出願手続きと発明者の関係について説明しておきます。発明者の方は、以上説明した環境下で、明細書を作成し、特許出願することとなるわけです。しかし、発明者は、明細書作成ということだけでなく、特許出願の手続きの様々な場面で、以下のように、明細書に関わってくることとなります。この間、発明者・特許担当・弁理士が三位一体となって、信頼関係を結び、明細書を作成して行くことが、最良の明細書作成の要因となることを付言しておきます。
@課題の提起(開発テーマ)
A発明の完成、発明の開拓
B提案書の作成→特許部へ提出 必要によりインタビュー
C明細書作成(弁理士、特許部員)
D発明者による明細書チェック
E出願
F国内優先出願(出願日より1年以内に実施例その他のデータ、改良発明の補充可)発明者は出願した後もその発明の更なる発展が可能かを検討する
G出願公開(出願日より1年6カ月後)
発明者は出願日から公開日までは発明を開示することは要注意。
H審査請求(出願日より7年)
I拒絶理由通知→対抗手段(意見書・補正書の提出)
J特許査定
K特許異義申立→対抗手段(意見書・訂正請求書の提出)
L無効審判(特許権の無効を請求された場合に対処)
M訂正審判(明細書の不備を特許後に訂正)
N特許権侵害訴訟(特許権を侵害された場合の対処)
なお、よりよき明細書は、発明者、出願人、特許部員、弁理士の相互信頼と緊密な情報交換の下に初めて実現できることを付言しておきます。