越後・庄内 朝日林道/鶴岡 致道博物館(1990/09)
〔越後・庄内 朝日林道・鶴岡市内観光〕
御無沙汰しております. 東京も朝晩はめっきり涼しくなってきました.
みなさま 如何お過ごしでしょうか? 先週は越後・庄内 朝日林道と,菩提寺のある
山形県・鶴岡市を訪ねてきました.
朝日林道は,ダートが50キロほども続き,走り応え充分.勾配もそんなにいやらしいところはありません.関東・阪神からの交通の便が悪いのが却って幸いして,車・バイクにも滅多に逢いませんでした.
8月31日(金)
新宿 23:00
JR高崎線・上越線・羽越本線 高崎まで普通運賃 ¥1850
以降 青春18きっぷ
9月1日(土) 晴れ 峠の下りで雷雨 山を降りたら また晴れ
村上 6:18
7:35
新潟交通バス ¥560 (約15キロ)
三面ダム下 8:20 (みおもて)
発電所付近で迷う
9:15
= = サイクリング開始 = =
『朝 日 林 道』(別名 朝日スーパーライン)新潟県側 37キロ
うちダート約20キロ
双子島森林公園 9:43 舗装のアップダウン続く
三面・大島分岐 10:35
猿田ダム 11:12
= = ダ ー ト 開 始 = = (なかなかいいダート,勾配緩い)
猿田川野営場 11:43 (バイク,車ともに2,3台あっただけ)
新潟県100景 「ブナの原生林」 (猿多し)
(水場多し)
10月中旬,紅葉のころがすばらしいらしいが,自転車で
来るのはどうか…… 日が短すぎるのでは 猿田のキャンプ場
で泊まる?
夜行の疲れと暑さのため,乗れなくなる.路肩でくたばる時間が長くなる.
自転車によりかかりながら,押す. おにぎり3ケ アクエリアス等
次第に空が暗くなり,雷鳴が轟く. キャリアの荷物にザックカバーをかける.
新潟/山形県境 14:40 朝日林道は昭和58年11月開通とのこと
(980Mくらい?)
峠に着いたのとほぼ同時に降り出す.峠の前後100Mくらいだけ舗装.
ダートの下りは怖い. 小転倒 1 砂利に手を突き,手のひらをすりむく.
グラブをしていて良かった. 頭は打たなかったもののヘルメットも欲しい.
轍にはまって,抜けられなかったのだ.
15:20 依然として,ダートの下りだが,雨が上がり,
涼しくなる.
枡形という地名が地図に出ているが,人家を認めず
西大鳥ダムは堰堤のような小ささだが,釣り人が
舟を浮かべていた.
すぐ,横に檻に入った熊がいた
16:05 舗装に出る.
高岡(鶴岡・大鳥池分岐) 鶴岡まで 34キロ, 大鳥池まで 23キロ
商店兼民宿兼ラーメン屋が2軒あり.
バイクの旅行者が4〜5人泊まっていた.
大鳥池は幻の怪魚『タキタロウ』で有名.
荒沢ダムに沿って走る.1キロほどのトンネル2本
鶴岡の庄内交通ターミナルから高岡まで小型バスが通う
鱒淵沢に沿って八久和ダムに向かう道も面白そう
荒沢から快適に下る.集落が現れる.
大針,小針,砂川,本郷, 大鳥川に沿って下る.
国道112号 落合 17:×× 山形街道・国道112号と合流.幹線道路のため
交通が激しい.
今日はばてたので,『六十里越』は次回にまわし,
鶴岡の湯田川温泉につかることにしよう.
国道112号・櫛引バイパスを行くと鶴岡市内に入って
しまうので,真北の県道を新山温泉に向かう.
新山温泉に外湯はなく,寂れて泊まるのに楽しくない.
鶴岡高専前 18:40 国道345号『湯田川街道』に出合う
とっぷり暮れて ハンガーノック
石川商店で菓子パン 3ケをファンタ ピーチで
流し込む.
明かりもない道を湯田川温泉に向かう.けっこう交通量 はある. この先,雷(いかづち)峠を越えて日本海の
あつみ温泉に出るのも面白い.
湯田川温泉 19:00 故・滝田ゆうがよく似合う 温泉街
今日のねぐらはいちばん奥まった高台の梅林公園のベンチ にしよう. 菓子パンのおかげで腹は落ち着いているので まず『正面湯』という外湯に漬かろう.(¥100)
船見商店か高橋商店で入浴券を買うと,電磁キーで
風呂の入り口を開けてくれる. 厳重な管理だが,
住民はどうしているのと思ったら,みんな同じキーを
持っているのだ.
湯船は2M四方くらいの小さなもので,旅館の多くが
露天風呂を備えているのに較べ,貧弱に思えた.
その上 この日は東北高校相撲選手権の各県チームが
分宿しており,浴衣がけやら,スポーツウエアで通りを
闊歩する彼らを見て,両国にでも来たような気分になった
荷物を一度 梅林公園に上げ,時間も早いので軽く食事でもしようかと街に降りてきた「多楽福食堂」でヒレカツ定食(¥900) ここはいつかの昼神温泉のミソカツでは
なかった. 米が美味かった.庄内米はコシヒカリか? 盛りがよくて,気持ち悪くなるほど多く,涙を流しながら食べ切った.
腹をさすりながら 梅林公園に戻る.周りが暗いので星がよく見える.蚊取線香を焚く石碑の多いところで,墓場みたいで薄気味悪い.眼下に旅館の2階の宴会を見下ろす.
ラジオの野球中継をかける. 凶漢も出ないだろうが,夜中に逢引にやってくる者どもがあるかもしれない. なるべく目立たないように,と思うが,梅の木の陰に隠れると却って人を驚かすかもしれない. 結局,逃げも隠れもせず,お堂の下の石のベンチにマットとシュラフを敷く.テントに入るには勿体ない星空だ.
