回戦 |
対戦日 |
対戦カード |
コメント |
1回戦 |
第1日 |
第1試合 |
明徳義塾 | 6−5 | 桐生第一 |
明徳の圧勝かと思われたが,序盤リードを奪ったのは桐生第一.あわやという展開だったものの,最後は明徳が底力を発揮して追いつき,ミスを誘ってサヨナラ勝ち. |
第2試合 |
愛工大名電 | 2−7 | 日南学園 |
日南が持ち前の打力で圧倒するかと思われたが,名電の投手リレーの前に沈黙.しかし最終回,驚異的な集中打で一挙6点を挙げ逆転勝利. |
第3試合 |
九州学院 | 9−10 | 平塚学園 |
打撃戦になることは予想できたが,まさにノーガードの打ち合い.九学が主砲吉本の2発などで終始リードを奪うも,平学が最終回に怒濤の反撃で遂に逆転.並の初出場校ではないところを見せつけた. |
第2日 |
第1試合 |
京都成章 | 10−7 | 仙台 |
投手力がカギの一戦は,仙台育英・東北という甲子園常連校を破ってきた仙台に分があると予想.しかし,取りつ取られつの展開から先に抜け出したのは京都成章.終盤にやや乱れたものの中盤までのリードを守りきって甲子園初白星. |
第3日 |
第1試合 |
専大北上 | 5−10 | 如水館 |
実力的には似通っておりシーソーゲームが予想された.2日目は同点のまま降雨のため再試合となったが,3日目も中盤までは前日とほぼ同じ展開.しかしさすがは広島商を振り切って代表を決めただけあって,終盤如水館が相手のミスを突いて一気に勝負を決めた. |
第2試合 |
敦賀気比 | 0−5 | 桜美林 |
近年,全国でも指折りの強豪にのし上がってきた敦賀気比の勝利を信じて疑わなかった.大会前に監督交代でゴタゴタがあったものの,それを乗り越えて地区大会を優勝してきた精神力を買ったのだ.ところが試合は桜美林ペース.敦賀気比もヒットは出るが得点に結びつかず,結局今大会最初の完封負けを喫した. |
第3試合 |
滝川西 | 2−6 | 智弁学園 |
実力的には明らかに智弁が上.それに滝川西がどれだけ食い下がるか,がポイントだった.滝川西は先手必勝とばかりに先制するが,智弁はその裏すぐに逆転.結局取られた点を即2倍,3倍にして取り返した智弁が勝利を挙げた. |
第4日 |
第1試合 |
関大一 | 4−2 | 日本航空 |
春の代表校同士の対戦だが,好投手久保を擁して春準優勝の関大一が優位なのは間違いない.日本航空が先制したものの,すぐさま追いつき追い越した関大一は,久保の力投でその後を1失点に抑え,その実力をアピールした. |
第2試合 |
市船橋 | 3−12 | 尽誠学園 |
打力に勝る尽誠が打ち勝つと予想.中盤までは1点を争う好ゲームだったが,終盤に尽誠は相手のミスにつけ込んで大量点を挙げ,そのまま逃げ切った. |
第3試合 |
報徳学園 | 4−8 | 富山商 |
春は初戦で横浜に屈した報徳.その雪辱を期した初戦は,しばらく校歌を聞いていない富山商との対戦.勝利はほぼ間違いないかと思われたが,終盤のピンチにまさかの逆転満塁ホームランを浴び,春に続いての初戦敗退となってしまった. |
第5日 |
第1試合 |
滑川 | 7−6 | 境 |
実力伯仲(?)した両チームの対戦は接戦が予想された.滑川は序盤,相手のミスもあって一気に4点を奪うが,境も徐々に追い上げ7回に同点に追いつく.延長かと思われた9回,滑川は本塁打で勝ち越し,最後はトルネード・久保田が締めた. |
第2試合 |
智弁和歌山 | 5−2 | 掛川西 |
