(演習)ソフトウェア関連発明1(回答例)
 
【書類名】    明細書                      
【発明の名称】  模範フォーム教育装置
【特許請求の範囲】
 【請求項1】 学習者に模範フォームを示す模範フォーム表示手段と
 この模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て演じた学習者のフォーム画像を入力するフォーム画像入力手段と、
 前記模範フォームに関する情報を記憶する模範フォーム情報記憶手段と、
 前記フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換(フォーム抽出手段をここに入れてもよい)して比較し、両フォームの相違点を求めるフォーム比較手段と、
 該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を判定結果として出力する出力手段と、
 を備えたことを特徴とする模範フォーム教育装置。
 【請求項2】 前記模範フォーム情報記憶手段は、模範フォームに関する情報として、模範フォームの画像から得られる輪郭情報、重心の移動情報、肢体の軸の移動情報、各関節の移動情報の少なくとも1つの情報を記憶していることを特徴とする請求項1記載の模範フォーム教育装置。
 【請求項3】 前記出力手段は、フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を、模範フォーム表示手段に出力し、
 前記模範フォーム表示手段は、模範フォームに重ねて前記相違点を表示することを特徴とする請求項1記載の模範フォーム教育装置。
 【請求項4】 コンピュータを、
 学習者に模範フォームを示す模範フォーム表示手段
 この模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て演じた学習者のフォーム画像を入力するフォーム画像入力手段、
 前記模範フォームに関する情報を記憶する模範フォーム情報記憶手段、
 前記フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換(フォーム抽出手段をここに入れてもよい)して比較し、両フォームの相違点を求めるフォーム比較手段、
 該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を判定結果として出力する出力手段、
 として機能させるためのプログラム及び前記模範フォームに関する情報を記録した媒体。
 
【発明の詳細な説明】
  【発明の属する技術分野】
 本発明は、スポーツにおける模範フォームを教育するための装置に関する。
  【従来の技術】
 ゴルフを始めとして、スポーツの上達は、そのスポーツに最適なフォームをいかに身につけるかにかかっている。この最適なフォームを身につけるには、手本となるフォームを繰り返し反復する以外にないが、自らのフォームが最適であるか否かを自分自身で判断することは極めて困難である。
 通常は、そのスポーツの熟達者に指導してもらうことが一般的であるが、そのような熟達者が身近に存在しない場合が多い。また、指導者により指導の方針等が異なり、必ずしも定量的な指導は望めない。
 そこで、だれでも、簡単に、定量的にフォームを覚えることのできる方法が望まれる。
 このような方法を実現する装置として、特開平2−249566号に記載のフォーム教育装置が知られている。
 この装置は、模範フォームの画像を記憶する模範フォーム画像記憶手段と、学習者のフォームの画像を入力するフォーム画像入力手段と、該フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像と前記模範フォーム画像とを比較し、両フォームの相違点を求めるフォーム比較手段と、該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を判定結果として出力する出力手段を具備した装置である。
 この装置では、学習者は、自らのフォームが模範フォームと異なることを判定結果により知ることができる。学習者は模範フォームとの相違点を修正するように練習を繰り返し、正確なフォームを学習することができる。
  【発明が解決しようとする課題】
 しかし、この装置では、学習者は、自己が最適であろうと信じるフォームを演じた後、そのフォームと模範フォームとを比較し、「自己が最適であろうと信じるフォーム」を修正していく。よって、自らのフォームが模範フォームと同一になるまで、時間を要する。
 また、模範フォームと単に比較するのみでは、相違点を正確に抽出できない場合がある。たとえば、演者に体格の相違があった場合、演者のフォームの単なる比較では、どこが相違する点か不明となるおそれがある。
 本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、模範フォームを迅速かつ正確に覚えることのできる模範フォーム教育装置を提供することを課題とする。
   【課題を解決するための手段】
 本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
 すなわち、本発明は、
 学習者に模範フォームを示す模範フォーム表示手段と
 この模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て演じた学習者のフォーム画像を入力するフォーム画像入力手段と、
 前記模範フォームに関する情報を記憶する模範フォーム情報記憶手段と、
 前記フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換して比較し、両フォームの相違点を求めるフォーム比較手段と、
 該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を判定結果として出力する出力手段と、
 を備えた。
 
