明細書に関する特許法条文


1.明細書の記載要件

第36条第2項

 願書には、明細書、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。

 

第36条第3項

 前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

第1号

 発明の名称

第2号

 図面の簡単な説明

第3号

 発明の詳細な説明

第4号

 特許請求の範囲

                          

第36条第4項

 前項第3号の発明の詳細な説明は、経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に、記載しなければならない。

 

第36条第5項

 第3項第4号の特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。この場合において、一の請求項に係わる発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない。

 

第36条第6項

 第3項第4号の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。

第1号

 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。

第2号

 特許を受けようとする発明が明確であること。

第3号

 請求項ごとの記載が簡潔であること。

第4号

 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。

 

第36条第7項

 第2項の要約書には、明細書又は図面に記載した発明の概要その他経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

 


参考:大正10年法特許法施行規則第三十八条

「 明細書ニハ左ノ事項ヲ記載スヘシ

一 発明ノ名称

二 発明ノ性質及目的ノ要領

三 図面ノ略解

四 発明ノ詳細ナル説明

五 発明相互ノ関係

六 特許請求ノ範囲

発明ノ名称ハ発明ノ内容ヲ簡明ニ表示スヘシ

発明ノ性質及目的ノ要領ニハ其ノ発明ノ特徴及直接ノ効果ヲ簡明ニ記載スヘシ

発明の詳細ナル説明ニハ其ノ発明ノ構成、作用、効果及実施ノ態様ヲ記載スヘシ

「発明の詳細ナル説明ニハ其ノ発明ノ属スル技術分野ニ於テ通常の技術的知識ヲ有スル者カ其ノ発明ヲ正確ニ理解シ且ツ容易ニ実施スルコトヲ得ヘキ程度ニ其ノ発明ノ構成,作用,効果及実施ノ態様ヲ記載シ併セテ特許請求ノ範囲ノ記載事項ノ意義ヲ明確ニスルヲ要ス」(昭和32年改正追加)

発明相互ノ関係ニハ追加ノ特許出願ニ在リテハ其ノ原発明ノ改良又ハ拡張ノ態様ヲ、他ノ特許発明又ハ登録実用新案ヲ実施スルニ非サレハ実施スルコト能ハサル発明ノ特許出願ニ在リテハ其ノ実施ノ態様ヲ、特許法第七条但書ノ規定ニ依ル特許出願ニ在リテハ各発明ノ牽連スル態様ヲ記載スヘシ

特許請求ノ範囲ニハ発明ノ構成ニ欠クヘカラサル事項ノミヲ一項ニ記載スヘシ但シ発明実施ノ態様ヲ別項ニ附記スルコトヲ妨ケス此ノ場合ニ於テハ其ノ附記タル旨ヲ明示スヘシ」。


 

2.多項制

第37条第1項

 二以上の発明については、これらの発明が一の請求項に記載される発明(以下「特定発明」という。)とその特定発明に対し次に掲げる関係を有する発明であるときは、一の願書で特許出願をすることができる。

第1号

 その特定発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である発明

第2号

 その特定発明と産業上の利用分野及び請求項に記載する事項の主要部が同一である発明

第3号

 その特定発明が物の発明である場合において、その物を生産する方法の発明、その物を使用する方法の発明、その物を取り扱う方法の発明、その物を生産する機械、器具、装置その他の物の発明、その物の特定の性質を専ら利用する物の発明又はその物を取り扱う物の発明

第4号

 その特定発明が方法の発明である場合において、その方法の発明の実施に直接使用する機械、器具、装置その他の物の発明

第5号

 その他政令で定める関係を有する発明

 

3.補正について

第17条第1項

 手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、次条から第17条の4までの規定により補正をすることができる場合を除き、願書に添付した明細書、図面若しくは要約書又は第120条の4第2項若しくは第134条第2項の訂正若しくは第126条第1項の審判の請求書に添付した訂正した明細書若しくは図面について補正をすることができない。

 

4.補正の内容的制限

第17条の2第1項

 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書又は図面について補正をすることができる。ただし、第50条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。

第1号

 第50条(第159条第2項(第174条第2項において準用する場合を含む。)及び第163条第2項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第50条の規定により指定された期間内にするとき。

第2号

 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第50条の規定により指定された期間内にするとき。

第3号

 第121条第1項の審判を請求する場合において、その審判の請求の日から30日以内にするとき。

 

第17条の2第3項

 第1項の規定により明細書又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書又は図面(第36条の2第2項の外国語書面出願にあっては、同条第4項の規定により明細書及び図面とみなされた同条第2項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文又は当該補正後の明細書若しくは図面))に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

 

第17条の2第4項

 前項に規定するもののほか、第1項第2号及び第3号に掲げる場合において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

第1号

 第36条第5項に規定する請求項の削除

第2号

 特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)

第3号

 誤記の訂正

第4号

 明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

 

第17条の2第5項

 第126条第4項の規定は、前項第2号の場合に準用する。

 

5.補正に関する内容的制限違背

第53条第1項

 第17条の2第1項第2号に掲げる場合において、願書に添付した明細書又は図面についてした補正が同条第3項から第5項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。

 

第53条第2項

 前項の規定による却下の決定は、文書をもって行い、かつ、理由を付さなければならない。

 

第53条第3項

 第1項の規定による却下の決定に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、第121条第1項の審判を請求した場合における審判においては、この限りでない。

 

6.拒絶査定

第49条第1項

 審査官は、特許出願が次の各号の一に該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

第1号

 その特許出願の願書に添付した明細書又は図面についてした補正が第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとき。