ディフェンディングチャンピオンながらどうも迫力に欠ける智弁和歌山だが,地方予選で苦しい戦いをして成長したかどうかが見どころだった.中盤までは投手戦だったが,6・7回に2点ずつを加えて引き離す.掛川西も終盤2点を返して粘りを見せたが,追いつくまでには至らなかった. |
第3試合 |
岐阜三田 | 1−0 | 徳島商 |
打線が湿りがちの徳商だが,経験を生かして貫禄勝ち,という予想を立てた.徳商先発の冨田は素晴らしい出来で,岐阜三田打線を6回まで無安打に抑えるピッチングだったが,7回に初安打を打たれたところで降板.ところが加島の代わり端を三塁打され,1点を失う.徳商打線の不振は深刻で,走者をホームに迎え入れることができず,市原の前に完封された.残念. |
第4試合 |
宇部商 | 5−2 | 日大東北 |
なかなか勝てない日大東北,今回も初戦突破は難しいという予想.宇部商は先制されるも落ち着いて逆転,同点にされてもすぐ突き放し,左翼手の腕がグラウンドとフェンスの間に挟まっている間にランニングホームランを記録するなど着実に追加点をあげて勝利をものにした. |
第6日 |
第1試合 |
豊田大谷 | 6−4 | 東福岡 |
1回戦屈指の好カードだが,春優勝の横浜を苦しめた実績のある東福岡が地力で勝ると予想.しかし豊田大谷のエース・上田(かんだ)の絶妙な牽制でチャンスを潰し,逆に古木のタイムリーなどで6点を奪われる.終盤4点を返して意地を見せたが,主将でもある正捕手が抜けた穴は大きく初戦敗退.豊田大谷は今後期待大. |
第2試合 |
柳ヶ浦 | 1−6 | 横浜 |
東神奈川の予選を見ていると全く負ける気がしない横浜.エース・松坂はあまり調子が良くなかったが,それでも柳ヶ浦をエラー絡みの1点に抑えるピッチング.終盤に集中打で突き放し,春夏連覇に向けてまずまずのスタートを切った. |
第3試合 |
八戸工大一 | 0−4 | 鹿児島実 |
鹿実絶対有利の下馬評に反せず,エース・杉内が快投.八戸工大一の打者のバットが面白いように空を切り,16奪三振で何と11年ぶりのノーヒットノーラン. |
第4試合 |
東洋大姫路 | 1−7 | 海星 |
エンゼルス・長谷川の遠い親戚という東洋大姫路・長谷川の踏ん張りに期待したのだが,海星打線が本塁打を連発.エース・岡本の好投もあって圧勝した. |
第7日 |
第1試合 |
星稜 | 10−1 | 日大山形 |
総合力で勝る星稜が序盤から着実に加点し,日大山形を初回の1点のみに抑えて実力の違いを見せつけた. |
第2試合 |
駒大岩見沢 | 4−5 | 岡山城東 |
個人的に好きな岡山城東を応援.ヒグマ打線を誇る駒大岩見沢だったが,主砲・北村は不発.突き放されたかに見えた最終回,土壇場の2ランなどで1点差まで追いつめたものの,あと一歩及ばず. |
第3試合 |
PL学園 | 6−2 | 八千代松陰 |
甲子園出場55校の中で最低打率(.196)ながら,エース・多田野の力投と堅実な守備が魅力の八千代松陰.一時は2点をリードしたが,西の横綱・PLを抑えこむことはできず逆転負け.PLは新任の河野監督が甲子園初勝利をあげた. |
第4試合 |
佐久長聖 | 2−3 | 佐賀学園 |
実力拮抗の両校の対戦だったが,「長聖」をつけてから甲子園では勝てない佐久がやっぱり延長11回に力尽きた. |
第8日 |
第1試合 |
沖縄水産 | 4−5 | 埼玉栄 |
