自転車日記

注: 別に日記というわけではありません。 日記というべきはむしろ整備記録の方。


自転車に乗ることにする

暑さが去って良い季節になったので、自転車に乗ることにしました。 というのがなんとなく良い書き出しかなと思ったので使ったのですが、 実際には秋になったというのはどうでも構わない話で、 本当の理由はよくある「運動不足解消のため」で、 特に「管楽器奏者として心肺機能を鍛えるため」であり 「筋力強化のため」だったりするわけです。 でもそんなこと言っても受けないので、周囲の人には クラフトワークのアルバム「ツール・ド・フランス」に感化されたとか、 「シャカリキ」(「茄子」でもいいけど) を読んで自転車の素晴らしさに目覚めたとか、 風になりたくなったから (なんやそら) とか、 ガソリン代の節約のためとか、 中国旅行から帰って以来自転車文化華やかな北京の街が懐かしくてたまらないとか、 ペダルを漕ぎながら食べるカロリーメイトの味に病みつきになったとか、 自転車と一緒に写真を撮ってもらったら思いのほか写りが良くて 意外に僕って自転車が似合う男じゃん (語尾上げ) と思ったとか、 そういう理由をつけることにしています。

自転車を手に入れる

写真を撮るにはふつうカメラが必要で、楽器を演奏するには楽器を使わなければならず、 コンピュータサイエンスには紙と鉛筆が必要で、 同様に自転車に乗るには、まず自転車を手に入れなければなりません。 何か変なのが入っているような気もしますがそれはさておきます。 学生の頃使っていた安いシティバイクが眠っていたのですが、 これはさすがに数年乗らなかったためにぼろぼろのさびさびで、 フレームとホイールと荷台とペダル以外は使い物にならなくなっていました。 チェーンやタイヤやハンドルや泥よけを交換するよりは買ったほうが多分安いので、 適当な自転車を新たに入手することにしました。

適当な自転車とはいってもママチャリというわけにはいきません。 平城京の地図を頭に思い浮かべられる人は少ないかも知れませんが、 平城京は奈良盆地の平らな部分ぎりぎりに作られていました。 つまり、東の果ての東大寺や春日大社より東は山ですし、 同様に西の果ての西はちょっとした丘陵地帯で、結局はそれ以上大きな都は作られませんでした。 さて、僕は奈良市西部に住んでいて、ここは8世紀の地図に当てはめると、 平城京の西の果ての更に西の、そのちょっとした丘陵地帯に相当します。 こういった坂が多い土地で気軽に乗るにはママチャリではちょっときつくて、 疲れやすくてすぐに乗らなくなってしまうのは目に見えています。 従って、手に入れるべきは、車体が軽くて、ペダルに力を伝えやすい形の自転車ということになります。

そんなわけで安いシティバイク、あるいはMTBを探していたのですが、 相対的に安い自転車であっても新車では高いのです。 と、モノの本を読んでみると、「シティバイク」というとママチャリのことになる (場合がある?)ようで、僕の想像に近いのは「クロスバイク」と呼ぶようです。 自転車の分類は複雑怪奇で実はよく理解できていません。 それはさておき、 本格的な趣味にするのであれば高い金を出しても良いわけですが、 素人が気楽に遊べる程度の自転車が欲しいだけなので出す金は惜しみます。 軽い気持ちで楽器を始めようと思った人がいきなり20万円のトランペットは買わないでしょう (トランペットは管楽器の中では最も低い価格帯に位置するのですが、 それでもちゃんとした楽器を買おうとすると20万円弱が最低ラインになります)。 僕にとっての自転車はそういう、素人が軽い気持ちで始めたい趣味くらいの位置にあります。

結局、30歳平社員一児の父の小遣いで買える範囲となると中古自転車しか残っていません。 しかし、中古自転車屋ではママチャリだけが山のようにあるのがふつうです。 中古MTBも多少はあるのですが、品質の割に安いので人気が高いらしく、 見に行ったときは残念ながら在庫が切れていました。

丁度そんなとき、たまたま長兄と話をしているときに話題が自転車になり、 その長兄の家に自転車が一台浮いているからあげるよという話になりました。 まさにとんとん拍子です。なんでも知人からもらったとかなんとか。 MTBではなくて、いわゆるサイクリング車というやつです。 ドロップハンドルでサドルが高くて、車輪がワンタッチで外せるというやつです。 当然車体は軽くてペダルに力を伝えやすい、条件に合う自転車ということになります。 早速いただいてきました。 アスリートであればそのまま乗って帰るところですが、 さすがに生駒山を越える気にはならなかったので車に載せました。 車輪を外せるので、シルビアにもちゃんと積めるというのが便利なところです。 ただし後部座席に詰め込めたのはチャイルドシートを外してあったからですけど。

乗る準備をする

ただ、この自転車は動くための必要最小限のパーツしかついていない上、 こちらは自転車は久しく所有していなかったため、本格的に乗るまでにいくつか買うものがあります。 また、近所にまだ自転車屋を見つけられていないため、 パーツは遠くのホームセンターへ買いに行かなければならず、時間がかかってしまいました。 やったこととしては

くらいがあります。 これから買わなきゃいけないものも徐々に分かってきて、 これもリストに出来ます。 なんだかんだで結局金がかかるのですが、それでも車体を買うよりは安く上がるってことで。

それより、近所に自転車屋を見つけるのが先のような気もしますが、 それは電話帳でぼちぼち探す予定です。


自転車に乗る(一応「日記」らしいものも1日分だけ付けておこう)

2003年10月17日

普段自動車で通っている会社へ自転車で行くことにしました。 前の方で書いた通り坂道が多い土地で、しかも会社まで丘をいくつか越えなければならないので、 自動車で20分の道のりですが、自転車だと1時間はかかるかも知れないと読んでいました。 一応、国土地理院の地形図で等高線を調べて坂の少ないコースを探したものの、 それでも必ず越えなければならないきつめの坂が残されました。 なので覚悟していたのですが、意外にも35分で到着してしまいました。 乗った感覚としてはあまりスピードが出ているような気はしないのですが、結構速いようです。 きつめの坂も楽に登れます。おそるべしサイクリング自転車。

帰路はすっかり日が暮れていて、一部真っ暗な道を通らなければならなかったのですが、 ライトの明るさが足りないということに気づきました。 暗いライトでは、サイクリング自転車の速さには全然追いつきません。 もちっと奮発して明るいライトを入手しないといけないようです。

その後の整備については、整備記録にまとめることにした。


Kaname Funakoshi [home | 自転車整備記録] [mail: kf @ pobox.com]