用語1
高層湿原
間違えて使われることが多い言葉で、「高所にある湿原」と誤って使われますが、そうではなく、「ミズゴケの層が厚い湿原」との意味なのです。
つまり高層ビルの「高層」と同じで、水面から高くなっている状態を示し、高地にあるから高層ビルではなく、低地にあっても高層ビルと同様で、北海道などでは低地でも高層湿原はあります。
ただ厄介なのは、本州では、低層湿原は低地にも高地にもあるのですが、高層湿原は高地にしかないのです。その理由は、高地・寒冷地(北海道など)では植物が枯れても低温と酸素不足で腐らず、泥炭となって積み重なっていき、どんどん酸性度が高くなるので、酸性が好きなミズゴケが上を覆い、年月が経つに従ってミズゴケ層が厚くなり、水はミズゴケの下を通るようになって高層化します。
高層湿原の中を通る水は、山から流れてきた水ではなく、雨水が中心となり、酸性度が高く、栄養分がないため、そこにはヒメシャクナゲ、キンコウカ、タテヤマリンドウ、ツルコケモモなどが多く生えています。
また、高層湿原の中を流れる川、高層湿原を源として流れ出た川は、栄養分がないためにミズバショウは殆ど生えないであります。