春は初戦でサックリ負けて筆者の評判ガタ落ちの沖水,初戦の相手は埼玉栄.春夏通じて初出場ながら,激戦区の東埼玉を勝ち抜いてきただけに侮れない.試合は沖水が先制したが,裏に埼玉栄が3点を奪って逆転.沖水は5回に再逆転すると新垣を投入して盤石の体制.しかし7回,埼玉栄は2年で4番の大島が逆転2ランを放ち,シーソーゲームにけりをつけた. |
2回戦 |
第2試合 |
帝京 | 4−1 | 長崎日大 |
強力なライバル不在のこのゾーン,やはり一歩抜きん出ているのは帝京と見た.長崎日大の堅守に阻まれてヒットすら出なかった帝京だが,底力を見せて少ないチャンスをものにしながら徐々に加点し,終盤の反撃を1点に抑えて辛くも勝利. |
第3試合 |
浜田 | 5−2 | 新発田農 |
春は評判倒れだった新発田農と,昨夏あまりにも見事な逆転負けを喫した浜田.捲土重来を期す両校の対戦は,エース・和田の成長著しい浜田優勢.相手のミスもあって2回に逆転すると,追加点を挙げるなどして逃げ切った. |
第4試合 |
常総学院 | 10−3 | 近江 |
なかなか勝てない滋賀県勢,今回も道のりは険しい.走者を確実に得点へ結びつける常総と,ヒットは出るがなかなかホームに返せない近江.その差は序盤からはっきりと形になって現れ,常総が大差で完勝した. |
第9日 |
第1試合 |
宇和島東 | 5−4 | 佐野日大 |
四国のチームはどうしても贔屓目に見てしまう.徳商が負けた今,それは特に強い.しかし相手はしぶとい野球が身上の佐野日大.宇和島東も油断はできない.試合は予想に反せず一進一退の攻防となったが,最後は宇和島東が力を出し切ってサヨナラ勝ち. |
第2試合 |
金足農 | 2−7 | 明徳義塾 |
待ちも待ったり9日目,ようやく最後の代表校・金足農が姿を現す.しかし相手は優勝候補の明徳義塾.明徳打線は相変わらず好調,投げても甲子園初先発の高橋が好投して快勝.金足農は「最後に残った学校は勝てない」ジンクスを破ることはできなかった. |
第3試合 |
日南学園 | 11−9 | 平塚学園 |
初戦,ともに9回に逆転劇を見せた両チーム.初出場ながら不気味な存在感を示す平塚に分があると予想.ところが日南は序盤に7点のリードを奪い,6回にも2点を追加して9点差.もうダメかと思われた7回,平塚は遅ればせながら打線に火がつき,一挙7点.九州学院戦を彷彿させる試合展開にスタンドも大いに湧いたが,日南が継投でなんとか凌いで逃げ切る.破れはしたものの,平塚の驚異的な粘りはお見事. |
第10日 |
第1試合 |
京都成章 | 5−3 | 如水館 |
接戦が予想されたが,まさにその通りの1点を争う攻防.結局,こつこつとバントで走者を進めてタイムリー,という地道な野球を見せた京都成章が,毎回の12奪三振という古岡の好投もあって如水館を振り切って3回戦進出. |
第2試合 |
桜美林 | 4−3 | 智弁学園 |
どちらかといえば打撃戦になるかと思われたゲームだったが,両チームともなかなか相手に点を与えない投手戦.智弁は2点ビハインドで迎えた9回表,疲れが見えた相手投手から3連打で鮮やかな逆転.その裏,走者を2塁に背負いながらも2死までこぎつけたが,桜美林もしぶとく同点に.そして内野安打の間に2塁走者が一気に本塁を突き,見事なサヨナラ劇を演じた. |
第3試合 |
関大一 | 4−3 | 尽誠学園 |
実力校同士の対戦で,またも接戦が予想されたが,この試合もその期待に違わない.先制したのは関大一だったが,終盤尽誠が追いつき,9回に逆転.しかしその裏関大一はスクイズで同点に追いつくと,延長10回にまたしてもスクイズ.森本が必死にバックホームしたもののボールがグラブにおさまっておらず,この日2試合連続のサヨナラゲームとなった. |
