Australia's Camel 撮影地:アリススプリングスの南 (ノーザンテリトリー)
【画像】ラクダ牧場で憩う冒険の末裔たち

● オーストラリアのラクダ
元来ラクダはオーストラリア大陸の原産ではなく、19世紀中頃から輸入された外来種である。記録によるとバーク探検隊のためにも24頭のラクダが1860年に輸入されたとある。内陸部探検やその後に続く開拓に重用され、1860年から1907年の間に10000〜12000頭が輸入されたと言われる。そのほとんどは、アウトバックの気候に適したヒトコブラクダ Camelus dromedariusで、寒地に適したフタコブラクダ Camelus bactrianusは20頭ほどしか輸入されていない。大陸縦断電信線の建設や羊毛の運搬などに目覚ましい活躍をしたラクダたちも、20世紀にいると代替の交通 手段の発達やフロンティアの消滅により、役割を失うことになる。そして1920年代中盤にはほとんどのラクダが野に放たれ野生化した。オーストラリア中央部では運が良ければその末裔の姿を車窓に見ることができる。また一部は写 真のようにラクダ牧場で飼育され、観光客を乗せて1時間のお手軽な散策から数日をかける本格的なサファリツアーまで様々なアトラクションが用意されている。興味のある方はまずはお手軽コースから試してみるといい。ワシはブルームでラクダの背に揺られたが、「もう、勘弁してくれ」と言うくらい乗り心地が悪かった。1世紀前の探検家は随分と辛抱強かったものだ。写 真の牧童に「乗っていけよ」と声をかけられたが、丁重にお断りさせていただいた。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome Velvia ISO 50 (RVP)
Aperture-Priority Auto @ F11
South of Alice Springs, Northern Territory
October, 2001

【地図】アリススプリングスの南
2005.03.31 掲載*