落書き--チェンバーズピラー

別項でも述べたとおり、チェンバーズ・ピラーには探検時代の彫り込みが残る。近年、観光客の落書きでその"遺跡"が失われる危機に瀕した。歴史的遺物の保護を進める当局は落書き防止のため、苦肉の策としてピラーの周囲に柵を巡らしたそうだ。この撮影の以降、ワシは現地を訪問していないが、現在ではこのようにすっきりとした写真は撮れないと聞いた。とても残念なことである。人里を遠く離れると人々は解放され、時に無法を犯す。かく言うワシの同行者の一人もピラーの麓から夕陽に向かい意味もなく叫んでいた（違法なわけではないが...）。「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」、大自然の中、文明から離れた場所だからこそ、この原則はみんなで守りたい。