紀伊半島中央部TOUR(1991/10)(未完)

 

漸く昨年夏の岩手内陸TOURの記録を書き終えたので, 秋の紀伊半島内陸TOURの事について書こうと思います. だんだん記憶がごっちゃになってきますので, 行動メモを机の横において, それに沿って綴っていきたいと思っています.

今回の山域は,我々, 足弱なツーリスト にとって足応えのありすぎるコースだったともいえましょう.

1991年10月31日 (木) 新宿高速バスターミナルに私は現れた.。

夜行バスによる旅の始まりが最近多くなった。 JRの夜行列車が使いにくくなったことの裏返しでもあるのだが.

  相棒のSは既に今日現地入りしており, 大台ケ原の山荘に泊まっている, と、

でがけに電話があった. 無線でも通しているのが雑音の多かった. 山の上は寒いらしい.

 

  バスはほぼ満席で発車する. 11/2-4が 3連休になるためか? 私は11/1に休暇を

とって,4連休にしているのだが, ひさしぶりの山岳主体のTOURING だけに体がついて

いくかどうか不安だった。

 

 11/1 (金) : 曇り 後 晴れ

目覚めたのは大和の高原地帯を走っている時だった.まだ空は曇って明け

きっていない. バスは天理駅に寄る.けっこうここで降りる人がある.

  天理教の大きな建物が林立しており,異観だった.寺のような屋根なのだが,鉄筋の4,5階建てなのである.

 まだ朝6時くらいだとういうのに,多くの建物は点灯しており,通りでは「天理教」と背中に染めぬいた紺地の法被(はっぴ)をまとった人々が小走りに通り過ぎていく.宗教一色の町なのであろうか?

 

  駅前通りの商店などは よくある田舎町風の平屋建てが多く,天理教の建物と対照的だった.

  さて,バスは大和八木,御所などに停車して,殆どの乗客を降ろし,終点の五條バスセンターまで乗り通したのは私をはじめ数名だった.

  国道24号沿いである.8時過ぎに着いたが, 寒くて行動する気になれない.

のろのろと待合室で自転車を組み立てる. どうも空は晴れてくれる気配すらない.

  待合室の人々の口から発せられる言葉が異境に来てしまった事を感じさせるのだった。

 昨日のSの電話で,今日合流すべき宿・天川村・和田に至る道筋を考えたが決めか

ねていたのだった.

 

1)国道 168号をすんなり南下し, 新天辻峠をトンネルで越え坂本から新宮川を上る.

  簡単で短いが 新天辻峠は大学 1年の時の春合宿で越えているし,幹線国道なので敬遠

 

2)丹生川渓谷を遡り, 小南峠か笠木峠を越え, 天川村・川合から新宮川を下る。

なかなか静かでよさそうな道である.

 

というわけで, ちょっと道がわかりにくそうだったが2)案を採用してみることにした.。

 五條からちょっと国道 168号を下って, 古田川沿いに最短距離の十日市に抜けよう

 としたのだが, 北に逸れ, 五條緑水苑の方に向かってしまう. 南の方に進路修正する

 も, 栃原で樺の木峠の北側に出てしまい,途中, ダート のある桜峠などという

 柿畑に囲まれた小山を越して7,8 km回り道をしてしまった.

 

  十日市からは丹生川が流れているので分かりやすい. 何とも風情のある渓谷で紅葉

 の景勝地となっているが, 少し時期が早いようだった.

 

  黒木の辺りの森林公園で昼になり, ここで昼食とする. 今回は大袈裟にもPEAK-1を

持ってきているのでラーメンを作ってみる. 餅を入れただけの簡単な中華三昧である.

NHKラジオの「昼の憩い」が長閑に流れる. 園内で作業をしていた人達もベンチに掛けてランチジャーから弁当を取り出している.

 

  1時間ほど休憩した後, 再び走り出す. 38 X 20,23でペースは上がらない.

 じき国道 309号・丹生に着いてしまう. ここから笠木川に沿っただらだら登りとなる

 

  横着をして笠木トンネルの方を行くと, 旧峠の出口まで登らないと天川村に下り

 られないようになっているのだった.

 

  100メートル 足らずを登りかえし, 西吉野村・天川村境のトンネルを越えて川合へ下る.  川合の交差点で 3時にと待ち合わせたのだが, 鈴木が現れる気配はない.

 川向こうの小学校からヘリコプターが発進する. 何か事故でもあったのだろうか?

ここは平地が全くない所なのだ.

      

  Sは今日, 大台ケ原から下り, 伯母峰(オボモ)峠, 行者還(ギョウジャガエリ)林道・御手洗(ミタライ)峠経由で川合へ

 下ってくるはずである. 山の細道だから見逃すという事もあるまい.

 

  15分ほど待ってみるが, 一向に姿は見えない.沿道の酒屋でワンカップを買って

宿に向かうことにする.途中,新宮川の対岸に「天川温泉」なる大きな公衆浴場がある.

あいつが好きそうな所だが,今日は宿もあることだし,先を急ごうと通り過ぎてしまった. 

ところが やはり この温泉で沈澱していたのであった.

 

  私の方は3時半ころに宿に着いてしまった.向かいに小学校の分校とよろず屋がある以外には何もない所. 宿自体は古い民家をそのまま使ったもので,開放構造で寒々しいが趣きは充分.

 

  今日の泊まり客は道路工事関係の人々と我々だけのようだった.釣り客も時期になるとあるようであった.

 

  暖房はこたつだけなので二階の広い部屋の襖を締切り,こたつに首までもぐり込んで 虚ろな目でテレビを眺めて幸福感にひたっていた.

  昨年の秋,福井県・美山町で仕出し屋の二階に泊まった時とそっくりの状況だ.

 こういう民家を一軒欲しいと思う.

 

  女将がインスタントコーヒーを淹れてもってきてくれる.

 4時半過ぎにSが現れる.計画中は電話で話していただけだったが,想像通りの姿で来た.大体サイクリング装束というのは決まっているのだな.

 上はネルの山シャツ,下は使い古しのニッカーである.

 

  天川温泉で湯につかってきてしまったというので,私だけここの風呂を使わせてもらう.一人で入るには勿体ないほどの湯量だった.

  夕食は焼いた川魚等,期待通りだったが,「寒いので」と頼んだ銘々鍋の豚肉は あまり感心しなかった. また固形燃料が蒸発してしまっていて着火しなかったのは愛嬌か?

  燗酒2合でだいぶいい気分になってしまう. 9時には寝てしまった.

 いつもながらの旅の始まりで 安心できる……

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ここまでしか書いてないのか...

もう8年も前になるけど、このツアーで印象に残ってるのは高野龍神スカイラインの苦しい登りと、護摩ノ壇山の絶景だな。あと龍神温泉をちょっと下った、なんでもないドライブインに停まったら、松茸の土瓶蒸しが出てきて感動したなー。あの宿¥6,000だったと思う。

Sと一緒にこたつに潜り込んで映画「アマデウス」を最後まで見てましたね。

男2人の民宿の夜ってながいんですよね。しかし、それがまたよかったりして。

このツアーって、終着はどこだったんだろう? 熊野神宮まで出てきたのは、後年の5月のツアーだったと思うし。十津川を下って、田辺に抜けたんだったかなぁ?

思い出せない....

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