撮影地:カーテンスプリングス、マウン・トコナー(Mt. Conner)、エアーズロック

● 黄金の時間
黄昏に沈むマウント・コナーを眺めつつワシは日没を迎えていた。この日は風もなく静寂がワシを包んで離さない。地球に抱かれるような不思議な恍惚に身を任せる。昼間の灼熱も、ハエの大群も去り、一日で最も心地よい時間帯だ。やがてマウント・コナーは地平線の上にシルエットとなり、夜の帳が周囲を包む。ここでは地球の運行そのままに時間が流れていく。もしあなたが、エアーズロック・リゾートの俗っぽさに少し疲れたなら、黄昏時にマウント・コナーを訪れることをお勧めする。ここには巨岩を望む大観衆もなく、大荒野の只中で自然に対峙する醍醐味を満喫できるはず。車窓越しに見送るだけではもったいない、ワシは大きな魅力をマウント・コナーに感じている。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ 11
Mt. Conner, Curtin Springs, Northern Territory
October, 2001

2003.01.20 掲載