サバンナのモモイロ

カーペンタリア湾へと向かう途中立ち寄ったロードハウスの裏手にモモイロインコの群が集まっていた。人里離れたロードハウスではよく見かける光景である。ウルルの手前のカーテン・スプリングスやウナダッタ・トラックのウイリアム・クリークでもモモイロたちは陽気にはしゃいでいた。ガルフ・サバンナと呼ばれるクイーンズランド北部の乾燥したこの地域では、彼らの鮮やかな桃色の羽毛もくすんで見える。砂塵にまみれて変色してしまったのだろうか？まさかそんなことはあるまいが、この乾いて、埃っぽい空気の中ではそんな想像もまんざらうそではないように感じられる。ワシの余計な心配をよそに、モモイロたちの間では、声高に鳴いたり、隣にちょっかいを出したりと、この日も愉快がはじけていた。