「勿体無い」
と、メルヒオールは私のスーツ姿を見て呟いた。
「何が??」
「脚が見れない、というのがこんなに切ないものだと初めて知ったよ」

「似合うでしょ??」


+

メルヒオールは私を眺めながら
「バルテュスは何を着ても似合う」
と言った。
私が喜んでみせると
「でも」
と、器用に片方の眉毛を跳ね上げた。
「でも??」
「何も着ないのが一番かもな」
などと言って笑った。
 
 
 
 
 

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