撮影地:カルンバ〜ノーマントン(カーペンタリア湾)

● モーニンググローリー?
モーニング・グローリーMorning Gloryという気象現象をご存じだろうか?春(主に9月から11月)の早朝、カーペンタリア湾岸の地域でパイプ状の雲が天を横切る。雲は視界の及ぶ限り、地平線から地平線へと真っ直ぐ連なり、その長さは1000キロ以上に達するそうだ。パイプは1本の時もあれば、3~4本同時に現れることもあるいうが、何せ本物を見たことがないので詳細はわからない。今回の旅はモーニング・グローリーが出現しやすい時期を選んで日程を組んだ。湾岸地域のゼネラルストアやロードハウスに立ち寄るとモーニング・グローリーを撮影した絵はがきが必ず売られている。その度に店の人にインタビュー、情報を仕入れる。「モーニング・グローリーが現れる時は、夜に風が吹く」、何だか呪文のような台詞だが、この国には珍しく(失礼)、みんなが同じことを言った。来る日も来る日も明け方の空を見上げたが、結局今回は天駆けるパイプは現れず仕舞い。早朝、カルンバからノーマントンに向かう際、雲が数条に分かれて、「すわ、出現か!」と色めいたが、どうも怪しい。絵はがきで見た本物はもっとくっきりと、そして遙かに印象的な光景だった。モーニング・グローリーは2001年のカーペンタリア湾訪問で最大の"忘れ物"である。近い将来、忘れ物をとりに湾岸地域にまた戻りたい。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ 8
Karumba~Normanton, Gulf Savannah, Queensland
October, 2001

2002.10.02 掲載