第72回選抜高校野球大会・全試合結果

学校名は勝利校,学校名は敗退校

東海大相模が智弁和歌山を4-2で破り初優勝!

回戦 対戦日 対戦カード 結 果
1回戦 第1日
(3/25)
第1試合 国学院栃木 10-6 育英 防御率0.52のエース・橋本と,公式戦での1試合あたり失点数1.8を誇る育英だったが,先発・橋本が初回から崩れ3点を失ってしまう.国学院栃木は4回にも守備の乱れに乗じて3点を加えるなど,一方的な試合展開.中盤から後半にかけて育英も追いすがるが,あと1本が出ない.その後も着実に加点する国学院栃木は,大川−増茂のリレーで反撃をかわした
第2試合 九州学院 8-0 享栄 1・2回とも,九州学院が無死からの走者をバントや盗塁などで3塁に進め適時打で返すという優位な展開.4回,7回にもシングルヒットを重ねて1点ずつを追え,さらに8回には長打を含む4連打などで4点を追加.一方の享栄もほぼ毎回走者を出すが,得点には結びつかず.投打ががっちり噛み合った九学は先発全員安打,エース・反頭は要所を締め完封
第3試合 福島商 7-3 南陽工 3回裏,吉村の大会第1号2点本塁打で南陽工が先制.しかし福島商は4回表,満塁から犠飛と適時打ですぐさま同点に追いつくと,続く5回には内野安打と三塁打,犠飛で2点を奪い逆転.南陽工は6回裏,押し出しで1点差に詰め寄るが,福島商も7・8・9回と1点ずつを追加して逃げ切る
第2日
(3/26)
第1試合 橿原 4-8 北照 先制したのは橿原.3回にスクイズ,4回に押し出しでそれぞれ1点ずつを奪う.北照は5回,相手のエラーなどで同点に追いつき,7回表には逆転するが,その裏に今度は橿原が逆転.ところが9回表,北照は橿原のエース・梅景の乱調につけこみ,土壇場で再度同点とし,今大会初の延長戦へ.そして迎えた11回表,出場校中チーム打率1位の北照打線がついに爆発.2死3塁から4本の長短打を集めて4点を勝ち越す.橿原も最後の粘りを見せるが及ばず,逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームの幕が下りた
第2試合 広陵 3-2 竜ヶ崎一 第1試合とはうってかわって投手戦.初回に竜ヶ崎一が中国チャンプの広陵・川本の立ち上がりを攻めて2点を先制したが,それ以降は両チームとも無得点が続く.6回に広陵が反撃を見せるが,ここでは1点止まり.そして試合が動いたのは8回.広陵は2死1・3塁から峯吉・川本の連続タイムリーで逆転に成功.その裏,竜ヶ崎一も2死2・3塁のチャンスを掴むが,あと1本が出ず.締まった好ゲームだった
第3試合 東海大仰星 2-5 柳川 柳川は3回に松尾・長瀬の連続長打で先制し,東海大仰星の先発・和田を引きずり下ろすと,4回・5回にも代わった村井からタイムリーと2つのワイルドピッチなどで合計3点を奪う.東海大仰星は8回裏,1死2・3塁のチャンスに富沢が三塁打を放ち2点を返すが,柳川もすぐに1点を加え突き放す.終始主導権を握った九州王者・柳川が貫禄の勝利
第3日
(3/27)
第1試合 丸亀 8-20 智弁和歌山 1-1で迎えた2回表,智弁和歌山が三塁打を3本放つなど怒濤の攻めで一気に7点を奪う.3回以降にも着実に追加点をあげ,先発全員安打・全員打点を記録.丸亀は終盤,智弁の控え投手を攻略して8点を返したが,点差が余りにも開きすぎていた.両チーム合わせての安打数41,および智弁和歌山の安打数24は,ともに大会記録.
第2試合 高岡第一 0-2 国士舘 【予想】春の常連・国士舘が優勢か
【結果】高岡第一・嶋崎と国士舘・小島の,見応えのある投手戦.数少ないチャンスを確実にものにした国士舘が,小島の好投に支えられて完封勝利.
