〜 きのこの菌打ちの基本的な作業の流れ 〜

原木準備→  種駒準備→  植菌→ 植菌初期管理 → 伏せ込み → きのこの発生


ここでは自分できのこを栽培してみたいという方たちのために、しいたけ、なめこ、くりたけの菌打ちを主にご紹介していきます。やってみると意外と簡単。初めての方でもすぐにできます。自然に触れ、山の生活を少しだけ味わってみてはいかがですか。




原木準備

米沢のホームセンターでは3月から4月にかけてしいたけの菌のよくまわった木(ホダ木といいます)が販売されます。これからこれを作ります。

まず、切り倒した木を適当な長さに切る。太さは5cm〜15cm、長さは1m〜2m。樹種ブナ、クヌギ、ナラ、クリ、サクラ、シイ、カシなど等。



種駒準備

種駒はホームセンターで販売しています。写真は左からくりたけ、なめこ、しいたけです。100個入りで380円くらい。

他に500個入り1,000個入りなどもあります。



植菌

種駒を打ち込むための穴を開けます。穴の位置は原木のそれぞれの端から約5cm。縦の列の穴の間隔は約20cm、横の列の穴の間隔は約10cmですが、以下のように互い違いに穴を開けるので、実際は縦は10cm、横は5cmの間隔になります。写真はメジャーで図っていますが、慣れると目測で開けていっても十分です。

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穴はドリルで開けます。写真は9oの木工用のドリルを使用しています。穴の深さは25mm程度です。きのこの菌は樹皮と樹幹の間にまわるので、穴が深くなり過ぎると失敗します。浅過ぎると種駒の頭が木から飛び出してしまいます。写真では専用のストッパーを使用しています。ストッパーが手に入らない時にはテープを巻くなどの工夫も必要です。



穴は木全体に開けます。種駒が足りなくなって木全体に植菌できないと失敗しますので、種駒の数で木の大きさと長さを決めます。種駒100個の場合、太さが10cm長さが1m半の原木が3本でした。

開けた穴に種駒を詰めていきます。

種駒を全部の穴に詰めたらカナヅチで打ち込んでいきます。木製の釘を打つ要領でぱーん、ぱーんと力強く打ち込んでいきます。

写真はゴムのカナヅチを使用していますが、1回叩いただけで打ち込むのには鉄製のカナヅチの方が適してます。



植菌初期管理

きのこの菌打ちは春にします。菌を打ったら以下の作業に入ります。
なめことしいたけは、雨のあたる場所で、低く横並べにします。湿度が高すぎる場所では、並べる時、枕木を1本寝かせその上に並べます。湿度を保ち、なめこの菌を活着させます。
くりたけは、ちらちらと陽光の入る林の中に、低く横並べにします。




伏せ込み

なめこ:
5月中旬になったら直射日光のあたらない、湿度のやや高い、木陰や林内を選んで、地面に直接並べます。

しいたけ:
5月中旬になったら直射日光のあたらない、木陰や林内を選んで、立てかけます。なめこと違い、しいたけは湿度のあまり高くない場所を選びましょう。

くりたけ:
10月〜11月になったら、2cmから3cmの厚さで覆土して地面に埋め込みます。


きのこの発生

なめこ、しいたけ、くりたけは、菌打ちをした翌年の秋に気温の低下とともに本格的に発生します。雨量が少ない時には散水します。

なめこは、ホダ木を半分程度地中に埋め(接地伏せ)、表面をワラなどで覆うと発生を持続させることができます。

しいたけは、少し太めの木だと6年くらいは採取できます。発生の最盛期は秋と春です。

くりたけは、発生期間が2〜3週間と短いので時期がきたらこまめに発生状況を観察します。ホダ木の寿命はだいたい5年程度です。



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