないが、一月にいきなりフォスターとテリオスの新作が予定されていて、ワクワクするなぁ。それと忘れちゃいけない、今年は掲示板の常連さんやメール情報にかなり助けられました。昔ほどエロゲに削く時間が無く、「ローデビル!」も「けらく」も掲示板やメール情報で知りました。相変わらずお客さまに助けてもらう他力本願な管理人です。来年もよろしくお願いします。

それでは皆様、よいお年を。