第3試合 東海大相模 6x-5 今治西 【予想】地区優勝校同士の対戦は,関東を圧倒的強さで制した東海大相模がものに
【結果】中盤までは東海大相模が圧倒的優勢.そのまま逃げ切るかと思われたが,今治西が7回に5連打などで一気に同点に追いつき,試合は延長へ.10回裏,東海大相模は先頭打者が三塁打で出塁.そして次の打者への初球を,今治西・堀元がワイルドピッチ.あっけない幕切れで,関東王者の東海大相模が勝利
第4日
(3/28)
第1試合 秋田経法大付 1-4 東洋大姫路 【予想】近年振るわない両校だが,東洋大姫路が面目躍如
【結果】東洋大姫路は2本の本塁打などで徐々に差を広げて逃げ切る
第2試合 佐賀商 5-1 創価 【予想】春の初勝利を目指す創価の前に佐賀商の壁.今年の九州校はレベルが高い
【結果】創価は打線が不発.佐賀商はチャンスに着実に加点するなど落ち着いた野球で勝利
第3試合 作新学院 5-3 愛産大三河 【予想】作新が古豪復活に手応えのある1勝
【結果】ヒヤヒヤながら作新が勝利
第5日
(3/29)
第1試合 上宮太子 3-9 明徳義塾 【予想】ある意味では大阪勢同士の対戦.もろさの見え隠れする明徳に上宮太子がつけこんで逆転勝ち
【結果】上宮太子の粗さが目立ち,結果的には大差で明徳の勝利
第2試合 四日市工 14-1 戸畑 【予想】実力で上回る四日市工が貫禄の勝利
【結果】予想通り,四日市工が圧勝
第3試合 鳥羽 7-2 埼玉栄 【予想】毎回書いてるけど,埼玉の初出場校は並じゃない
【結果】鳥羽が初回に勝負を決めた
第6日
(3/30)
第1試合 長野商 6-5 岩国 【予想】接戦だが投手力の差で長野商か
【結果】長野商は先発・内田が初回に大乱調.5つの四球で2点を失うが,2回に岩国の守りのミスなどで1点を返すと,3回には三塁打などで2点を加えて逆転.7回・9回にも追加点をあげる.岩国も9回裏の土壇場で2点差を追いつき粘りを見せたが,10回に長野商が1点を勝ち越して逃げ切った.
2回戦 第2試合 国学院栃木 6-5 九州学院 【予想】国学院栃木打線が九学・反頭を攻略できず
【結果】国学院栃木が先制し,終盤までリードを保っていたが,九州学院が8回に逆転.そのまま逃げ切るかと思われたが,9回表に国学院栃木は敵失とラッキーなヒットなどでチャンスを掴み,後続がそれを確実にものにして再逆転
第3試合 福島商 4-3 北照 【予想】初戦を逆転で勝ち抜いた北国チーム同士の対戦は,持ち前の集中打で北照
【結果】中盤,北照が逆転し8回まで2点のリード.制球難に苦しんでいた北照・飯島をなかなかとらえられなかった福島商だが,9回に満塁のチャンスで藤川が逆転の三塁打
第7日
(3/31)
第1試合 広陵 0-3 柳川 【予想】中国チャンプと九州チャンプのぶつかり合いは大熱戦が予想されるが,柳川がワンチャンスをものにする
【結果】両チームとも,前半から再三チャンスを掴むが得点に結びつかず.均衡が破れたのは7回.柳川は胡子の2点三塁打などで3点を先制すると,香月良太が苦しみながらも最後まで投げきって辛勝
第2試合 智弁和歌山 9-6 国士舘 【結果】国士舘は初回に3点を先制し,7回にも追加点をあげる.しかし初戦で20得点の智弁打線が8回に爆発.1点を返してさらに2死満塁の場面で,池辺が放った打球が一塁ベースに当たるタイムリーヒットに.これで同点としたあとは,4本の長短打でさらに4点を追加し,この回一挙8点.国士舘はその裏に2点を返したが,届かなかった
第3試合 東海大相模 3-2 東洋大姫路 【結果】東海大相模は初回に今森の2点本塁打で先制.5回にはスクイズで追加点.東洋大姫路は4回と8回に1点ずつを返したが,東海大相模の築川の前に13三振.山脇もよく投げたが,一歩及ばなかった
第8日
(4/1)
第1試合 佐賀商 1-8 作新学院 【結果】佐賀商は本塁打で1点を先攻するが,2回に作新は2本のタイムリーで逆転した後,亀倉が満塁本塁打.終盤にもだめ押し点をあげ,投げては佐藤が佐賀商打線を2回以降封じて勝利をものにした.
