撮影地:ノーマントン、カーペンタリア湾、ナンヨウヒメウ(Pied Cormorant)

● 警戒

我々のボートが近づくと鵜の群は警戒態勢に入り、最初の一羽が飛び立った。西陽に輝く白い羽毛が美しい。Pied Cormorantという種類で、和名はナンヨウヒメウと呼ぶそうだ。鵜飼の鵜と同じ仲間なので、当然水鳥である。鵜は水で泳ぐものと思っていたワシに、木にとまった鵜の姿は新鮮だった。彼らの足には大きな水掻きがあるはず、それがどうやってあんな高い木の上で安定を保てるのだろう?ファインダーをのぞきながら疑問に思った。帰国後も長いことその謎は解けなかったのだが、あるサイトの写真を見て疑問は氷解した。曲げることができないと思っていた水掻き付きの指が器用に折り曲げられて木の枝をつかんでいる。自然はワシの頭よりはるかに柔軟なようだ。


Nikon F5A with MF-28,
Ai AF VR Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D,
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ 5.6
[Trimming]
Norman River, Gulf Savannah, Queensland
October, 2001

2002.10.28 掲載