第2号、第3号省略

第4号

 その特許出願が第36条第4項若しくは第6項又は第37条に規定する要件を満たしていないとき。

 

7.特許発明の技術的範囲

第70条第1項

 特許発明の技術的範囲は、願書に添附した明細書の特許請求の範囲の記載に基いて定めなければならない。

 

第70条第2項

 前項の場合においては、願書に添付した明細書の特許請求の範囲以外の部分の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。

 

第70条第3項

 前二項の場合においては、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない。

 

 


 

明細書に関する特許法施行令、特許法施行規則等

 


1.明細書

 

特許法施行令

第1条の2 

 特許法第37条第5項の政令で定める関係を有する発明は、同条に規定する特定発明に対し同条第1号又は第2号に掲げる関係を有する発明が請求項に記載される場合において、その請求項に記載される発明に対し同条第3号又は第4号に規定する関係を

有する発明とする。

 

特許法施行規則

第24条 

 願書に添付すべき明細書は、様式第29により作成しなければならない。

 

第24条の2 

 特許法第36条第4項の経済産業省令で定めるところによる記載は、発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他のその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載すること

によりしなければならない。

 

第24条の3 

 特許法第36条第4項の経済産業省令で定めるところによる特許請求の範囲の記載は、次の各号に定めるとおりとする。

第1号 請求項ごとに行を改め、−の番号を付して記載しなければならない。

第2号 請求項に付す番号は、記載する順序により連続番号としなければならない。

第3号 請求項の記載における他の請求項の引用は、その請求項に付した番号によりしなければならない。

第4号 他の請求項を引用して請求項を記載するときは、その請求項は、引用する請求項より前に記載してはならない。

 

第25条 願書に添付すべき図面は、様式第30により作成しなければならない。

 

 

2.要約書

 

特許法施行規則

第25条の2 特許法第36条第7項に規定する経済産業省令で定める事項は、出願公開又は同法第66条第3項に規定する特許公報ヘの掲載の際に、明細書又は図面に記載した発明の概要と共に特許公報に記載することが最も適当な図に付されている番号とする。

 

第25条の3 

 要約書は、様式第31により作成しなければならない。

 

 

3.電子出願手続

 

特例法(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律)

 

第3条 手続をする者は、特許庁長官、審判長又は審査官に対する特許等関係法令の(以下「特定手続」という。)にっいては、政令で定めるところにより、電子情報処理組織を使用して行うことができる。

 

第6条 手続をする者は、特定手続その他特許庁長官、審判長又は審査官に対する特許等関係法令の規定による手続であって政令で定めるもの(以下「特定手続等」という。)にっいては、政令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法によりー定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)の提出により行うことができる

 

特例法施行規則

 

a.願書等の様式      

第11条 電子情報処理組織を使用して又はフレキシブルディスクの提出により特定手続を行う者は、次の表の第2欄に掲げる手続の区分に応じ、特許等関係法令の規定において同表の第3欄に掲げる書類に記載すべきこととされている事項を同表の第4欄に掲げる様式により法第2条第1項の入出力装置〔中略〕から入力し又はフレキシブルディスクに記録しなければならない。

 

b.明細書、図面及び要約書の様式

 

b−1.電子出願

 特例法施行規則第11条様式第14







 

【書類名】明細書
【発明の名称】
【特許請求の範囲】
  【請求項1】
【発明の詳細な説明】
【図面の簡単な説明】
 (【図1】)

〔備考〕   

1 1行は36字(1行中に半角文字が奇数個含まれる場合は35.5文字)詰めとし、 1ぺージは29行とする。   

2 文字は、日本工業規格X0208号で定められている文字(平仮名(外来語は片仮 名)、常用漢字及びアラビア数字)を用いる。ただし、「【」(区点番号1−58)、「】」(区点番号1−59)「▲」(区点番号2−5)及び「▼」(区点番号2−7)は用いてはならない(欄名の前後に「【」(区点番号1−58)、「】」(区点番号1−59)を、又は置き換えた文字の前後に「▲」(区点番号2−5)及び「▼」(区点番号2−7)を用いるときを除く。)。

3 文章は口語体とし、技術的に正確かつ簡明に発明の全体を出願当初から記録する。

  この場合において、他の文献を引用して明細書の記載に代えてはならない。

4 技術用語は学術用語を用いる。

5 用語は、その有する普通の意味で使用し、かつ、明細書全体を通じて統一して使用する。ただし、特定の意味で使用する場合において、その意味を定義して使用するときは、この限りでない。

6 登録商標は、当該登録商標を使用しなければ当該物を表示することができない場合に限り使用し、この場合は、登録商標である旨を記載する。

7 微生物、外国名の物質等の日本語ではその用語の有する意味を十分表現することができない技術用語、外国語による技術文献等は、その日本名の次に括弧をしてその原語を記載する。

8 微生物の寄託について付された受託番号は、その微生物名の次に記載する。

9 化学物質を記録する場合において、物質名だけでは、その化学構造を直ちに理解することが困難なときは、物質名に加え、化学構造を理解することができるような化学式をなるべく記載する。