第2試合 明徳義塾 8-7 四日市工 【結果】先制したのは明徳だが,四日市工はすぐに逆転.すると明徳も4回に押し出しや走者一掃三塁打などで逆転.四日市工は5回に同点とするが,その裏に明徳が再度勝ち越し.取られたら取り返す,一進一退の攻防を制したのは,明徳義塾だった.
第3試合 鳥羽 8-6 長野商 【結果】1点を先制された長野商は,1回裏に4番・室川が逆転2ランを放つ.鳥羽は3回に3点をあげ逆転に成功するが,4回に長野商もタイムリーで同点としたのち,暴投で逆転.ところが鳥羽は5回に同点に追いつくと,6回に満塁から近沢が2点タイムリー.第2試合同様の打撃戦となった試合は,鳥羽が制した
準々決勝 第9日
(4/2)
第1試合 国学院栃木 3-1 福島商 国学院栃木は初回から連続二塁打などで先制しペースを掴むと,5回にも追加点をあげて福島商を追いつめた.エース・増茂も好投し,9回の1失点のみに食い止めた国学院栃木がベスト4一番乗りを果たした.
第2試合 柳川 0-1 智弁和歌山 力の入る投手戦.柳川・香月良太はこの日も14奪三振の好投を見せたが,打線は再三のチャンスを得点に結びつけることができない.一方の智弁和歌山は,白野が力投.制球難に苦しみながらも無失点に抑える.結局,3回に1点を奪った智弁和歌山がその得点を守りきった.
第3試合 東海大相模 9-3 作新学院 東海大相模打線はこの日も活発.地方大会で圧勝しているという強みもあってか,伸び伸びとした打撃で得点を重ねる.作新学院は東海大相模のエース・築川から長短8安打で3点を奪ったが,3つのエラーが出るなど守りの面でもミスが目立ち,リベンジを果たすことはできなかった.
第4試合 明徳義塾 5-12 鳥羽 鳥羽の打線が火を噴いた.2-4とリードされた3回裏に5安打を集中して4点を奪い逆転すると,7回には一挙5点をあげて突き放した.明徳義塾も連続三塁打や本塁打など長打力を発揮して得点を重ねたが,終盤は鳥羽の谷口に抑えこまれた.
準決勝 第10日
(4/3)
第1試合 国学院栃木 2-10 智弁和歌山 智弁和歌山が序盤から得点を重ね,国学院栃木を寄せつけなかった.初回,国学院栃木の先発・大川の制球難につけこんで満塁とすると,5番大川が走者一掃の三塁打.2回にも1点を追加し,早々と差をつけると,6回には連打で,8回には本塁打などで3点ずつをあげ,試合を決めた.国学院栃木は打線がつながらず,2番手で踏ん張った小森谷を援護できなかった.智弁和歌山は準優勝した68回大会以来3度目の決勝進出となった.
第2試合 東海大相模 11-1 鳥羽 東海大相模は,連投で疲れの見える鳥羽・谷口を3回にKOすると,2番手の平野にも襲いかかり,4回・6回の2イニングで9得点をあげるなどして圧勝した.鳥羽はパスボールやワイルドピッチなどバッテリーミスが相次ぎ,大量点を許した.東海大相模の築川は連投ながら7回を1失点に抑える好投.打線は相変わらず好調で,4試合連続となる2けた安打を放った.東海大相模も準優勝した64回大会以来,8年ぶり3度目の決勝進出.
決勝 第11日
(4/4)
第1試合 智弁和歌山 2-4 東海大相模 秋の関東大会優勝の東海大相模と,近畿大会ではベスト8にも残れなかった智弁和歌山の決勝戦.東海大相模は初回,4番・今森のタイムリーで1点を先制する.智弁和歌山もすぐに同点に追いつくが,その裏,東海大相模はまた1点を取って勝ち越す.その後は無得点が続いたが,6回表に智弁が7番・井口のタイムリーで再び同点に.しかし8回裏,東海大相模は6番・楢原のタイムリーで1点を勝ち越し,さらに敵失で1点を追加.智弁和歌山も最後の最後まで粘って見せ場を作ったが,築川の奮投の前に力尽きた.両チームとも随所に好守が見られ,決勝戦にふさわしい締まったゲーム展開だった.東海大相模はセンバツ初優勝.


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