ハイノートに関する疑問

トランペットは金管楽器の中で最高音を担当する楽器であり、 管の長さからも分かる通り、 もともと高い音を鳴らせるように設計されていますし 高い音を鳴らすような使わ方をするのがふつうです。 従って ラッパ吹きが高い音を鳴らしたがるというのは至極当たり前の話なのですが、 実際に高い音を重点的に練習するラッパ吹きはあまり多くなく、 だいたい一つのバンドに一人かそれくらいしかいないようです。 これには理由があって、

などが挙げられると思います。逆に、 たまたま一度高い音が鳴らせてしまったラッパ吹きは、 以降そのバンドではずっと高い音を任されてしまって、 いつの間にか高い音しか吹けなくなってしまったりするわけです。

結果として そのバンドでは自分より高い音を叩ける人がいないものだから ハイノートヒッターと呼ばれるようになったりするのですが、 世間でハイノートヒッターと呼ばれる人がどの程度の音を鳴らすのか よく分かっていなかったりします。 そんなわけで、

実のところ、どのくらいの音を叩ければハイノートヒッターと呼べるのだろう

ということに最近特に興味があります。 具体的には、アマチュアでハイノートヒッターを名乗るには どの程度の音域があればよいのだろうということで、 例えば double Bb は軽く叩ける (hit できる) くらいでなきゃいけない、 などということが知りたいのです。 プロならハイノートヒッターでなくてもこのくらいの音は鳴らせる、 といった情報もあると助かります。

ちなみに僕の場合、フレーズとして使える常用音域の上限が実音で E 程度。 頑張ればいつでも叩ける音が G まで。 調子の良いとき叩けるのは A まで。 絞り出して double C といったところです (マウスピースは MMP の Vizzutti モデル)。 とりあえず「修行中のハイノートヒッター」を自称することにしていて、 次の目標は double D を叩けるようになること、というのが現況。

ご意見体験談経験談など教えて 下さる方、募集します。


ちょっと補足しておく。僕は今まで一度としてハイノートヒッターで あったこともないし、ハイノートヒッターを名乗ったこともない。 ただしハイノートヒッターになろうとしたことはある。

更に補足。面倒臭いので時系列で書いておく。

小学3年生の終り頃に学校の金管バンドでコルネットを吹き始めたが、 最初の頃は 3rd や 4th で低音域をバリバリ吹きまくっていたので 高音には全く縁がなかった。 5年生から 1st に移ったが、所詮小学生の金管バンドなので まともな高音域など使うはずもない。音楽事典でコルネットで使われる 最高音は C くらいということを知ったので試しにどのくらいの 高音が出るのか吹いてみたら、C までは自然に吹けていたので満足していた。

中学校に入ったら水泳部に入ろうと心に決めていたが入学してみると 水泳部はなかったので自然に吹奏楽部に入部。 下手っぴ吹奏楽部であって C 程度を鳴らせる人間が他にいなかったので 成りゆき上 1st を吹くことになる。 しかし所詮中学校の吹奏楽部なのでまともな高音域などほとんど使わない。 ましてや下手っぴ吹奏楽部ともなれば曲の中では C すら滅多に出てこない。 そんなわけで取り立てて高音の練習していたわけではないが、 時々試してみるとコルネットの深いマウスピースで F くらいまでは鳴らせるので 満足していた。

高校に入学してから貯めた小遣いをはたいてトランペットを買い、 それに従って下品に吹くのが好みになる。 そこで少しづつ音域を広げることにし、最終的には調子が良ければ double F くらいまで鳴るようにはなった。しかし所詮高校の吹奏楽部なので曲の中ではまともな高音域などほとんど使われない。 代りに野球の応援にかり出された時に野球場で思いきり吹く。 静かに野球観戦を楽しみたい人には多大な迷惑をかけたものである。

大学に入学すると一転して下品に吹くのが嫌いになり、 高音域の練習もそれに伴って全くやらなくなる。 当然音域は狭くなる。当時加入したロックバンドで「ルパン3世」で G を使ったのがせいぜい。

大学院に入ると、勉強が忙しくなってとても楽器の練習などできない。 時々ミュートをつけてアパートの部屋でスケールの練習をするくらいである。 高音はすっかり忘れるが、時々吹かなければならなくなって、 意を決して高音用のマウスピースを買う。

社会人になってから某ロックバンドに加入する。カリキオも買う。 比較的高音を多用するバンドなのだが、E が常用できれば困らない程度で ときどき G くらいまで鳴らせば問題なかったので 音域が狭くならない程度の練習に励む。

1999年の秋頃に親不知が生えてきて事態は一変する。それまでの吹き方だと親不知が痛くてたまらないので吹き方を変える。 吹き方を変えると高音用のマウスピースが合わなくなる。 そんな折に高校時代の友人に誘われて吹奏楽のステージに乗ることになる。 彼は高音が鳴らせると思って誘ってくれたので申し訳ないと思ったのだが、 曲中で使われる最高音が Eb で、それならまだ深いマウスピースでも吹けたので 結果として問題はなかった。

親不知は抜いたがアンブシュアは戻らず、 結局高音域は狭くなったまま。 一度だけ昔の吹き方で高音を叩いたが、高音しか鳴らなくなってしまう ことに気づいて吹かないことにした。

フリューゲルを買って現在に至る。


Kaname Funakoshi [home] [mail: kf @ pobox.com]