第4試合 |
富山商 | 3−5 | 滑川 |
初戦で強豪・報徳を破った富商が勢いを駆って勝利をモノにすると予想.しかし初回,エラーなどで先制される.4回に一度逆転したが,6回にまたしても守備の乱れで再逆転される.結局,自分たちの野球ができた滑川が,最後はトルネード・久保田で締めくくった.今日の4試合はいずれも1〜2点差と,締まった好ゲームが多い1日だった. |
第11日 |
第1試合 |
智弁和歌山 | 6−2 | 岐阜三田 |
いまひとつ強さが感じられない智弁和歌山だが,なぜか徳商に勝ってしまった岐阜三田は敵ではない,と予想.試合は,初戦であれだけ好ゲームを展開した岐阜三田の守備陣が乱れに乱れ,序盤で点差を広げられる.その後2点を返したが,智弁のエース・児玉の前に5安打.最終回に見せ場をつくったものの得点できず,甲子園2勝目はならなかった. |
第2試合 |
宇部商 | 2−3 | 豊田大谷 |
このブロックは「東福岡−豊田大谷」の勝者が制する,という予想があったので,接戦ながら豊田大谷有利と見た.9回まで2-1と宇部商がリードしていたが,豊田大谷も粘って同点に.その後は両チームともチャンスをつかむが得点できず,延長15回へ.その裏,豊田大谷は無死満塁の絶好のチャンス.ここで宇部商エースの藤田が,セットポジションを途中でやめるというわかりやすすぎるボークを犯してしまい,大熱戦もあっけなく幕を閉じた. |
第3試合 |
横浜 | 6−0 | 鹿児島実 |
2回戦屈指の好カード.初戦無安打無得点を達成した杉内と,春の優勝投手・松坂との投げ合いが予想された.試合は期待通りの投手戦.均衡が破れたのは6回,横浜は無安打ながら四球と小技で1点をもぎとる.そして8回,それまで打ちあぐねていた杉内をとらえ,本塁打などで一気に5点を奪って試合を決めた.松坂は完璧な内容で鹿実打線に付け入る隙を与えなかった. |
第12日 |
第1試合 |
海星 | 6−7 | 星稜 |
先制した海星を,星稜が本塁打で一気に逆転,さらに追加点をあげて楽勝かと思われたが,粘る海星は8回に怒濤の反撃を見せて1点差に詰め寄る.しかしながら星稜もそれ以上は得点を許さず,苦しみながらも3回戦へコマを進めた. |
第2試合 |
岡山城東 | 1−2 | PL学園 |
一昨年の春の印象が強い岡山城東.今回も県大会をノーシードから勝ち上がるなど旋風を起こす予感はあったが,打倒横浜に燃えるPLの前に惜しくも届かず,と予想.まさにその通りの展開となった.PLは先制したものの追加点が奪えず,7回には同点に追いつかれる.城東の継投の前に得点できないまま延長戦か,と思われた9回,三垣が一発を放って勝負を決した.敗れた岡山城東も見事な戦いぶりだった. |
第3試合 |
佐賀学園 | 4−2 | 埼玉栄 |
沖水を破って自信をつけた埼玉栄が,打撃戦を制すると予想.しかし序盤にミスもあってリードを奪われる.打線が火を吹かないまま,それでもなんとか追いつこうとするが,終盤に追加点を奪われ佐賀学園の前に屈した. |
3回戦 |
第13日 |
第1試合 |
常総学院 | 4−2 | 宇和島東 |
実力的には五分か常総がやや有利と見たが,徳商が敗れた今四国勢を応援するのは人情というもの.しかし勝負はそれほど甘くなく,大技小技で着実に加点する常総に対して宇和島東はミスを重ね,一度もリードを奪うことなく敗れ去った.常総はベスト8一番乗り. |