10 【発明の名称】は、当該発明の内容を簡明に表示するものでなければならない。

11 【特許請求の範囲】の欄には、第24条の3並びに特許法第36条第5項及び第6 項に規定するところに従い、次の要領で記載する。

  イ【特許請求の範囲】の記載と【発明の詳細な説明】の記載とは矛盾してはならず、字句は統一して使用しなければならない。

  ロ請求項の記録の内容を理解するため必要があるときは、当該願書に添付した図面において使用した符号を括弧をして用いる。

  ハ 他の請求項を引用して請求項を記録するときは、原則として引用する請求項に続けて記録する。

  ニ 他の2以上の請求項を引用して請求項を記録するときは、原則としてこれらを択一的に引用し、かつ、これらに同一の技術的限定を付してする。

  ホ 請求項に付す番号は、「【請求項1】」、「【請求項2】」のように記載する。

   ただし、他の請求項を引用して請求項を記録するときは、引用される請求項に付した番号を「請求項1」、「請求項2」のように記録する。    

12 「【発明の詳細な説明】」の欄には、特許法第36条第4項及び特許法施行規則第24条の2に規定するところに従い、次の要領で記録する。

  イ 発明の技術上の意義を理解するための必要な事項として、原則として、特許を受けようとする発明の属する技術の分野、その発明が解決しようとする課題及びその課題を発明がどのように解決したかを記載する。この場合において、各記載事項の前には、「【発明の属する技術分野】」、「【発明が解決しようとする課題】」及 び「【課題を解決するための手段】」の見出しを付す。

  ロ 特許を受けようとする発明に関連する従来の技術があるときは、なるべくそれを 記載し、その従来の技術に関する文献が存在するときは、その文献名もなるべく記載する。この場合において、その記載は、原則として発明が解決しようとする課題 の前に記載するものとし、当該記載事項の前には、「【従来の技術】」の見出しを付す。

  ハ 特許を受けようとする発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように、発明をどのように実施するかを示す発明の実施の形態を記載し、必要があるときは、これを具体的に示した実施例を記載する。

   その発明の実施の形態は、特許出願人が最良と思うものを少なくとも一つ掲げて記載する。この場合において、各記載事項の前には、「【発明の実施の形態】」及び「【実施例】」の見出しを付す。

  ニ 特許を受けようとする発明が従来の技術との関連において有利な効果を有するものであるときは、なるべくその効果を記載し、当該記載事項の前には、「【発明の効果】」の見出しを付す。      

  ホ 塩基配列又はアミノ酸配列を記載する場合には、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(平成2年11月26日特許庁公示)

   に従って作成した配列表を記載する。

  ヘ 「【発明の詳細な説明】」の欄には、原則として、段落の前に、それぞれ「【」及び「】」を付した4桁のアラビア数字で「【0001】」、「【0002】」のように連続した段落番号を付す。1の段落番号を付した段落中には複数の見出しを 記載してはならない。    

13 「【図面の簡単な説明】」の欄には、図の説明ごとに行を改めて「【図1】平面図」、「【図2】立面図」、「【図3】断面図」のように記載し、かつ、図の主要な部分を表す符号の説明を記載し、その符号の説明の前には、「【符号の説明】」の見出しを付す。

 

14 第31条第1項に規定する化学式、数式、表又は日本工業規格X0208に定められている文字以外の文字(以下、「化学式等」という。)を明細書中に記録する場合には、横150mm、縦245を超えて記録してはならず、1の番号を付した化学式等を複数ページに記録してはならない。また、化学式を記録しようとするときは「【化1】」、「【化2】」のように、数式を記載しようとするときは「【 数1】」、「【数2】」のように、表を記載しようとするときは「【表1】」「【表2】」のように、日本工業規格X0208号に定められている文字以外の文字を記載しようとするときは「【外1】」、「【外2】」のように記載する順序により連続番号を付す。この場合において、令第9条ただし書の規定により化学式等を記載した書面をフレキシブルディスクに添付して提出するときは、明細書中の当該化学式等を記録しようとする位置に同様に連続番号を付す。

 

b−2.書面出願

特許法施行規則様式29

 1 用紙は、日本工業規格A列4番(横21cm、縦29.7cm)の大きさとし、インキがにじまず、文字が透き通らないものを縦長にして用い、用紙には不要な文字、記号、枠線、けい線等を記載してはならない。

 2 余白は、少なくとも用紙の左右及び上下に各々2cmをとるものとし、原則としてその左右については各々2.3cmを超えないものとする。

 3 書き方は、左横書、1行は36字詰めとし、各行の間隔は少なくとも4mm以上をとり、1ぺージは29行以内とし、各ぺージの上の余白部分の右端にぺージ数を記入する。

 4 文字は、10ポイントから12ポイントまでの大きさで、タイプ印書等により、黒色で、明りょうにかつ容易に消すことができないように書き、平仮名(外来語は片

 仮名)、常用漢字及びアラビア数字を用いる。また、「【」、「】」、「▲」及び 「▼」は用いてはならない(欄名の前後に「【」及び「】」を用いるときを除

 く。)。

 5 各用紙においては、原則として抹消、訂正、重ね書き及び行間挿入を行ってはならない。

 (中略)

 17 化学式等を明細書中に記載しようとする場合には、明細書中の当該化学式等を記載しようとする位置に、化学式を記録しようとするときは「【化1】」、「【化2】

  」のように、数式を記載しようとするときは「【数1】」、「【数2】」のように、表を記載しようとするときは「【表1】」、「【表2】」のように、日本工業規格X

 0208号に定められている文字以外の文字を記載しようとするときは「【外1】」、【外2】」のように記載する順序により連続番号を付し、明細書の最後にぺージを

 改めて、当該化学式等を記載する。この場合において、当該記載事項の上には、それぞれ明細書中の化学式等を記載しようとする位置に記載した「【化1】」、「【数1

 】」、「【表1】」、「【外1】」等を付す。化学式は横150mm、縦245を超えて記載してはならず、1の番号を付した化学式等を複数ページに記載してはならない。

 

c.図面の様式

 

c−1.電子出願

特例法施行規則第11条様式第15

【書類名】図面
   【図1】

 

