ネコマタ(NEKOMATA)
  猫又、あるいは猫股とも書く。
  何年も生き続けたネコがなるという妖怪。
  尻尾の先が二つに分かれ、後ろ足で立って歩き人間の言葉がわかり、人間を喰い殺しその人に化ける。

  歌人、藤原定家の日記「明月記」に1233年、奈良でネコマタが現れて、
  人を喰い殺した事件が書かれており、
  十四世紀はじめ兼好法師の「徒然草」にもネコマタの噂におびえる人の話がある。
  ネコマタの誕生の裏には、昔の人のネコとタヌキの混同があるようだ。
  ネコの古名は「ネコマ」だが、「狸」という字もネコマと読んだ。
  人を喰い殺して化ける話はタヌキにもあり、カチカチ山伝説と猫騒動、あるいはネコマタのネコには
  強い類似性がある。