撮影地:カルンバ・ポイント(カーペンタリア湾)・マングローブ

● カルンバポイントにて
カルンバポイントの海岸でこの日も夕景の撮影を行った。マングローブの気根が夕陽に浮かぶ。美しい光景に夢中になって、ワシはこの時大きな災いが自分に降りかかっていることに気付かなかった。その夜のこと、脚の何カ所かがかゆくてたまらない。最初は蚊に刺されたのだろうと思っていたが、かゆみの強さと、患部の状態からアブにやられたのだと気付く。しかし、後の祭り。この国のアブにやられると三日三晩強烈なかゆみが退かない。実際ワシは脚がかゆくて眠れぬ 夜を幾晩か過ごした。ナラボー越えの時も被害にあったが、忍者のように体にとまり、次の瞬間にはもう血を吸っている。気付いたときは既に手遅れ。唯一できることは、手で叩き殺すこと。そうしなければ、また次の場所をやられる。蚊、アブ、蟻、ダニ、クラゲ、色々なものに刺されたが、いずれも日本の同種より強烈である。荒野を旅する同胞達はどうかお気をつけあれ。

Nikon F5A with MF-28,
Ai AF VR Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D,
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ 5.6
Karumba Point, Gulf Savannah, Queensland
October, 2001

2002.11.19 掲載