 〔備考〕

1 図は、横150mm、縦245mmを超えて記載してはならない。

2 描き方は、原則として製図法に従って鮮明に描くものとする。

3 2以上の図があるときは、原則として当該出願に係る発明の特徴を最も良く表す図を、「【図1】」とし、以下各図ごとに「【図2】」、「【図3】」のように連続番号を 図の上に付し、図面が複数枚にわたるときも、全ページを通じて各図ごとに連続番号を付す。また、1の番号を付した図を複数ページに描いてはならず、異なる番号を付した 図を横に並べて描いてはならない。

4 符号は、アラビア数字を用い、大きさは約5mm平方とし、他の線と明確に区別することができる引出線を引いて付ける。同一の部分が2以上の図中にあるときは、同一の符号を用いる。

5 線の太さは、実線にあっては約0.4mm(引出線にあっては約0.2mm)、点線及び鎖線にあっては約0.2mmとする。

6 切断面には、平行斜線を引き、その切断面中異なる部分を表わす切断面には、方向を異にする平行斜線を、それができないときは、間隔の異なる平行斜線を引く。

7 図中のある個所の切断面を他の図に描くときは、ー点鎖線で切断面の個所を示し、その一点鎖線の両端に符号を付け、かっ、矢印で切断面を描くべき方向を示す。

8 凹凸の部分を表すには、断面図又は斜視図を用い、特に陰影を付ける必要があるときは、約0.2mmの実線で鮮明に描く。

9 中心線は、特に必要がある場合のほかは、引いてはならない。

10 図面に関する説明は、明細書の中に記載する。ただし、図表、線図等に欠くことができない表示、切断面の表示及び図の主要な部分の名称については、次の要領で図面の中に記入することができる。

 イ 用語は、明細書において使用した用語と同一のものを用いる。

 ロ 文字は、図中のいずれの線にも掛かることなく記入する。

 ハ 図の主要な部分の名称は、なるべく符号と共に記入する。

 

c−2.書面出願

特許法施行規則様式第30

l 用紙は、日本工業規格A列4番(横21cm、縦29.7cm)の大きさのトレー シングペーパー若しくはトレーシングクロス(黄色又は薄い赤色のものを除く。)又

 は白色上質紙を縦長にして用いる。ただし、特に必要があるときは、横長にしてもよい。

2 図は、横150mm、縦245mmを超えて記載してはならない。

3 図面が複数枚にわたるときは、各ページの上の余白部分の右端にページ数を記入する。

4 描き方は、原則として製図法に従って、黒色で、鮮明にかつ容易に消すことができないように描くものとし、着色してはならない。

 

d.要約

d−1.電子出願

特例法施行規則第11条様式第16

【書類名】要約書
【要約】
【選択図】

 

1 1行は36字(1行中に半角文字が奇数個含まれる場合は35.5文字)詰めとし、1ページは29行とする。

2 文字は、日本工業規格X0208号で定められている文字(平仮名(外来語は片仮名)、常用漢字及びアラビア数字)を用いる。ただし、「【」(区点番号1−58)、「】」(区  点番号1−59)、「▲」( 区点番号2−5) 及び「▼」( 区点番号2−7) を用いてはならない。( 欄名の前後に「【」及び「】」を、又は置き換えた文字の前後に「▲」( 区点番号2−5) 及び「▼」( 区点番号2−7) を用いるときを除く。) 。

3 文章は口語体とし、技術的に正確かつ簡明に発明の全体を出願当初から記載する。この場合において、他の文献を引用して要約書の記録に代えてはならない。

4 技術用語は、学術用語を用いる。

5 用語は、その有する普通の意味で使用し、かつ、明細書及び要約書全体を通じて統― して使用する。ただし、特定の意味で使用しようとする場合において、その意味を定義して使用するときは、この限りでない。

6 登録商標は、当該登録商標を使用しなければ当該物を表示することができない場合に限り使用し、この場合は、登録商標である旨を記録する。

7 微生物、外国名の物質等の日本語ではその用語の有する意味を十分に表現することができない技術用語、外国語による学術文献等は、その日本名の次に括弧をしてその原語を記載する。

8 「【要約】」の欄には、明細書又は図面に記録した発明の概要を次の要領で記載する。

 イ 原則として発明が解決しようとする課題、その課題手段等を平易かつ明りょうに記載する。この場合において、各記録事項の前には、「【課題】」、「【解決手段】」等の

  見出しを付す。

 ロ 文字数は400字以内とし、簡潔に記録する。

 ハ 要約の記載を理解するため必要があるときは、選択図において使用した符号を使用 する。

9 化学式等を「【要約】」の欄に記録する場合は、横150mm、縦245mmを超えて記載してはならず、1の番号を付した化学式等を複数ぺージに記録してはならない。

 また、化学式を記録しようとするときは「【化1】」、「【化2】」のように、数式を 記載しようとするときは「【数1】」、「【数2】」のように、表を記載しようとする ときは「【表1】」「【表2】」のように、日本工業規格X0208号に定められてい る文字以外の文字を記載しようとするときは「【外1】」、「【外2】」のように記載 する順序により連続番号を当該化学式等の上に付す。この場合において、令第9条ただ し書の規定により化学式等を記載した書面をフレキシブルディスクに添付して提出する ときは、「【要約】」の欄の当該化学式等を記録しようとする位置に同様に連続番号を 付す。

