みさとのアルバム

新年を迎える準備


 年の瀬の一場面 (たぶん10年ほど前 撮影・  2000.12.31記)

早くできあがらないかな おいしそう ねえ、もっと薪入れていい?
みんなで餅つき 実家にて
  子どもたちが成人して家を離れてからはもう何年も使うことのなかった杵と臼。こんどは孫たちがやってきてみんなで餅をつくという。大人二人がかりでなければ動かない臼をごろごろころがし洗って準備する。なん臼つくのか、それにあわせて米も研がなければ・・・。当時はまだ自宅で餅米も作っていたそれを大あわてで精米に出す。
 そんなふうにあわただしくしているところへ娘たちがそれぞれの夫と子どもを連れてやってきた。準備を手伝い、足りないものを買いに走る。夜は子どもたちが走り回る中会話が弾む。
 まだ夜も明けきらぬうちから起き出してかまどに火をつける祖母。黒ずんだ空からは小雪がぱらつく。朝食は軽く食べてお昼におもちの予定だったのだけれど、孫たちは待ちきれずに飛び起きてくる。氷点下の中、かまどに手をかざして暖まる。
 蒸し上がった餅米をまずほおばる。おいしい、おいしい、もっと、もっと。「そんなに食べたらつくお米がなくなっちゃうよ」
 ついている途中でも「ちょっと味見」 ひとりが味見をするとわたしもぼくもと・・・。最初の臼はみんなのおなかの中。胡麻がいい、あんこがいい。大人の分はあとにしてね。
 ふた臼め。「おとうさんがんばれ」 子どもたちの応援団。 つきあがったそれはお供え餅作りに。娘たちもなれぬ手で手伝う。みんなでお正月に食べる分、おみやげに持って帰る分・・・と、さらになん臼も続く。
 義理の息子たちが疲れた頃「こんどはおじいちゃんが・・・」 なれた手つきで杵を握る。
 リズミカルな音。こだまする笑い声。


 思い出となって久しい暮れの一日。


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