1998/01/05 江後田基広 egota@linet.gr.jp
このドキュメントは、PJE (ならびに Plagiaware) で、バブル・ジェットなど
PostScriptではないプリンタを利用して「PostScriptファイル」、「DVIファイル」
、「ESC/P」などの日本語印刷を手軽に行うための説明を行います。
1. 配布ファイル
usr/doc/BJ-MagicPrint/README.euc : 本ドキュメント(EUC)
usr/doc/BJ-MagicPrint/README.sjs : 本ドキュメント(ShiftJIS)
etc/BJ-Magic_printcap : /etc/printcap 差し替え用ファイル
usr/local/lib/magic_pf : Canon-BJ用 マジックフィルター
usr/local/lib/dvipf : 汎用 DVIフィルター
usr/local/lib/gsf_bjc600 : Canoa-BJ用 PostScript フィルター
2. 機種依存
筆者の持っているプリンタが Canon-BJC430J であるため、Canon-BJシリーズ
の内 BJC-400,410,420,430,600,610,620 ではそのまま動くはずですが、その他
の機種ではいくぶんかの手直しが(少なくとも)
usr/local/lib/magic_pf : Canon-BJ用 マジックフィルター
usr/local/lib/gsf_bjc600 : Canoa-BJ用 PostScript フィルター
で必要となるでしょう。
Linuxに接続したプリンタを有効に利用するための文書が /usr/doc/JF/ 以下に
インストールされていますので詳細は、
(文献-1) /usr/doc/JF/JPprinting-mini-HOWTO.euc.gz
Japanese Printing mini HOWTO
Rel.0.0.1a
1996/08/22
はね ひでや
wing@aries.bekkoame.or.jp
(文献-2) /usr/doc/JF/Printing-HOWTO.euc.gz
The Japanese Version of Linux Printing HOWTO
Grant Taylor,
v3.10, 10 Sept 1996
田所 裕之 訳 (tadokoro@ask.or.jp / tadokoro@nms.ac.jp)
(文献-3) /usr/doc/JF/Printing-Usage-HOWTO.euc.gz
Linux Printing Usage HOWTO
by Mark Komarinski
v1.11, 2 February 1996
日本語訳:佐藤亮一(GFG02131@niftyserve.or.jp)
などを御覧ください。なを、これら有効な文書の最新版は
JFの部屋から参照してください。
3. 利用方法
3-1. インストール
root権限を持つユーザで「/」(ルートディレクトリ)で解凍するか、installpkg
コマンドでインストールしてください。
% su
# cd / ; pwd
/
# tar zxfv BJ-MagicPrint_pje-0.01.tgz
または、
# installpkg BJ-MagicPrint_pje-0.01.tgz
3-2. 設定
1) プリンタ・フィルターのインストールを確認してください。
# cd /usr/local/lib
# ls -l magic-pf dvipf gsf_bjc600
-rwxr-xr-x root/root 500 1998-01-05 22:17 usr/local/lib/magic_pf
-rwxr-xr-x root/root 176 1998-01-05 22:19 usr/local/lib/dvipf
-rwxr-xr-x root/root 116 1998-01-03 01:17 usr/local/lib/gsf_bjc600
2) /etc/printcap を入れ換えてください。
# cd /etc ; pwd
/etc
# mv printcap printcap.orig
# ln -fs BJ-Magic_printcap printcap
3) スプールディレクトリ(/var/spool/lpd/lp)を確認し無ければ作成します。
# cd /var/spool ; pwd
/var/spool
# ls -l lpd/lp
total 2
-rw-r--r-- 1 egota users 19 Jan 5 15:11 lock
-rw-rw-r-- 1 egota users 25 Jan 5 15:11 status
もし、
/bin/ls: lpd/lp: No such file or directory
と表示されたら作成してください。
# mkdir lpd/lp
# ls -l lpd/lp
total 0
□ Canon-BJ400以上の型番のプリンタであれば設定完了です。■
3-3. 調整
Canon-BJプリンタ以外の方は「PostScript」が印刷できないと思います。
その場合、自分の持っているプリンタのタイプが GhostScript でサポート
されているか確認
# gs -h
してから、
usr/local/lib/gsf_bjc600 : Canoa-BJ用 PostScript フィルター
を自分のプリンタ機種用に用意してください。
これには「(文献-1) /usr/doc/JF/JPprinting-mini-HOWTO.euc.gz」が有効な
手助けをしてくれるはずです。
そして今、新たにあなたが作成された「XX用 PostScript フィルター」を
usr/local/lib/magic_pf : マジックフィルター
に記述し編集してください。
修正を加える箇所は、最初の部分の一箇所のみです。
-----------------(/usr/local/lib/magic_pf)----------------
1: #!/bin/sh
2: # DVI(TeX) filter
3: DVI_FILTER=/usr/sbin/dvipf
4: # PostScript filter
5: PS_FILTER=/usr/local/lib/gsf_bjc600
6: #
...snip...