10 【選択図】には、施行規則第25条の2に規定するところに従って選択した1の図に付されている番号を「図○」のように記載する。

 

d−2.書面出願

特許法施行規則様式第31

1 用紙は、日本工業規格A列4番(横21cm、縦29.7cm)の大きさとし、インキがにじまず、文字が透き通らないものを縦長にして用い、用紙には不要な文字、

  記号、枠線、けい線等を記載してはならない。

2 余白は、少なくとも用紙の左右及び上下に各々2cmをとるものとし、原則としての左右ついては各々2.3cmを超えないものとする。

3 書き方は左横書、1行は36字詰めとし、各行の間隔は少なくとも4mm以上をとり、1ページは29行以内とする。

4 文字は、10ポイントから12ポイントまでの大きさで、タイプ印書等により、黒色で、明瞭にかつ容易に消すことができないように書き、平仮名(外来語は片仮名)

 常用漢字及びアラビア数字を用いる。また、「【」、「】」、「▲」及び「▼」は用いてはならない(欄名の前後に「【」及び「】」を用いるときを除く。)。

5 各用紙においては、原則として抹消、訂正、重ね書き及び行間挿入を行ってはならない。

 


明細書に関する特許協力条約の規定

(日本語公式訳文)


第3条 国際出願

(1)締約国における発明の保護のための出願は、この条約による国際出願とすることが できる。

(2)国際出願は、この条約及び規則の定めるところにより、願書、明細書、請求の範囲、必要な図面および要約を含むものとする。

 

 〔英語原文〕

 An international application shall contain, as specified in this Treaty and Regulations, a request, a DESCRIPTION, one or more claims, one or more drawings(where requested), and an abstract.

 

(3)要約は、技術情報としてのみ用いるものとし、他の目的のため、特に、求められている保護の範囲を解釈するために考慮に入れてはならない。

(4) 〔省略〕      

 

第5条 明細書     

 明細書には、当該技術分野の専門家が実施することができる程度に明確かつ+分に、発明を開示する。

 〔英語原文〕                                

  The description shall disclose the invention in a manner sufficiently clear and complete for the invention to be carried out by a person skilled in the art.

 

第6条 請求の範囲 

 請求の範囲には、保護が求められている事項を明示する。請求の範囲は、明確かつ簡潔に記載されていなければならない。請求の範囲は、明細書により十分な裏付けがされていなければならない。 

 

 〔英語原文〕

 The claim or claims shall define the matter for which protection is sought. Claims shall be clear and concise. They shall be fully supported by the description.

     

第7条 図面

(1) (2)(ii)の規定が適用される場合を除くほか、図面は、発明の理解に必要な場合に要求される。    

(2) 図面が発明の理解に必要でない場合にあっても、発明の性質上図面によって説明することができるときは、

  (i) 出願人は、国際出願をする時に図面を国際出願に含めることができる。

  (ii) 指定官庁は、出願人に対し、所定の期間内に図面を提出することを要求する ことができる。


明細書に関する特許協力条約に基づく規則


 

第5規則 明細書    

5.1 明細書の記述方法

(a) 明細書には、願書に記載されている発明の名称を冒頭に表示し及び次の事項を次のように記載する。

  (i) その発明の関連する技術分野を明示する。

  (ii) 出願人の知る限りにおいてその発明の理解、調査及び審査に有用であると思われる背景技術を表示する。また、その背景技術について記述している文献を引用することが望ましい。

  (iii) 技術的課題(技術的課題が明白に記述されていない場合を含む。)及びその解決方法を理解することができるように、請求の範囲に記載されている発明を開示する。その発明が背景技術との関連において有利な効果を有する場合は、その効果を記載する。     

  (iv) 図面がある場合には、図について簡単に説明する。     

  (v) 請求の範囲に記載されている発明の実施をするための形態のうち少なくとも出願人が最良であると考えるものを記載する。その記載は、適当なときは実施例 を用いて、図面があるときはその図面を引用して行う。指定国の国内法令が最良の形態ではなくいずれかの形態(最良であると考えられるものであるかどうかを問わない。)を記載することを認めている場合には、出願人が最良であると考える形態が記載されていないことは、当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。

 

 〔英語原文〕                                

 (v) set forth at least the best mode contemplated by the applicant for carrying out the invention claimed; this shall be done in terms of examples, where appropriate,and with reference to the drawings, if any;…

 

  (vi) 発明の説明又は性質から明らかでない場合には、その発明の対象の産業上の利用方法並びに生産方法及び使用方法又は、単に使用されるものであるときは、

    使用方法を明示的に記載する。「産業」の語は、工業所有権の保護に関するパリ条約におけると同様に最も広義に解釈する。

(b) (a)に規定する記述方法及び順序は、発明の性質上異なる記述方法又は順序により発明を一層よく理解することができるようになり及び表現が一層簡潔となる場

   合を除くほか、遵守する。

(c) (b)の規定に従うことを条件として、(a)の各事項の前には、実施細則に示す適当な見出しを付することが望ましい。

 

5.2 ヌクレオチド又はアミノ酸の配列の開示

(a) 国際出願が1または2以上のヌクレオチド又はアミノ酸の配列を含む場合には、明細書には、実施細則に定める基準を満たし、かつ、当該基準に従い明細書の別個の部分として表した配列リストを記載する。

