VW Type2 Camper
【画像】キャラバンパークで憩う『ぶっか号』

● 『ぶっか号』
オーストラリアのキャンプ場に泊まると、この愛嬌のあるフォルクスワーゲンのキャンパーに度々出会うことだろう。車齢は30年を超え、日本では一部のマニアのものになっているが、大陸ではまだまだ現役。ナラボー平原もスチュアートハイウエイも立派に越えていく。その特長あるエンジン音から人呼んで『ぶっか号』。安価で手に入るため、若い旅人に愛用されるケースが多い。ある時は恋人達を乗せ、またある時は「この小さな車に何人乗ってるんだ?」と驚くような大人数を乗せて、今日も大陸を駆けめぐっている。あなたがまだ若く、大陸を長期に渡って気ままな旅ができる幸運な人ならば、『ぶっか号』は格好の選択肢となるだろう。但し、いくばくかの覚悟が要る。早朝の出発ではエンジンが目覚めず、せっかくの日の出を見逃すかもしれない。雨期の熱帯では雨漏りし、湿気の多い夜は寝苦しい。しかし、そんなことはどうでもよかろう。あなたにはそれを笑って飛ばせる若さと時間がある。日の出はまた明日見に行けばいいし、寝不足なら今日の移動は取りやめて昼寝を楽しめばいい。苦楽をともにした『ぶっか号』との思い出は、一生の財産となるに違いない。青い空の下、スペアタイヤを頭に抱えたこの車が、誰もいない真っ直ぐな道を、ブッカ、ブッカとエンジンを響かせて走って行く。時間を忘れて飛び出した、気ままな旅の道連れは、気の合う仲間と『ぶっか号』。心ときめくその光景はまさに自由旅行の象徴といえるだろう。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF Nikkor ED 180mm F2.8S (IF),
Fujichrome PROVIA ISO 100 (RDP II)
Aperture-Priority Auto @ F2.8
Echuca Caravan Park, Echuca, Victoria
Feb, 2000

【地図】エチューカ
2004.11.02 掲載*

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