撮影地:カカドゥ・ナショナル・パーク(グリーン・ツリー・アント)

● 緑の戦士
オーストラリア北部でキャンプをすると、突然手や足など体の露出部分に強い痛みを感じることがある。明らかに何かに噛みつかれた感覚だ。患部を見ると十中八九、こいつが噛みついている。名前はグリーン・ツリー・アント、緑の腹部に特徴がある。この部分にはビタミンCが豊富に含まれ、味見すると強烈に酸っぱいそうだ(ワシはまだ試したことがない)。アボリジニはビタミン補給のため巣を丸ごと煎じて飲むという話も聞いた。以前から緑の腹が透過光で輝く様子を写真に撮りたいと思っていた。そして今回ワシには200mmマクロレンズという新兵器がある。だが実戦に臨むと、木の上を入ったり来たり絶えず動き回る蟻にマクロ域でピントを合わせることはワシにとって300キロのF1マシンにフォーカスするより難しく思えた。そこで一計を案じる。ジュースを一滴彼らの通り道に垂らしておく。作戦は成功!蟻はジュースに惹かれ静態した。好戦的な彼らとはお友達になれそうにはないが、この緑色の戦士もオーストラリアの一部であることは間違いない。

Nikon F5A with MF-28,
Ai AF Micro Nikkor ED 200mm F4D (IF),
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ F32
[Trimming]
Aurora Kakadu Lodge, Kakadu National Park, Northern Territory
October, 2001

2001.12.25 掲載
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