カンガルー、撮影地:ポートダグラス、クイーンズランド
![]()
![]() |
● ○○ぶらぶら
|
ファインダーに立派な"袋"が飛び込んできた。ご存じの通り彼らは時速40~50キロの高速で走ることができる。その時はぶらぶらして、さぞ痛かろうなどと余計な心配をしてしまう。カンガルーはいつ雨が降るか分からない乾燥大陸の過酷な環境に見事に適応している。一年中発情期で雌はいつでも妊娠する。妊娠〜出産までの期間が極めて短く(ある種は36日)、あっという間に子供を産む。しかし、乾燥が続き餌が不足する悪条件下では、胎児の成長を抑制して、雨が降るなど環境が好転するのを待つ。最高二年まで妊娠期間を延ばすことができるそうだ。このように巧みな適応をしているカンガルーだから、袋だって痛くないようにできているのだろう。残念ながら、この精緻な適応力がカンガルーに悲劇をもたらしている。放牧のため各地に井戸が掘削され、水の供給が開拓前より遥かに多くなった結果、カンガルーの数が増えすぎたのだ。先般(2002.05.19~05.25)のIWC総会で話題に上ったように年間500万頭!!!のカンガルーが間引き、すなわち銃殺されているのが実状だ。風もないのにぶらぶらする"袋"を見ながら、ワシの思いは複雑だった。
|
Nikon
F5A with MF-28,
Ai AF VR Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D, Fujichrome PROVIA 100F (RDP III) Aperture-Priority Auto @ F5.6 Rainforest Habitant, Port Douglas, Queensland September, 2001 |
2002.11.12
掲載
|