第2試合 |
明徳義塾 | 5−2 | 日南学園 |
四国最後の砦・明徳.エース寺本が徳島出身ということもありいくらか身贔屓があるが,実力的に見ても明徳が上回ると予想.途中経過は全然知らないのだが,明徳が寺本の本塁打などで着実に加点,最終回日南の反撃を1点に食い止め,夏は意外にも初めての準々決勝進出. |
第3試合 |
京都成章 | 5−1 | 桜美林 |
初戦完封,2戦目サヨナラ勝ちの桜美林が,粘って21年ぶりの8強入りと予想.初回,ノーヒットながら先制し波に乗るかと思われたが,京都成章・古岡の前にたったの1安打で,終わってみれば1-5.京都成章はセンバツ初戦で大敗したチームとは思えない活躍である.今大会一のダークホースか. |
第4試合 |
関大一 | 12−1 | 滑川 |
のびのび野球の滑川に,春準優勝の関大一.初出場校同士とはいえ,どう考えても関大一が絶対有利.序盤から打線が爆発した関大一は,終盤に1点を失ったものの完勝.滑川は先発投手が早々に崩れ,継投がうまくいかず大量失点.しかしそのハツラツとした戦いぶりには,スタンドに詰めかけた地元応援団はもとより,関大一の大応援団からも暖かい拍手が贈られた. |
第14日 |
第1試合 |
智弁和歌山 | 6−7 | 豊田大谷 |
昨年の覇者も今年はそろそろ潮時か.古木を擁する豊田大谷に敗れると予想.序盤から中盤にかけて智弁は豊田大谷のエース・上田を攻め,一時は6-1と大量リード.しかし6回に1点を返した豊田大谷は,7回に主砲・古木の本塁打などで1点差に詰め寄る.そして9回,チャンスで打席に立った古木に送りバントをさせると,続く4番・前田が殊勲の逆転打.チームプレーに徹した豊田大谷が見事に試合をひっくり返し,ディフェンディングチャンピオンに引導を渡した. |
第2試合 |
横浜 | 5−0 | 星稜 |
これまでの戦いぶりを見ても,実力の差は歴然.試合前,星稜・山下監督は「完封されないのが目標」と語り,また松坂をビデオで研究して攻略法を練っていた.しかし「絶対振るな」と指示していた高めの速球をことごとく振らされてしまい,三振の山を築く.結局,横浜が投打に圧倒.松坂の怪物ぶりを誇示する引き立て役となってしまった. |
第3試合 |
PL学園 | 5−1 | 佐賀学園 |
西の横綱・PLが圧倒の予感.初回に早々と先制し,主砲・古畑の本塁打など序盤だけで4得点.投げてはエース・上重が5安打1失点で完投し,対戦が決まっている横浜に対して強烈なアピール. |
第4試合 |
帝京 | 2−3 | 浜田 |
個人的には去年可哀想な負け方をした浜田を応援したいが,勝つのは帝京と予想.浜田は相手のエラーなどで2点を先制,和田の好投もあって7回までリードを保つ.しかし8回,帝京の3番・森本の2ランで振り出しに.しかし帝京は集中力が続かず,その裏に押し出しで痛恨の1点を与える.最後は和田がピシャリと抑え,島根県勢久々のベスト8入りを果たした. |
準々決勝 |
第15日 |
第1試合 |
PL学園 | 7−9 | 横浜 |