(b)明細書の配列リストの部分が実施細則に定める基準に規定するフリーテキストを含む場合には、当該フリーテキストを明細書の主要な部分にも該当部分の言語で表示する。

 

第6規則 請求の範囲 

6.1 請求の範囲の数及び番号の付け方

(a) 請求の範囲の数は、請求の範囲に記載される発明の性質を考慮して妥当な数とする。

(b) 請求の範囲の数が二以上の場合には、請求の範囲には、アラビア数字により連続 番号を付する。

(c) 請求の範囲について補正をする場合における番号の付け方は、実施細則で定める。

 

6.2 国際出願の他の部分の引用

(a) 請求の範囲は、不可欠である場合を除くほか、発明の技術的特徴について明細書又は図面を引用する記載によってはならない。特に、請求の範囲は、「明細書の… …の箇所に記載したように」又は図面の……の図に記載したように」のような引用をする記載によってはならない。

(b) 国際出願が図面を含む場合は、請求の範囲に記載されている技術的特徴は、その特徴に係る引用符号を付することが望ましい。引用符号は、括弧を付して用いることが望ましい。引用符号を付することが請求の範囲の速やかな理解を容易にするものでない場合には、引用符号は、用いない。指定官庁は、公表に当たっては、引用符号を省略することができる。

 

6.3 請求の範囲の記述方法

(a) 保護が求められている事項は、率明の技術的特徴を記載することによって明示する。

 

 〔英語原文〕                                 

 (a) The matter for which protection is sought shall be in terms of the technical feature of the invention.    

 

(b)請求の範囲には、適当と認められるときは、次のものを含める。

  (i)保護が求められている事情の明示に必要な発明の技術的特徴であって結合して先行技術をなすものを表示する陳述。

 

 〔英語原文〕                                

(i)a statement indicating those technical features of the invention where are necessary for the defining of the claimed subject matter but which, in combination, are part of the prior art.

 

  (ii)(i)の規定に従って記載された技術的特徴と結合して保護が求められている技術的特徴を簡潔に記載する特徴部分。この部分は、「に特徴を有する」、「を特徴とする」、「のように改良した」又はその他これらの表現と同様の表現を用いて示される。

 

 〔英語原文〕                                  

ii)a characterized portion-preceded by the words "characterized that ", "characterized by", "wherein the improvement comprises", any words to same effect-stating concisely the technical features which, in combination with the features stated under (i), it is desired to protect.

 

(c) 指定国の国内法令が(b)に規定する請求の範囲の記述方法を定めていない場合には、その記載方法に従わないことは、当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。但し、実際に用いられる請求範囲の記述方法が当該指定国の国内法令の要件を満たしている場合に限る。

 

6.4 従属請求の範囲

(a) 一又は二以上の他の請求の範囲のすべての特徴を含む請求の範囲(この従属的な形式の請求の範囲を以下「従属請求の範囲」という。)の記載は、可能なときは冒頭に、他の請求の範囲を引用して行い、次に、保護が求められている追加の特徴を記載することによって行う。二以上の他の請求の範囲を引用する従属請求の範囲(「多数従属請求の範囲」)は、引用しようとする請求の範囲を択一的な形式によってのみ引用する。多数従属請求の範囲は、他の多数従属請求の範囲のための基礎として用いてはならない。国際調査機関として行動する国内官庁に係る国の国内法令が多数従属請求の範囲を前2文に規定する請求の範囲と異なる方法によって起草することを許していない場合において、前2文に規定する請求の範囲の記述方法に従わないときは、国際調査報告に第17条(2)(b)の規定に基づく表示をすることができる。実際に用いられる請求の範囲の記述方法が指定国の国内法令の要件を満たしている場合には、第2文又は第3文に規定する請求の範囲の記述方法に従わないことは、当該指定国においていかなる影響も及ぼすものではない。

 

(b) 従属請求の範囲は、それが引用する請求の範囲に含まれるすべての限定又は、従属請求の範囲が多数従属請求の範囲である場合には、当該多数従属請求の範囲と関係する特定の請求の範囲に含まれるすべての限定を含むものと解する。

 

 〔英語原文〕

 (b) Any dependent claim shall be construed as including all the limitations contained in the claim to which it refers or, if the dependent claims a multiple dependent claim, all the limitations contained in the particular claim in relation to which it is considered.

 

(c) 前の単一の請求の範囲を引用するすべての従属請求の範囲及び前の二以上の請求の範囲を引用するすべての従属請求の範囲は、可能な範囲でかつ最も実際的な方法で取りまとめて記載する。

 

6.5 実用新案

 国際出願に基づき実用新案を与えることを求められている指定国は、国際出願の処理がその指定国において開始された後は、6.1から6.4までに規定する事項につき、これらの規定に代えて実用新案に関する国内法令の規定を適用することができる。ただし、出願人が、出願を当該国内法令の規定に適合させるため、第22条〔指定官庁に対する国内出願の写しと翻訳文の提出、手数料の支払〕に規定する当該期間の満了の後少なくとも2箇月の期間の猶予を与えられることを条件とする。

 

第7規則 図面

7.1 工程図及び図表

  工程図及び図表は、図面とする。

 

 〔英語原文〕

 Flow sheets and diagrams are considered drawings

 

7.2 期間〔省略〕

 

第8規則 要約

 

