我ブルームに達す--ブルーム

94年9月、男4人、カナナラから西の荒野へ旅立った。目指すはブルーム。その時から遡ること2年前、初めてオーストラリアを訪れたワシに、ワーホリビザを利用してラウンドから戻ったばかりの友人は西オーストラリアの北にある素晴らしいビーチを熱く語った。ブルームという聞いたことのない地名。オーストラリアの魅力に急速に取りつかれつつあったワシにとっては全てが金言。ワシの中でブルームは憧れの地となり、記憶の中で特別の輝きを放ち続けた。伝説の海を目指しての旅、途中タイヤ一本とフロントガラスを失い我々の日産サファリは満身創痍。ダービーの泥海を見たときには本当にこの先にそんなきれいな海があるのかと気弱になった。それでも気を奮い立たせ、ようやくたどり着いたブルームのビーチ。カメラの準備で少し他のメンバーに遅れた。海を見る前に、高台からビーチを眺める3人の表情を見てワシは確信した。やはり伝説の海はあったのだ。30男たちが揃って息を呑んだ。この海の美しさ、ホンマものである。