こんな早い時期に実現するとは思わなかった,事実上の決勝戦ともいえる好カード.どちらが勝ってもおかしくないが,松坂は打たれる気がしなかったので横浜勝利と予想.試合は予想を遙かに上回る大熱戦となる.序盤,キャッチャーの動きからサインを見破られた松坂がウソみたいに打たれ,今大会初めてリードを許す.横浜も必死で追いすがるが,そのたびにPLに突き放される.しかし8回に再度同点に追いつくと,試合は延長へ.それまで劣勢だった横浜がペースをつかむが,なかなか得点には結びつかない.16回にはこの試合初めて勝ち越すが,PLが奇跡の粘りでまたも同点.まさに死力を尽くした戦いの末,延長17回に常盤の2ランで横浜が再び勝ち越し.最後は松坂が気力だけで投げ,250球目に最後の打者を三振に打ち取って歴史的名勝負に幕を閉じた.勝った瞬間の松坂は疲れ切った表情で喜びの色は無し.泣いている選手もいた.それとは逆に,上重をはじめ敗れたPLナインの笑顔が印象的だった.試合後の松坂のコメント「(明日は)自分は投げません」は話題を呼んだ. |
第2試合 |
関大一 | 2−11 | 明徳義塾 |
久保vs明徳打線が焦点.第1試合の影響で長く待たされたことが久保のピッチングにどう影響するか注目されたが,明徳はその立ち上がりに猛然と襲いかかって先制.関大一も負けじと取り返す.2回以降は比較的落ち着いた展開となったが,明徳は終盤に大差をつけて勝負を決めた.交代を打診する監督に「自分の責任だから最後まで投げる」と言って完投した久保投手,お疲れさま. |
第3試合 |
浜田 | 3−4 | 豊田大谷 |
1年で大きく成長した和田の前に,ブルドッグ打線がどう立ち向かうか.試合は初回に大きく動いた.浜田が先制したものの,その裏に豊田大谷は3点を取って逆転.しかし,そのまま終わるかと思われた9回2死から浜田は同点に追いつく.またも逆転勝ちかと思われたが,豊田大谷が10回に振り切ってサヨナラ勝ち. |
第4試合 |
京都成章 | 10−4 | 常総学院 |
さすがの古岡も,名将・木内監督率いる常総の緻密な野球の前には勝てないだろうと予想.しかし京都成章は初回に一挙4点を挙げ,その後も終始リードを保って大勝.こんなに打つとは思わなかった.京都成章は甲子園で成長していくタイプのようだ. |
準決勝 |
第16日 |
第1試合 |
明徳義塾 | 6−7 | 横浜 |
前日の試合で横浜の優勝を確信したが,松坂に代わって登板した袴塚・吉田両投手が明徳の強力打線に打ち込まれ,7回終わって0-6と苦しい展開.しかし8回に4点を挙げると,9回は松坂が意地の登板.これに刺激されたか,その裏の攻撃で一気に逆転してサヨナラ勝ち.勝利を確信していた明徳ナインは,負けが決まった瞬間選手全員がグラウンドに崩れ落ちた.エース・寺本は泣きじゃくりながら松坂に優勝を託した. |
第2試合 |
豊田大谷 | 1−6 | 京都成章 |
ここまで京都成章はすべて負けると予想して,ことごとく外しているが,ここまでくれば意地でも豊田大谷だ.しかし,好投する古岡の前に古木は4三振と完璧に封じ込まれ,ブルドッグ打線は完全に沈黙.京都成章が春の雪辱を果たして余りある決勝進出を決めた. |
決勝 |
第17日 |
第1試合 |
横浜 | 3−0 | 京都成章 |
2年連続決勝進出の京都勢だが,今年はもう横浜しかないだろう.連投に次ぐ連投で決して調子は良くない松坂だったが,回を追うごとに本来の投球を取り戻していき,被安打0のままあれよあれよという間に試合は進む.同じく連投の疲れが見える京都成章・古岡だったが,こちらもそう簡単には得点を許さない.しかし横浜は4回に本塁打で先取点を奪うと,5回と8回にはタイムリーでじわじわと差を広げ,3点差で9回を迎える.大記録を前にしても松坂は落ち着いたピッチングで,最後の打者を三振に斬ってとり,59年ぶりの決勝戦ノーヒットノーランを達成して優勝,史上5校目の春夏連覇を成し遂げた. |