田んぼと畑の幼稚園と小学校 
        
実習生の声 
2009年度
4月から1年間、トエック幼児フリースクールにて実習を重ねてきた木村朋美さん(25歳)。
茨城県の出身で、トエックに来るまでは鳥取の大学で森林について学んでいたとか。そこから環境教育に興味を持ち、キャンプのボランティアを何度か経験してきたそう。

−どうして実習先をトエックに?

 トエックのセミナーに参加して、衝撃を受けて・・・。「どんな気持ちにも×をつけない」「ありのままの自分、その子を認める」という考え方は、今まで経験したキャンプの方針やスタッフのあり方とは全く異なっていました。でも自分の中で腑に落ちるところがあって、もっと深く体験的に学びたいと思いました。
 それと、その中で自分の気持ちを救ってもらったことも大きくて。人がやさしい気持ちでつながることができるトエックの場をつくる側になりたいと思ったから。

―実習生をしてみてどうですか?

 日々、子どもたちの心の自由さとのびやかさを目の当たりにしています。そのことによって、「お互いを認めあうこと」「やさしさを与えあうこと」につながっているなぁと感じます。

―何か自分自身に変化がありましたか?

 「私」がどうしたいか、今どう思っているのかが問われ、試される日々・・・。スタッフ間でも、子どもとのやりとりでも、相手の気持ちを感じること、自分の気持ちを感じることが必要で、求められました。
 だから、自由な保育の中で「どうしたい?」と問われると、途方に暮れてしまう。今まで、他人の思いに従い、合わせることで自分を守ってきた。自分の気持ちが見えなくなったり、見ないようにしたりしてきたし、そんな自分に気づいたこと、が大きい…かな。
 
−あと残り1ヶ月、やり残していることは?

 もっとスムースに気持ちを言葉にしたい。それをすることに躊躇があって、どうするのがいいのか考えてしまう。感じたまま動けるようになりたい。
そして、自分の強みを活かせるところでもっと頑張りたいです。

−トエックの実習生の経験をどう活かしていきたい?

 他人の気持ちを聴き、自分の気持ちを伝えるコミュニケーションは、家庭でも職場でも、どんな環境でも大切なことだと思うので、いつも心がけていきたいです。

無認可の全日制小学校トエック自由な学校の門を叩いた南大樹くん(23歳)。大阪府の出身、教育大学在学中、猛勉強もむなしく、教員採用試験不合格。そのタイミングにインターン先NPO発信の実習生募集の情報に直感的に飛びつき、今日に至るという。

−接点のないトエックによく飛び込んだよね。

 トエックの実習生募集情報に書かれていた「自然の中で自分になる」「自由な学校」「あなたはあなたでいい」などの言葉が、漠然としていた僕の理想を明確にしてくれてー。2度行った教育実習の経験から、やるべき事に追われ何かを見失ってるな、と思っていたんで・・・。
 その場ですぐ電話を入れて、次の日見学に(笑)。勢いあったなぁ。

 それと自分もずっと公教育で育ってきたので、公教育じゃない教育を知りたかった気持ちもあったんです。

−実習生をしてみてどうでしたか?

 「頭じゃなくて、もっと心をつかって!」1学期、スタッフに言われた言葉です。自分がどう感じているかをおきざりにして、頭でどうするかばかり考えて、動けない自分がいるスタートでした。「こうあるべき」「こう感じちゃいけない」とフィルターをたくさんかけて、自分の気持ちがみえなくなっていました。

−うん、それで?

 スタッフにたくさん心を聴いてもらうことを重ねて、自分の本当のところに少しは気づけるようになりました。なにか生きることに対して肩の力がぬけた感じがして、自分が人間らしくなったなって思います。

−「聴いてもらうこと」が何か重要みたいだね。

 そうなんです。気持ちをそのまま聴いてもらうことで、自分も救われた。人は自分の声と出会い、それによって、自分になっていくということを学びました。この経験を重ねて、今度は「僕」が「聴くこと」をしたい、と思って。
 実習中も話を聴くといいながら、問題解決のために頭の中で善悪のジャッジばかりで。
 子どもの気持ちの『でどころ』をそのまま聴く。今も模索中で、聴けずに悔しい思いをする日々ですが、自分の声を聴くことと、子どもの声を聴くこと、この両方はとても大切だし、簡単ではないと自覚しています。


−残りをどう過ごそうと思ってる?

 自分の主体性をもっと発揮したいです。子どもの主体性を大事にしたいから、と「子どものやりたいこと」にあわせることが多くて。その気持ちも必要なのですが、一緒に困ったり、迷ったりすることも含めて、プランをもったり「自分はこうしたい」ってやっていきたい。

−実習生の激務の中、大阪の教員試験受かったんだよね?

 4月から公立の小学校教員になります。カリキュラムもあるし、時間の枠もあるし、トエックとは全然ちがう環境。自分が選んだ道だし、制度を憂いていても仕方がないので、その中でどう自分でいれるかということを大事にしたいです。

−どう自分でいられるか・・・。

 疑問に感じること、自分にムリしてること・・・そこをおきざりにせずに、その気持ちを感じ、聴きながらやっていきたいです。あと、『与える』ことがたくさんある中で、常に『今ここで何がおきているか』の意識をもっていたい。子どもの集団がどうなっているか、1人1人の子どもがどんな気持ちでいるか、そして、その時自分はどう感じているか。頭だけじゃなく、心をいっぱい使って、実存的観察者(※)でありたいと思っています。
          ※実存的観察者・・・共感性と客観性を持ちながら、その場に存在すること。

−ほかに、実習での手ごたえがあったら。

 すぐにでも活かせることは、仕事をしていくビジョンをもって、どうすればよりよくなるかということを考えて仕事をすること。与えられた仕事をこなすじゃなく、自分が仕事をつくる。始めはこのことが全然できなかったので、しっかり意識していきたいと思っています。

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