エロゲカウントダウン
ゴールデン・汁ゲ・アワード2000
 


●大賞●
SMノススメ 〜The seeker ZERO〜

(天津堂・11/24)

精液をかける歓び、かけられる歓び。愛だろ、愛。初めてこの精神を明確に世に伝えた「クローンドール課外授業」。それを再構築してできた本作は”汁ゲ”という冠を掲げてはいないが、今まで発売された全てのエロゲのなかで最も「理想の汁」に近いビジョンを備えていた。1位獲得も大賞受賞も当然。

 


●金賞●
Bible Black 〜La noche de Walpurgis〜

(アクティブ・7/14)

発情カルテ〜緋色の凌辱肉玩具〜
(13cm・9/20)

金賞もカウントダウンのランキングどおり順当。大賞作との差、それは汁が「愛情」の証ではなく、「凌辱」や「マーキング」という意味で女性を撃つ弾丸であったところ。愛がないのが残念。とはいえ、この2つの作品ともに、ただ汁を沢山出すだけではない、「汁を出す必然」というものをよくわかった取り上げ方をしていた。他の「汁フェチゲー」よりも遙かに自覚的。傑作です。


●特別賞●
ELYSION 〜永遠のサンクチュアリ〜

(テリオス・8/10)

オレが普段エロゲ全体に思っている不満、それを全てクリアした出来。確かにコンテンポラリーなキャラやゲーム形式を採っていない。しかし、あらゆる部分においてこれだけのハイレベルを実現させた作品が本作以外に今年発売されていたら教えて欲しいぐらい。これこそエロゲ。・・・ということと、「決してオレは汁だけのことを考えているのではない!いや、マジで。」というエクスキューズのためにむりやり賞を与えることにします。


●最優秀キャラクター●
あすか(極楽VIPER PARADISE)

(ソニア・4/28)

ソニアに負けたんじゃねー!あすかに負けたんじゃー!と言わせてくれ、お願い。実はこの1年、最も使ったエロゲってなんだったか、と考えるとあの「極楽VIPER」なんだね・・・。というか、あの3秒ほどのあすかのムービーだけをひたすら見続けました。これは決して私が「極楽VIPER」を誉めている訳ではないです、ほんとに。しかし・・・負けた。


●最優秀原画家●
JOY RIDE(Pinup Girls)

(LIBIDO・4/28)

本来なら、RB26DETT(SMノススメ)、聖少女(BibleBlack)両氏のどちらかに与えられるべき賞であると思うのだが、たった8枚のCGだけでカウントダウンに突っ込ませた「PinupGirls」での仕事は圧巻。次作の「CherryBoyInnocentGirl」では何事もなかったかのように汁がなくなっただけに、実にスリリングな瞬間だった。


●最優秀ブランド●
13cm
(檸檬、姉妹妻、発情カルテ)

ZYXが停滞した今、「発情カルテ」のゴタゴタを差し引いてもエロゲブランドで最も信頼感のあるところ。何をやらせてもエロは守るという姿勢が泣かせる。ちゃちな文芸に陶酔するあまたのアホブランドをせせら笑いながら、21世紀も頑張って欲しい。春発売予定のアーヴォリオの方の「注射器2」も大期待。ちなみにワーストブランドはScoop。期待させすぎ。え?ソニア?もう皆さんにお任せします。一人では言い切れませんわ。

●2000年汁ゲ総評●

ジス・イズ・汁ゲ元年。今年の一番始めに、「明るいニュー・ミレミアムを送りたい」てなことをHPのトップで書きましたが、1999年の大不況はどこへやら、ホント豊作な年でした。やりたいゲームをやっているうちに1年が終わったって感じ。

1月こそ「VIPER-GTB」、「夢天使R」で不発だったものの、3月に初めて”汁”を冠したゲーム「放蕩仙女」が出て、そこから「少女サーカス」、「BibleBlack」、「発情カルテ」。そしてとどめに「SMノススメ」。 立て続けにカウントダウン上位に食い込み、「Portrait」 や「ぺろぺろCandy2」をランク入りさせないという余裕。99年のカウントダウン下位における阪神の打順並の苦しいやり繰りを考えると、何ともお大尽になったもんですな。99年はカウントダウンベスト10内に2つ(夢天使、DARCROWS)しか入らなかったのに、2000年は5つ。しかも1〜4位独占。いや〜最高ですか〜!

・・・・・と喜ばしい反面。2001年から先は大いに不安を抱いてしまうのも事実・・・。というのも、汁ゲ勢力の拡大というものが一過性のものとして終わりそうな予感があるからです。確かに今年は先の「放蕩仙女」「少女サーカス」に加えて、「白濁姫」、「特別授業」と汁を意識したゲームが出ました。しかし、そのいずれもが、単に「汁を出している」だけで、「何で汁を使わないといけないのか?」という部分を考えてなかったのです。つまり「汁ゲーム」が出ても「汁フェチゲーム」は出なかったと。そして、カウントダウンのベスト3は「汁ゲ」というくくりがなかったゲームが占めました。こんな調子で果たして汁ゲは世の中で確かな地位を築けたのか?と・・・。「SMノススメ」は確かに非常に素晴らしい出来だったものの、まだ突き詰めようがあることは間違いない訳です。しかし、その後はどこが流れを繋げていってくれるのやら。

世知辛いエロゲシーンで、一つのことを数作にも渡ってひたすら突き詰めてブランドが作ってくれることは、おおよそ期待できません。良い汁ゲが出て、それが売れて、更に別のブランドがそれを見て、更に良い汁ゲを作って、というエロゲシーン全体に好循環が生まれないことには。

という訳で「エロゲカウントダウン」としても、2001年も頑張って汁ゲの良さを押しつけていきたいなあ、と思っとります。とりあえず、来年2月のエヴォリューション「ぶっかけ天使シルキー&ミルキー」これをプッシュ。そして天津堂のやんやんモノ、Scoopの「あいどる・め〜か〜」、MEGAMIの宇宙帝王原画の新作、VIPER-RSR、テリオスの新作・・・まあ、また1999年の二の舞になってしまいそうな不安なラインナップではありますが・・・。期待して待つほかないですわ。とりあえず、ノーモア凌辱汁。純愛汁濁!これが来年のスローガンですな。

よいお年を。