撮影地:ケーブルビーチ、ブルーム(西オーストラリア)Cable Beach

● サイクロン

垂れ込める雲の陰で太陽が光芒を放つ。ブルームでは一般的に4月から10月までは晴天が続く乾期と言われている。しかしながら2000年4月末サイクロン ロジータ tropical cyclone Rositaの直撃を受けた(正確にはブルームの56キロ南を通過した)。オーストラリアではサイクロンの強さが5段階で示される。ロジータはカテゴリー4の大型である。サイクロン通過の翌日ブルーム入りしたワシの見たものは惨憺たる状況であった。全市が停電、復旧まで一週間必要。ポンプが動かずガソリンを給油できないのだ!!しかも、サイクロンの運んできた湿度200%の濃厚な大気が充満している。エアコンも冷えたビールも街中どこを探してもない。現代文明がどれだけ電気に頼っているかをつくずく感じた。翌日から倒木を運ぶトラックで道路は大混雑。ブルームの南にあるエコ・ビーチというリゾートは完全に破壊されたそうだ。そして何よりあの美しかったケーブルビーチの海が風雨で濁ってしまっている...。この惨状を見て、ポートヘットランドのキャンプ場で聞いた、「サイクロンが来たら町中みんながシェルターに避難する」という話は嘘じゃないと思った。恐るべしサイクロン!自然を甘く見ると怪我どころか命を落とす。


Nikon F4,
Ai AF Zoom Nikkor 28-85mm F3.5-F4.5S
Fujichrome PROVIA ISO 100 (RDP II)
Aperture-Priority Auto @ F5.6
Cable Beach, Broome, Western Australia
September, 1994

2001.03.13 掲載
2002.04.04 写真サイズ拡大・レイアウト変更 ・文章修正

2003.03.22 アクセス解析対応