 ここで、学習者に模範フォームを示す模範フォーム表示手段としては、たとえば、模範フォームの映像を表示するスクリーンや、ディスプレイなどである。ゴルフなどでは、できるだけ等身大の模範フォームを示すことが、学習者の学習効率を高める上で好ましい。
 この模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て学習者は、実際に演じてみるが、そのフォーム画像をフォーム画像入力手段で入力する。この手段としては、ビデオカメラなどの映像撮影手段を使用するとよい。
 フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像は、模範フォーム情報記憶手段に記憶された模範フォームに関する情報と比較される。
 模範フォームに関する情報とは、模範フォーム自体の画像の他、模範フォームの画像から得られる輪郭情報、重心の移動、肢体の軸の移動情報、各関節の移動等を示した情報などを例示できる。
 比較にあたっては、フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換する。すなわち、輪郭同士を比較するのであれば、撮像した学習者のフォームの輪郭を抽出して比較する。この比較により両フォームの相違点をフォーム比較手段で求める。
 フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点は、判定結果として出力手段により出力される。出力手段としては、ディスプレイ、プリンタなどを例示できるが、前記模範フォームを表示する模範フォーム表示手段に出力し、模範フォームに重ねて学習者の修正すべき点として相違点を表示すれば、より学習効果を高めることができる。
 
  なお、本発明は、プログラムにより実現され、CD−ROMに、該プログラム及び必要な模範フォーム情報を格納し、コンピュータにインストールすることで、学習者に模範フォームを示す模範フォーム表示手段
 この模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て演じた学習者のフォーム画像を入力するフォーム画像入力手段、
 前記模範フォームに関する情報を記憶する模範フォーム情報記憶手段、
 前記フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換(フォーム抽出手段をここに入れてもよい)して比較し、両フォームの相違点を求めるフォーム比較手段、
 該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を判定結果として出力する出力手段、
 がコンピュータ上に機能的に実現されるようにする。
 