8.1 要約の内容及び形式

(a) 要約は、次の事項からなる。

  (i)  明細書、請求の範囲及び図面に含まれている開示の概要。概要は、発明の属する技術分野を表示し、並びに技術的課題、発明による技術的課題の解決方法の要点及び発明の主な用途を明瞭に理解することができるように起草する。

  (ii)  該当する場合には、国際出願に記載されているすべての化学式のうち発明の特徴を最もよく表すもの。

(b) 要約は、表現することができる限りにおいて簡潔なもの(英語の場合又は英語に翻訳した場合に50語以上150語以内であることが望ましい。)とする。  

 

(c) 要約には、請求の範囲に記載されている発明の利点若しくは価値の主張又はその発明の思惑的な利用について記載してはならない。

(d) 要約に記載されている主要な技術的特徴であって国際出願の図面に示されているもののそれぞれには、括弧付きの引用符号を付する。    

 

8.2 図    

(a)出願人が3.3(a)に掲げる表示をしない場合又は国際調査機関が図面全体のすべての図のうち出願人の示した図以外の図が発明の特徴を一層よく表わしていると認めた場合には国際調査機関は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際事務局が要約とともに公表する図を表示する。この場合には、要約とともに、国際調査機関の表示した図を公表する。その他の場合には、(b)の規定が適用される場合を除くほか、要約とともに出願人の示した図を公表する。

(b) 国際調査機関は、図面中のいずれの図も要約の理解に役立たないと認めた場合には、国際事務局にその旨を通知する。この場合には、国際事務局による要約の公表に、出願人が3.3(a)(iii)の規定に従って図を示している場合であっても、いかなる図も掲載しない。 

 

8.3 起草上の指針     

 要約は、当該技術分野における調査のための選別手段として、特に、当該国際出願自体を調べる必要性の有無を判断する上で科学者、技術者又は研究者に役立つよう、効率的に利用することができるように起草する。

    

第9規則 使用してはならない表現等    

9.1 定義     

 国際出願には、次のものを記載してはならない。     

(i) 善良の風俗に反する表現又は図面     

ii)  公の秩序に反する表現又は図面      

iii) 出願人以外の特定の者の生産物、方法又は出願若しくは特許の利点若しくは有効性を誹謗する記述(先行技術との単なる比較は、それ自体では、誹謗とはみなさない)。     

iv) 状況からみて明らかに関連性のない又は不必要な記述又は他の事項    

 

9.2 規定が順守されていないことの注記     

 受理官庁及び国際調査機関は、9.1の規定が順守されていないことを注記することができるものとし、国際出願を自発的に訂正するよう出願人に示唆することができる。遵守されていないことを注記した場合には、受理官庁は管轄国際調査機関及び国際事務局に、それぞれ通知する。

 

9.3 第21条(6)との関係

 第21条(6)〔国際公開〕にいう「誹謗の記載」とは、9.1(iii)に規定する意味を有する。

 

第10規則 用語及び記号

 

10.1 用語及び記号

(a) 度量衡の単位は、メートル法で記載するものとし、メートル法以外のもので記載した場合には、メートル法によるものを併記する。

(b) 温度は、摂氏で記載するものとし、摂氏以外のもので記載した場合には、摂氏によるものを併記する。

(c)(削除)

(d) 熱、エネルギー、光、音及び磁気の表示並びに数式及び電気の単位については、国際慣行に従う。化学式については、一般に用いられている記号、原子量及び分子式を用いる。

(e) 技術用語、記号及び符号は、通常、当該技術分野において一般に採用されているものを用いる。

(f) 国際出願又はその翻訳文を英語、中国語又は日本語で作成する場合には、少数部分は、最初に小数点付することによって表示し、国際出願又はその翻訳文を英語、 中国語又は日本語以外で作成する場合には、小数点は、コンマを用いる。

 

10.2 一貫性

 用語及び記号は、当該国際出願の全体を通じて一貫して使用する。

 

第11規則 国際出願の様式上の要件

11.1 提出部数〔省略〕

11.2 複製のための適合性〔省略〕

11.3 使用すべき材料〔省略〕

11.4 用紙の別等

(a) 国際出願の各要素(願書、明細書、請求の範囲、図面及び要約)は、別個の用紙を用いて作成する。

(b) 〔省略〕

 

11.5 用紙の大きさ

 用紙の大きさは、A4判(縦29.7センチメートル、横21センチメ−トル)とする。ただし、受理官庁は、他の大きさの用紙による国際出願を許すことができる。もっとも、国際事務局に送付する記録原本及び、管轄国際調査機関が要求するときは、調査用写しは、A4判の大きさとする。

 

11.6 余白

(a)〜(b)〔省略〕

(c) 図面を記載する用紙については、その使用をすることができる面は、縦26.2 センチメートル、横17センチメートルを超えないものとする。用紙の使用するこ

   とができる面の周囲には、枠を記載してはならない。 余白は、少なくとも次の通りとする。

(d)〜(f)〔省略〕

 

11.7 用紙の番号の付け方〔省略〕  

11.8 行の番号の付け方〔省略〕   

11.9 記載事項の書き方

(a) 願書、明細書、請求の範囲及び要約は、タイプ印書又は印刷による。

(b) 図式記号、化学式、数式及び中国語又は日本語の特定の漢字に限り、必要なときは、手書きによることができる。   

(c)〜(e) 〔省略〕   

 

11.10 図、式及び表を用いる記載  

(a) 願書、明細書、請求の範囲及び要約には、図を記載してはならない。

(b) 明細書、請求の範囲及び要約には、化学式または数式を記載することができる。 
(c) 明細書及び要約には、表を用いることができる。請求の範囲には、表を使用することが望ましい事項についてのみ、表を使用することができる。

