リンク
尾瀬の花図鑑 尾瀬の花 尾瀬自然保護ネットワーク

通説の誤り・漏れ


1:ノメリ田代の位置の誤り

市販されているガイドブックの大半は、燧裏林道(御池駐車場〜三条ノ滝〜赤田代)にあるノメリ田代の位置を、御池から進んで、上田代(うわたしろ)−横田代ーノメリ田代ー西田代 としています。

横田代という名の湿原は鳩待通り(鳩待峠〜アヤメ平〜富士見峠)にもありますがそれとは別で、残雪期には迷いやすい個所で私もルートを見失った経験がありますから、正しい位置を記載します。

以前に私は、「ノメリ田代とは<つんのめる>ほどの急な傾斜湿原」と見聞きした経験があります。或るガイドブックに従って燧裏林道を歩いていて、疑問が湧いてきたのです。それは、御池から進んで右手に急激に傾斜している無名の湿原を通り過ぎて、やがて到着する横田代の標識を右手に見ながら通過し、右にカーブしながら先の湿原を通ると小さな樹林帯に入り、そこを下りながら進んだ先にある小さな湿原には、「西田代」との標識があるのです。

そのガイドブックが正しいとするなら、横田代の標識のある個所から尾瀬ヶ原側の先がノメリ田代ということになるのですが、

1:横田代との境がなく、同一の湿原が続いている個所を、別な湿原として命名するのはおかしい。
2:その横田代と続いている湿原は、緩やかな傾斜にすぎず、つんのめるような傾斜湿原とは思えない。
3:横田代手前の無名な傾斜湿原に名称がないのはおかしい。

と3つの納得できない点があり、帰宅後に国土地理院の地図を見てみました。すると確かにノメリ田代との文字は横田代の右上:北西にあり、そのまま鵜呑みにすると、ノメリ田代の方が御池から遠い位置となります。

長い間、「何かの間違い!」と思っていましたが確証がなく、時間が経過しましたが、2003年6月2日に現地を通過した時に驚きました。「ノメリ田代」との真新しい標識が、上田代と横田代との間の急激な傾斜湿原に据え付けられていたのです。それは私が直感していた通りでした。「現場百回」というように、国土地理院の地図を鵜呑みにするのではなく、現地を実際に歩くと、間違いに気づくのです。

従ってノメリ田代の位置は御池から進んで、上田代(うわたしろ)−横田代ーノメリ田代ー西田代 ではなく、正しくは、上田代ーノメリ田代ー横田代ー西田代なのです。逆方から進んだのですが、2004年10月17日に撮影したデジカメ画像に従って、時系列に現地の状況を記載します。
西田代、12:54通過 横田代、13:05通過 無名だった傾斜湿原、13:13通過 ノメリ田代、13:14 上田代、13:45到着
西田代〜横田代〜ノメリ田代〜上田代

サイトをサーチしてみると分かるのですが、この誤った「上田代(うわたしろ)−横田代ーノメリ田代ー西田代」を信じて、それに沿った記述をされている方が、大半です。やはり誤りは誤りとして正していきたいものです。