   【発明の実施の形態】
 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
 本実施の形態では、模範フォーム表示手段として、スクリーン及びこのスクリーンに模範フォームを投影する液晶式あるいは3管式のプロジェクタを備えている。
 また、学習者のフォーム画像を入力するフォーム画像入力手段として、ビデオカメラを有する。このビデオカメラは、模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て演じる学習者自身を撮影する。
 ビデオカメラ及び前記プロジェクタは情報処理装置としてのパーソナル・コンピュータに接続されている。ビデオカメラからの出力は、パーソナルコンピュータを介し、プロジェクタによりスクリーンへと出力し、模範フォームに重ねて、あるいは、並んでスクリーンに表示できるようになっている。この表示は選択モードにより任意に選択できる。
 パーソナル・コンピュータは記憶装置としてハードディスクを内蔵し、このハードディスクに前記模範フォームに関する情報を記憶している。すなわちハードディスクは模範フォーム情報記憶手段である。
 模範フォームに関する情報とは、模範フォーム自体の画像データ、模範フォームの画像データから抽出した輪郭情報、重心の移動、各関節の移動等を示した情報を含む。輪郭情報、重心の移動、肢体の軸の移動、各関節の移動等は、模範フォーム自体の映像から演算により求めることができるので、この映像のみを記憶しておき、他の情報は、本装置の実行の都度演算してもよいが、そのような手間を省くためには、あらかじめ演算して得た情報を、記憶装置に記憶しておくことが望ましい。
 これら情報は、1以上を選択して利用することができる。
 パーソナル・コンピュータは、フォーム比較手段として機能する中央演算装置を有し、前記フォーム画像入力手段で入力された学習者のフォーム画像を、前記模範フォーム情報と同種の情報に変換して比較し、両フォームの相違点を求める。
 学習者のフォームと模範フォームの完全一致ということはありえないと推定されるので、一致の程度の許容範囲を定め、所定の範囲であれば一致しているとみなすようにする。
 該フォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点は、判定結果として出力手段から出力される。
 出力手段として、前記模範フォームを表示する模範フォーム表示手段に出力し、模範フォームに重ねて学習者の修正すべき点として相違点を表示する。学習者はこれを見て、再度、練習を繰り返す。また、この相違点は模範フォームとともにプリンタより出力する。
 以上は、パーソナル・コンピュータで実行されるプログラムにより実現される。
 プログラムを実行すると、ディスプレイ画面にメニュー選択画面が表示される。
 メニュー選択画面では、ボタンとして、「学習」、「再生・確認」、「履歴」、「プリント」、「終了」が表示される。
  ボタンの選択は、ディスプレイ上で行う。すなわち、ディスプレイの表面がタッチパネルとなっており、ボタン上のパネルにふれることでメニューの選択をする。
 「学習」が選択されると、学習メニュー画面が表示される。学習メニューでは、学習モード選択として「輪郭」「重心」「軸」「関節」「全部」のボタンがあり、その選択により、比較すべきデータを選択できる。また、「学習者映像表示」「スタート」「ストップ」「終了」のボタンが表示されている。学習者映像表示とは、スクリーン上の模範フォームに重ねて学習者の映像を表示するか否かの選択である。
 学習モードのいずれかのボタンを選択した後、「スタート」を押すと模範フォームが再生され、ディスプレイとスクリーン上に模範フォームの映像が表示される。学習者は、再生された模範フォームをなぞるように演じる。この学習者のフォームは、ビデオカメラからリアルタイムに入力され、模範フォームと比較される。比較は学習モードで選択されたデータについて行われる。たとえば、「重心」が選択されていれば、模範フォームの重心移動と、学習者のフォームの重心移動が比較される。
 「学習者映像表示」ボタンが選択されている場合、学習者フォームのビデオ映像が、模範フォームに重ねてスクリーンに表示されるので、学習者は模範フォームを模倣しやすく、練習効率が高くなる。
 前記比較の結果、模範フォームと学習者のフォームとの相違点が明らかになるが、その相違点を、スクリーン上に表示する。学習者はその相違点を見て、相違点がなくなるように練習を繰り返す。
 「ストップ」を押すと、学習モードが終了する。さらに、「終了」を押すと、トップ・メニューに戻る。学習モードでの学習経過は、学習の日時とともに記憶装置に記録され保存される。
 「再生・確認」モードを押すと、記録されていたデータが再生され、学習者のフォームを模範フォームとともに確認できる。このモードは、学習者自身の復習、コーチによる指導などに有用である。
 「履歴」モードを押すと、学習者の学習履歴が日時順に表示され、学習の進度を確認することができる。「プリント」は、模範フォームと学習者のフォーム及びそれらの相違点をプリンタで印刷することができる。
 「終了」を押すと、本プログラムが終了する。
 
 【発明の効果】
 以上、本発明によれば、模範フォーム表示手段により表示された模範フォームを見ながら、出力手段で指摘された模範フォームとの相違点を意識しながら練習することができるので、理想的なフォームを早期に学習することができる。
 特に、模範フォームに関する情報として、模範フォームの画像から得られる輪郭情報にみならず、重心の移動情報、肢体の軸の移動情報、各関節の移動情報の少なくとも1つの情報を参照するならば、より正確な相違点を求めることが可能で、模範フォームのより迅速な学習に資する。
 さらに、出力手段によりフォーム比較手段で求められた前記フォームの相違点を、模範フォーム表示手段に出力し、模範フォーム表示手段で、模範フォームに重ねて前記相違点を表示すれば、相違点を確認しながら学習できるので、学習がより迅速となる。
 
【図面の簡単な説明】
 【図1】本発明の実施の形態である一装置を示したブロック図
 【図2】前記装置の実行例を示したフローチャート図
 
 【符号の説明】
 
【書類名】   要約書
【要約】
  【課題】本発明は、模範フォームを迅速かつ正確に覚えることのできる模範フォーム教育装置の提供を課題とする。
  【解決手段】
 模範フォーム表示手段で示された模範フォームを見て、学習者が演じたフォーム画像をフォーム画像入力手段で取り込み、フォーム比較手段により、模範フォーム情報記憶手段に記憶された模範フォーム情報と比較し、両フォームの相違点を求め、その相違点を判定結果として出力手段より出力する。
  【選択図】図1