明細書が必要な理由

(01/04/20改訂)


 発明は新規な技術であり、それ自体有用なものとして保護に値する価値的なものです。しかし、発明をしたという事実行為のみでは、特許法はこれを保護しません。法は、利用のため発明を開示した者にのみ、その代償として特許権を付与し保護することとしております(特許法第1条)。

Show your invention then it would be protected.

開示 = 保護

 従って、発明者(その承継人)は発明内容を積極的に開示し、その代償として特許を付与するよう国家に対し意思表示しなければなりません。

 そのための要式行為が特許出願であり、特許法第36条1項は、「特許を受けようとする者は、・・・願書を特許庁長官に提出しなければならない。」と規定しております。

 さらに、特許法は発明開示の手段として、発明利用や審査の便宜等の理由から書面主義を採用し、「願書には、明細書、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。」と規定しています(特許法36条第2項)。

明細書で開示

 この明細書や図面は審査の対象となり、また、第3者に発明内容を開示する技術文献の役割を果たし、さらに、特許権として主張すべき技術的範囲を明らかにする権利書としての意義を有します(特許法第70条)。

明細書=技術文献・権利書

 従って、その記載が不十分であると発明利用が十分に図れず、また、権利範囲も不明確になって無用な紛争を引き起こしかねません。

 そこで、法は一定の様式に従って明細書や図面を作成することを要求したのです。

明細書と図面は発明を表現する書面としては共通しますが、発明の種類によっては図示できないものもあることから、図面は必要に応じて提出すればよい補助的なものとしています(特許法36条第2項)。

図面は補助


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