(d)表及び化学式又は数式は、その上下を正しくしては縦長にして用いられる用紙に十分に配置することができない場合には、横にして用紙の長辺と平行に配置することができる。表及び化学式又は数式がそのように配置される用紙は、表又は式の上端が用紙の左側になるようにして提出する。

 

11.11 図面中の語句

(a) 図面には、不可欠な場合における「水」、「蒸気」、「開」、「閉」、「ABの切断面」等の単語又は語句並びに電気回路、ブロックダイアグラム及び工程図表の場合における理解のために不可欠な表示のための短い語句を除くほか、文言を記載してはならない。

(b) 用いる語は、翻訳された場合にその語が覆われることになるように、また、図面中のいずれの線にもかかることなくその翻訳をはり付けることができるように配置する。

 

 〔英語原文〕

 (b)Any words used shall be so placed that, if translated, they may be pasted over without indicating with any lines of the drawings.

 

11.12等 訂正等

 各用紙においては、合理的な範囲を超えて消してはならず、また、重ね書き及び行間挿入を行ってはならない。内容の真正であることに疑いがなく、かつ、良好な複製のための要件が損なわれないことを条件として、第1文の規定に従わないことを認めることができる。

 

11.13等 図面に関する特別の要件

(a) 図面は、耐久性のある、黒色の、十分に濃厚な、均一の太さの、かつ、明瞭な線及び画で着色することなく、作成する。

(b) 切断面は、平行斜線によって示す。 この場合においては、引用符号及び引出し線の明瞭な読取りが妨げられてはならない。

(c) 図の大きさ及び作図の明瞭性は、2/3の線縮尺による写真複製をした場合にすべての細部を容易に識別することができるようなものとする。

(d) 例外的に図面の尺度を示す場合には、尺度は、図式で表示する。

(e) 図面に記載するすべての数字、文字及び引出線は、簡潔かつ明瞭なものとする。

   括弧、円又は引用符〔注:「‘」「’」「“」「”」〕は、数字及び文字とともには、用いない。

(f) 図面中のすべての線は、通常、製図用具を用いて引く。

(g) 図の各要素は、異なる比率を使用することが図の明瞭性に不可欠な場合を除くほか、図中の他の要素のそれぞれに対して妥当な比率のものとする。

(h) 数字及び文字の大きさは、縦0.32センチメートル以上とする。図面中の文字は、ローマ字及び、慣習となっている場合には、ギリシャ文字を用いる。

(i) 図面の同一の用紙には、二以上の図を記載することができる。二以上の用紙に描く図が単一の完全な図を構成する場合には、二以上の用紙に描く図は、単一の完全な図を得るように合わせたときに各用紙に示されているいずれの図のいずれの部分も隠すこととならないように配置する。

(j) 個々の図は、不必要な間隔を置くことなく、望ましくは図の上下を正しく、相互に十分離して一又は二以上の用紙に配置する。図の上下を正しく配置することがで

   きない場合には、図の上端が用紙の左側になるように図を横にして用紙の長辺と平行に配置して提示する。

(k) 個々の図には、用紙の番号と関係なく、アラビア数字により連続番号を付する。

 

(l) 明細書に用いない引用符号は図面に、図面に用いない引用符号は明細書に用いない。

(m) 同一の部分は、引用符号を用いて示す場合には、当該国際出願の全体を通じて同一の符号によって示す。

(n) 画面に多数の引用符号を用いる場合には、すべての引用符号及びその対応する部分を掲げる別紙を添付することが極めて望ましい。

 

11.14 後に提出する書類 〔省略〕

11.15 〔削除〕

 

第13規則 発明の単一性

13.1 要件

 国際出願は、ーの発明又は単ーの一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明についてのみ行う(「発明の単一性の要件」)。

 

 〔英語原文〕

 The international application shall relate to one invention only or a group of inventions so linked as to form a single general inventive concept ("requirement of unity of invention")

 

13.2 発明の単一性を満たしていると認められる場合

 一群の発明が同一の国際出願の請求の範囲に記載されている場合には、これらの発明の間に一又は二以上の同一又は対応する特別な技術的特徴を含む特別な関係があるときに限り、13.1に規定する発明の単ー性の要件は満たされる。「特別な技術的特徴」とは、 請求の範囲に記載された各発明が全体として先行技術に対して行う貢献を明示する技術的特徴をいう。

 

 〔英語原文〕

 Where a group of inventions is claimed in one and the same international application, the requirement of unity of inventions reffered to Rule 13.1 shall be fulfilled only when there is a technical relationship among those inventions involving one or more of the same corresponding special technical features. The expression "special technical features" shall mean those technical features that define a contribution which each of the claimed inventions, considered as a whole, makes over the prior art.

 

13.3 請求の範囲の記載方法により影響されない発明の単一性の判断

 一群の発明が単ーの−般的発明概念を形成するように連関しているかの判断は、これらの発明が別個の請求の範囲に記載されているか単一の請求の範囲に択ー的な形式によって記載されているかを考慮することなく行なう。

 

13.4 従属請求の範囲

 13.1の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であつても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。

 

 〔英語原文〕 
 Subject to Rule 13.1, it shall be permitted to include in the same international application a reasonable number of dependent claims, claiming specific forms of the invention claimed in an independent claim, even where the features of any dependent claim could be considered as

constituting in themselves an invention.