笹子峠,信州峠(1991/09)

 

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 甲州・笹子峠,信州峠

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 青春18切符が一枚余ったので,9月 7日 (土) 行って来ました.

元々, 信越線の上田から鳥居峠を越えて, 国道 144号を東進し, 大笹から鬼押し出しに

登り, 二度上げ峠を越えて, 高崎に下るつもりで,

目黒駅 4時33分発のいつもの山の手線に乗るべく,4時過ぎに家を出ました.

 

 最近, うちの隣のタイ大使館前で24時間制服警官が立哨しています. 夜中はパトカーの

中にいるみたいですが, 頭の下がることであります.

 

 裏口から,SPORTIFを引っ張り出して,FRONT BAGを装着していると, 巡査がこっちを

怪訝そうな顔で眺めています. 無視して出発.

 

駅の改札前で自転車をばらしていると,HEAD のLOCK NUTがはずれません. いつも

WRENCHを使わずにすましているので, HEAD WRENCH は持ってきていません.

これは参りました.FORK を抜かないことには,OSTRICHのこの輪行袋には入らないのです

軍手を嵌めてNUT を回そうとしますが, 所詮無理. どうも, 夏オフで山中湖の夜露に濡れ

HEADが錆びてしまったようです.

 始発は虚しく発車してしまい, 上田に 9時51分に着くことは不可能になってしまい

ました (特急『あさま』を使えば可能)

 

 殆どバラした自転車をまた組み上げ,ランドナーに乗換え,再び目黒駅へ.5分で

粗雑にバラシ,新宿方面の電車に乗り込みます.既に空は明るくなっています.

 

5時21分新宿発の高尾行き, 中央線・普通に乗ることができました.

MAPPLE 二輪車ツーリング篇をめくりながら, 笹子峠に行こうと決めます.

 

ところが,国立・立川間の線路上で電車は停まってしまいました.この朝早くから信号

待ちかな?と思っていると, 車掌がANNOUNCEしています.

 

 『上り電車が, 人身事故を起こしたため, 停車しています,...』

 

これで, 高尾 6時44分発の小淵沢行きにも乗れなくなってしまいました.

5分ほど停車した後, 徐行で通過しますが, 上り線に横たわった遺体をばっちり見て

しまいました. 下半身だけで何故か全裸でした. 臍の上辺りからはありません.

切断面からは, 白い紐状の物が飛び出しており, 出血は少ないようでした.

 

毎日数百万人の人を運んでいる首都圏の鉄道で事故が起こらないのは, 実に奇跡的な

ことではないか, と思い合掌しました.

 

 さて, 高尾で小淵沢行きは接続してくれず, 大月行きに乗ります. 3時半に起きた割り

には 7時だというのに, まだ高尾にいます.

 

大月でまた乗換, 笹子に 8時50分に到着. 笹子峠だけだと, 短すぎるので, 勝沼で

ワインを試飲し, 石和で温泉にでも漬かっていこうかな? などと考えました.

 

 笹子峠は全舗装, 1043メートルです. 途中, 『矢×の杉』というのが名所になっており,

いくつか看板も立っています. 旧道で, 茶屋の跡などもあるようでした.   9時50分

 

甲州街道も今は昔, バイクのTOURIST が二人通るだけです. あと, 東京電力の送電線の

工事の人たちぐらい.

 

 トンネルを越え, 甲府盆地へ下ります.

 笹子峠は, 車も少なく, 標高差も殆どないので, 新人のTRAININGには好適と思いました

国道20号に合流し,沿道で葡萄を売っているのを横目に, なだらかな下りを48 X 14 を

軽く回していきます. 塩山のバイパスを通り, 勝沼には寄らず, 石和温泉の看板で曲がり

ます. まだ11時です.

 

 風呂に漬かってゆっくりして帰ろうかな? と思い,駅へ行ってみると,NICE な接続で

13時18分に小海線の野辺山に行けることがわかりました. こうなると風呂どころではなく

信州峠か ,田口峠でも越えてやろうと, 早速輪行にかかります.

 

泥除けやクランクが鋭い日差しのため, 触れないほど熱くなっています. 人体の温度調

節機能の偉大さを実感しました. 水 1リットルあれば, 一日もつんですから, 素晴らしい

 急ぎ11時21分発にのり, 甲府・小淵沢乗換えで, 高低差1000 メートル をかせぎます.

小海線は清里に行く観光客で満員. 立つ人も10人くらいいます. 2 両編成ですから仕方

ありませんが.

 

清里で大半は下りてしまいました. 僕もここで下りて, 国道141 号をひたすら下る,

という事も考えたのですが, 清里の駅前で組立てるのが億劫だったので, 野辺山まで行き

ました.

 

この駅前にもけっこうな人だかりができています.COLORFUL なMTB のCOUPLEもいて

羨ましく思います. 僕は手を真っ黒にしながら, 百戦錬磨のランドナーを組上げます.

 

 国道をただ下るのも芸がないので,信州峠に行ってみることにします.   13 時40分

 

野辺山高原のキャベツ畑を横目に30kmでクランクを回さず巡航

信濃川上駅前のT字路に出ます. 原までは走りなれた道. 鎮守の森を抜けると

分岐はもうすぐです. 大弛, 三国, 信州・木賊とこの道はしばし通ります.

 

 勾配が緩い, 全舗装の道, 28 X 20 で上りきります.(換算 39 X 28,OR 42 X 30)

14時50分. バイクが 3台南側からやってきました.

 

 下りはほぼ快適. 黒森で鉱泉宿を覗いてみますが, 眺望が開けていないので, 風呂は辞退, 増富鉱泉・木賊峠には向かわず, 舗装路をそのまま下ります. 141 号に合流すると, 交通が激しいので, 塩川ダムを経由して, 茅ヶ岳広域農道を通ることにします.

ダムはROCK FILL 形式になるのでしょうか, まだ造成中で, もとの道に混じって工事用の道が縦横に走っており, 迷いこんでダムの底に行ってしまいそうでした.

実際, かなり低いところまで下りて, ダムサイトまで上りかえさねばなりません.

谷底には茅葺きの廃屋が一軒残っていました.

 

ダムサイトに登ると, 道は真新しい舗装になっており, 『増富ラジウムライン』なる

異名がつけられていました. 増富鉱泉を観光資源として, 売り出している模様です.

 

広域農道は1000メートル林道のようにFLATではありません. 街道練習には最適な,20 −30

メートルのUP DOWN の繰り返しでうんざりさせられます.

 沿道には茅ヶ岳(1700M)中腹に造成中のGOLF場も見えます.

しかし, 対岸の. 雲に半分隠れた甲斐駒ヶ岳を遠望すると,心臓の煽りも収まってきま

す.

 

 適当なところで,韮崎方面に下ります.予想通り 141号は往来が激しく, 神経を遣う道でした.

 

韮崎駅前にはNICHII(SUPER MARKET)があり, 葡萄でも買ってやろうかと, 地下の食品売場に下りてみます. 品種を問わなければ 1キロ \300 などというものもありました

(しかし, これば酸っぱかった). 1キロ \1200くらいになると, かなり甘く, 食べやすいようです.

 17時40分. 高架のPLAT FORM から鈍行列車に乗り込みます. 正面には霞がかった富士山が眺められます.

大月での乗換え, 事故のあった上り線を何事もなく通過し, 帰宅したのは, 9 時10分でした .今日は早起きしたので疲れました. ゆっくり休むとしましょう.

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