撮影地:カルンバポイント(カーペンタリア湾)

● 戸惑うペリカン
初めてカルンバにやって来た旅人の目を奪うのは巨大な三角屋根の建造物だろう。2000年4月にオープンしたばかりのパシミコ・センチュリー鉱山 Pasmico Century Mine(バークタウンの120km南)で採掘された亜鉛(他に鉛を含む)が泥と水の懸濁液として304kmに及ぶ地下パイプラインでノーマン川畔にある三角屋根の積み出し施設に運ばれる。そして、写真の輸送船が水を取り除いた鉱物を40km沖合に停泊している外洋向けの大型船へ輸送する。喫水の深い大型船はノーマン川を通って直接積み出し施設に接岸できないのだ。外洋船には敵わないが5,000トンに達する大きな船が川を遡上する様は圧巻。「カルンバはもはや眠い漁港ではない」という文句を現地の観光ガイドで読んだが、それを象徴するシーンである。急速に変貌しつつある湾岸地域にペリカンたちも戸惑っている。

Nikon F5A with MF-28,
Ai AF VR Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D,
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)

Aperture-Priority Auto @ F5.6
Karumba Point, Gulf Savannah, Queensland
October, 2001

2002.09.26 掲載