撮影地:ウォルフ・クリーク・クレーター(Wolfe Creek Crater)キンバリー

● 痕跡
ウォルフ・クリーク・クレーターはアボリジニの人々の間ではKandimalalという名前で長い間知られていたが、西洋人に"発見"されたのは1947年になってのことである。アボリジニの伝説では虹色の大蛇が地面から現れた跡と言われている。この写真はセスナからの空撮だが、陸路クレーターに至り、その外縁を歩き、その底に下りることもできる。ホールズ・クリークから145キロ、タナミ・ロード Tanami Roadを南下する約2時間ほどの行程だ。ルートは未舗装、雨期に路面状態が良くないと道路は閉鎖される。ベストシーズンは5月から10月の乾期、ホールズ・クリークでルート上の情報を仕入れてアプローチすることをお勧めする。隕石が衝突したのは遠い、遠い昔のこと、実際にクレーターの縁に立つと周囲は静寂に包まれ、衝突時の衝撃や熱風を直接連想することは難しい。それでも宇宙からの痕跡をこれほど明瞭に留めた場所は地球上にそれほどあるまい。"秘境"キンバリーを彩る"奇景"、陸路でも空路でも一見の価値はある。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-F4.5D (IF),
Fujichrome PROVIA ISO 100 (RDP II)
Aperture-Priority Auto @ F5.6
Wolfe Creek Crater, South of Halls Creek, Western Australia
May, 2000

2003.11.18 掲載