特許から見たゴルフ
弁理士 遠山 勉 (2004/4/26)

第15話 IN 15番ホール

ダイヤモンドのドライバー欲しくありませんか?


平成12年11月10日に出願された特願2000−343211特開特開2002−143353記載のゴルフクラブヘッド及びその製造方法を紹介します。

 これは、飛距離と方向性の改善のためにフエースをより硬質にしたゴルフクラブヘッドに関し、以下のような請求項で特定されるゴルフクラブヘッドに関する発明です。


【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴルフクラブヘッドのフエースの一部又は全部にダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成したことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】 ゴルフクラブヘッドが金属製、セラミックス製又はこれらの複合体製であり、そのフエースの一部又は全面にダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成したことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】 ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成した金属片、セラミックス片又はこれらの複合体片をゴルフクラブヘッドのフエースに埋め込んだ構造を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項4】 金属製、セラミックス製又はこれらの複合体製ゴルフクラブヘッドのフエースの一部又は全部に気相成長法によりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成したことを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
【請求項5】 ゴルフクラブヘッドのフエースの一部又は全部に金属片、セラミックス片又はこれらの複合体片を接合若しくは埋め込む前又は接合若しくは埋め込んだ後、該金属片、セラミックス片又はこれらの複合体片に気相成長法によりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成し、前記金属片、セラミックス片又はこれらの複合体片を介してゴルフクラブヘッドのフエースの一部又は全部にダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
【請求項6】 平均表面粗さ(Ra)が1μm以下となるようにダイヤモンド膜を研磨することを特徴とする請求項4又は5記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
【請求項7】 平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下となるようにダイヤモンド膜を研磨することを特徴とする請求項4又は5記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。



 本発明では、ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を気相成長法によりクラブのフェースに形成するもので、例えば高温(2000°C前後)に加熱したタングステンフイラメントの近傍位置に開口する石英管を配置し、この石英管を通してメタン等の炭化水素ガスを水素で希釈した混合ガスを導入し、500°C〜1100°Cに加熱したフエースとなる基板上にダイヤモンドを前記混合ガスから分解析出させる方法、あるいは前記タングステンフイラメントに替えて、プラズマ放電を利用したマイクロ波プラズマCVD法又はRFプラズマCVD法を用いてダイヤモンド膜又はダイヤモンド状カーボン膜を形成することができるとする。
 本発明では、ダイヤモンド膜のフエース部は輝くばかりの光沢を持ち、硬度が著しく高いために、その高硬度によって反発力を向上させることができ、またこれにより初速を増加させ、この初速増加によりゴルフボールとフエースとの摩擦時間が短くなることからバックスピンを抑制し、伸びのある弾道でボールをより遠くに飛ばすことができるという優れた効果を有する。また、前記初速の向上はスライスやフックの原因となるサイドスピンも減少するので方向性も良くなるという著しい効果を有する。

 とのことである。このようなダイヤモンドのドライバー欲しくありませんか?