撮影地:レインボーバレー、ノーザンテリトリー

● レインボー・バレー
壮観である。ご存じの通り、ノーザンテリトリーの南、レッド・センターと呼ばれる地域には、数多く雄大な景色が存在する。その中でも、ウルル、カタチュタは別格として、ここレインボー・バレーは中央オーストラリア屈指の景勝ではなかろうか。静寂の中で虹色の谷は夕陽に照らされ刻々と色を変えていく。干上がった広大なクレイパンは既に影に覆われ、彫刻のような岩肌を西日が浮き上げる。これだけの景観でありながら、ウルルのような大観衆はいない。しかし、誰が見ていようと、見ていまいと、大自然のショーに手抜きは一切ない。観衆の有無に関わらず、日々素晴らしい夕景が広がる。中でも圧巻は大雨の後、クレイパンに水が溜まり、鮮やかな反射を水面に写し出すそうだ。残念ながら実際にはまだ見たことがない。いつの日かお目にかかりたいと思いつつ、闇にとけ込む虹色の谷をいつまでも眺めていた。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome Velvia ISO 50 (RVP)
Aperture-Priority Auto @ F11
Rainbow Valley, 97km south of Alice Springs, Northern Territory
October, 2001

2002.02.15 掲載
2002.12.05 レイアウト変更・アクセス解析対応