2000年のトラコラム
愛虎の日記
- プリンスオブタイガース -

開幕戦に予想以上に頑張りすぎて惜敗してあとの2戦は力尽きる。苦手の横浜であれば3タテも仕方ない。
ただし疑問が一つ、何故開幕投手が薮ではなく星野だったのか。
よそへ移籍して、さらにリーグも違うところに初仕事が開幕投手ではちと荷が重すぎやしないか。
移籍した選手はどんなにすごい人でも必ず「慣らし」が必要だと思うのだが...。

さて、今回「熱く語る」選手は、プリンスオブタイガース「新庄剛志」
彼がどんな選手かをわかりやすく同じ外野手であるイチローと比べて見ていこうと思う。

新庄は1972年1月28日生まれの28歳。プロ11年目の選手。イチローより2歳年上で、プロ野球選手としても2年先輩になる。
背格好も野球選手としては細身で似たような感じ。態度はイチローほどデカくないし、自分に酔ってもいない。人あたり(マスコミだけ?)も圧倒的に新庄の方が良い。カミさんも個人的にこっちの方が好きだ。
出身は福岡県、西日本短大付属高校を経て我が阪神タイガースに入団。実は現在、守備だけは球界ナンバー1の外野手だ。
守備力だけならイチローよりも上とみる人も多く、人気も負けていない。

打撃は思い切りの良さと長打力が魅力で、足も相当速い。
今年の阪神の4番は今のところ新庄であるが、残念ながら打率はレギュラーシーズンでは1割以上、今年オリックスの4番イチローより低い。左バッターだったなら少し内野安打が増えるのかもしれないが...。

しかし守備は、阪神の外野はその半分が新庄の守備範囲で、彼がいないと成り立たない。
球際の強さは天下一品、ダイビングキャッチを試みて捕球できなかったところはあまり見たことがない。
すなわち飛び込んで捕れる捕れないの見極めが正確で早く、抜かれたときは寝そべっていることがないので、後の処理もまたスムーズにできるのである。またバックアップがとても早く、彼はいつもセンターを守っているが、坪井がフライを捕る時には必ず一緒にテレビに映っている。平塚がレフトの時なんか後ろで腕組みして見てたのだから。ちなみにイチローは捕球動作だけを見ればそれほど際だったものはないし、魅せるプレーもボールをスタンドに投げ込む以外は案外少ない。
さらにバックホームは新庄かイチローかというくらいすばらしい。ただコントロールだけはピッチャー出身のイチローに分がある。私は肩の強さは同じくらいと見ている。

昨年のキャンプで野村監督にすすめられて新庄がピッチャーをやったのをおぼえているだろうか。紅白戦では短いイニングだったがマウンドに立った。
MAX148km/hのストレートは阪神投手陣の誰よりも速かった。私はいろんな思いを巡らせ動悸がするほどだったが、その後我に返って長〜いタメ息をついたのだった。

最後に誤解のないように言っておくが、私はイチローが嫌いなわけではない。(4/10)



- 待ってましたよ星野さん! -

多忙に紛れ、すっかり更新する事を怠っているうちに、もう1カ月余りで開幕を迎えようとしているではないか。あービックリ。しかし私も黙って寝ていたわけではない。しっかりと自主トレからキャンプを観察し、今年の戦力を計っていたのだ。結論から申し上げよう「今年も優勝は無理だ!」...したがって2000年のこのコーナーは「選手個人を熱く語る」ことにしよう。

第1弾は「星野伸之」
星野投手はこの度縁あってFAで我が阪神へ移籍したオリックスのエースだ。移籍の話しが進む中、あのイチローに「星野さんの後ろで守らせて下さい!」とまで言わせたそれは大変なピッチャーなのだ。彼のピッチングはそれはスゴイの一言、神業と言っていい。私の数十年の野球ファン歴をもってしてもこういう人は他に見たことがない。プロとは思えないほどきゃしゃな体から繰り出されるストレートは、なんと120km/hそこそこだ。それでもバッターをつまらせることができるのは後にも先にも星野だけだろう。

彼は旭川工業高校出身で同校の野球部のユニフォームは縦縞だ。北海道の阪神ファンはうれしいかぎりだ。なんといっても彼のピッチングの魅力は1センチ刻みでコントロールできる制球力と差が40キロにもなる緩急で、ありとあらゆる球種を投げるが、なんとカーブは80km/h台なのだから驚きだ。

昔、旭川工業高校に阪急ブレーブス(現在のオリックスブルーウェーブ)に行くやつがいるというので星野の練習を見に行った知り合いがいる。話しによると、最初見た感じは球速も遅いし「なんだたいしたことないなあ」と思っていたら、次の瞬間、星野の投じたボールは突然自分たちにめがけて飛んできた。「暴投だ危ない!」ところがボールはそこから左斜め下45度に1m以上曲がり落ち、さらにキャッチャー手前でワンバウンドした。当時取材に来ていた報道陣も皆目を丸くしていたという。

早く縦縞のその雄姿が見たくてたまらない。(2/25)


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