11時半ころまで,シュラフに半身を潜らせ,焼酎をちびりちびりやりながら, 星の動きを眺めていた. 流れ星,人工衛星等を見つけて喜ぶ.瞼が重くなり寝入ってしまう
2日(日) 晴れ 5:10 散歩で梅林公園に上がって来た浴衣がけの人々の下駄の音で起こされる. 涼しい. シュラフの中が蒸れている. 目がなかなか開かない.
もう一寝入り.
6:20 ラジオ体操の音で起こされる. 梅林公園の広場でやるのではないが,
落ち着かない. 起き出し,ラーメン,コーヒーなどで朝食とする.(パイトーチ使用)
日差しが眩しい. 今日は六十里越を諦め,鶴岡市内の知人を訪ね,酒井藩の致道博物館でも見物して一日過ごそうと思っている.
木陰にマットとシュラフをずるずる引っ張っていき,また寝てしまう.30分毎くらいにまどろんだりしていたが,10時 いいかげん暑くなってくるまで公園でぐうたらしていた.
山を降りて,船見商店で,湯田川温泉饅頭と,アクエリアス お試しセール350CC
¥50 というのを買って,国道345号を鶴岡へ向かう.
元祖・人面魚煎餅も売っていた.
稲生町のO家を訪れる. 急な来訪にも係わらず,茶そばと自家製のなすと,こうなごの天麩羅,だだちゃ豆(枝豆の一種 こくがあって美味い),桃 などでもてなしてくれた. だだちゃ豆は東京でもたまに入手できるが,普通の枝豆の4倍くらいの価格である
祖母の家系の菩提寺である 正覚寺(しょうがくじ)に向かう.
途中,先祖の住まっていた三光町の家の跡を通るが,数百坪の土地が分割され,何軒もの家が建っていて往時の面影はない.
正覚寺の和尚は先代がなくなり,自転車屋あがりの人がおさまっている.自転車談義をひとしきり. 朝日林道を越えてきたことに驚いていた.
私の祖母の祖先は酒井家に仕えた 刀工(主に鍔(つば)を作っていた)だったというその作品は酒田の本間美術館に展示されている.私の名も歴代の祖先の一文字を貰ったものである.今回は酒田まで足を延ばすことができず残念である.
その代わりといっては何だが,酒井家十四万石の藩校「致道館」に由来する『致道博物館』を見学する. 鶴岡公園(=城址)内にある.
『致道博物館』
沿 革 :鶴岡市は江戸時代に城下町として発達した.致道博物館は鶴ケ岡城(現在
鶴岡公園)の三の丸にあたり,庄内藩の御用屋敷となっていた所である.
庄内藩は徳川四天王の一人,酒井忠次を祖とし,三代忠勝が元和八年(1622) 信州松代から14万石で移封となってから明治まで酒井氏が治めていた.
明治以後も酒井氏は鶴岡に留まり,昭和25年郷土文化向上のために旧藩校
致道館資料及び土地建物を寄付.財団法人・致道博物館として発足した.
致道の出典は論語にある.
所在地:山形県鶴岡市家中新町10繧P8
電 話:0235繧Q2繧P199 FAX 22−3531
開館時間:9〜5時(入館 4時30分まで)
休館日 :12/28〜1/1のみ
入館料 :一般 ¥520, 学生 ¥360
展示物 :h旧西田川郡役所:姉妹都市・鹿児島との関係資料を展示
※ 戊辰戦争時,酒井藩から「新徴組」が東京に派遣され,西郷を助けた
庄内では,酒井藩は官軍に対し,優勢を保っていたが,会津落城により
東北の戦局は決したという.
i庄内藩主御隠殿:書院造の建物と古庭園が美しい. 庭を眺めながら喫茶
できる(¥350)
旧藩主 酒井家に伝わる鎧甲,調度,庄内藩校「致道館」の資料を展示
j美術展覧会場
k民具の蔵
l重要有形民俗文化財収蔵庫
旧鶴岡警察署
m田麦俣の民家:江戸時代後期の三階屋,かぶと造 湯殿山麓の山村より移築 n酒井氏庭園 :鳥海山を借景とした築山林泉庭園
(以上 パンフレットより)
致道博物館に入ったのが3時半くらいだったが,瞬く間に閉館時間となってしまった.
見学で汗をかいたので,風呂に入ろう. 松の湯(¥280,洗髪料込み)
あとは ムーンライト号をまつだけ. 駅前に新しくできたジャスコとマリカを覗く
郷土史の本を買おうと思うがなし.致道博物館で「酒田の本間家」というのを売っていたのでそれを買えば良かった. 酒田と鶴岡は根本的に違うのだ.酒田は港湾都市だが,
鶴岡は酒井藩の本拠があった,政治・文化の中心なのだ.
結局ジャスコでハンバーグなど食べて,8時半に羽越線の客車に乗り込む.見事に誰も乗ってない列車でこわい.勝木(がつぎ)という駅名が変わってる.
村上 22:11
22:17 ムーンライトは,新潟県内の終列車として利用されている.
ムーンライト 新潟・長岡辺りでいっきに空く. あとは,グリーン車と同じ
新宿 5:10 ピッチの座席に横になっていくだけ.
2時間ほど仮眠することができ,出社する.
** 墓参りもできて なかなか意義深いツアーでした.
九月第二週は会津・大川林道,只見・本名津川林道に行くつもりでしたが
昨日の雨が今日も続くと踏んだのと,毎週の遠征の疲れとで,断念
朝寝坊して,これを書いています.
代わりに明日,甲斐・身延から駿河・清水に抜ける林道にでも行ってくるか?