-----------------(/usr/local/lib/magic_pf)----------------
この例では「5:」に 記述された gsf_bjc600 をあなたの
「XX用 PostScript フィルター」に入れ換えるのみです。
□ 「5:」をコメントアウトし、1行挿入した /usr/local/lib/magic_pf と、
あなたが作成した「XX用 PostScript フィルター」ファイルをメール頂けると
幸いです。 ■
3-4. マジック・プリンタ・フィルター
本パッケージで利用したマジック・プリンタ・フィルターは、以前
真鍋@豊技大さん が UNIX USER誌(ソフトバンク) で解説されていた物です。
何時まで公開されているかは存じませんが、現在のところは読めています。
1) fileコマンド でプリントしたいファイルのタイプを調べ、
2) "ESC/P" が含まれていれば /usr/bin/prコマンド
3) "DVI" が含まれていれば、/usr/local/lib/dvipf
3) "PostScript" が含まれていれば、/usr/local/lib/gsf_bjc600
4) それ以外は、/usr/sbin/escpfコマンド
をフィルタに動作します。
但し、元のフィルタと DVIファイル の印刷に違いがあります。
元々の dvipf では dviprt を利用しているのですが、筆者は dvi2ps で
一度「PostScript形式」に変換してから印刷という無駄な処理となっています。
筆者のスキルの問題ですので、良きアドバイスが頂戴できれば積極的に
採用させて頂きたいと存じます。
4. 印刷テスト
設定が完了していれば印刷は非常に簡単です。
% lpr 印刷したいファイル [Enter]
または
% lpr -Plp 印刷したいファイル [Enter]
とすれば、「日本語まじりテキスト」、「PostScript」、「TeXなどのDVI形式」
を勝手に判断して、標準のプリンタ(通常 /etc/printcap の lp エントリ) で
印刷できるはずです。
筆者の Canon BJC-430J では、カラー・カートリッジ をプリンタに装着して
カラー印刷も問題なく行えています。
当然ですが Netscape Communicator で html の印刷もカラーで可能です。
(1)「日本語まじりテキスト」の印刷テスト
「メール」やら「muleで作成した日本語まじり文」でも良いですし、
/usr/doc/PJE/00README.euc.gz などでもテストできますよね...:-)
(2)「PostScript形式」の印刷テスト
/usr/doc/faq/faq/linux-faq.ps.gz はあると思いますが、なければ
% locate *.ps
で探してください。
Netscape でホームページが表示できるなら、それを印刷しても良い
ですね...;-)
(3)「TeXなどのDVI形式」の印刷テスト
/usr/doc/faq/faq/META-FAQ.dvi.gz など如何がでしょう?
無ければこれも
% locate *.dvi
で探してみましょう。
4-1. 「日本語まじりテキスト」が印刷できない。
PJE (および Plagiaware) では、はねひでや さん作の escpf が、
/usr/sbin/ディレクトリ以下にインストールされています。このため、
本パッケージでは /usr/sbin/escpf の存在を前提にして magic_pf を
作成しました。
もしも、/usr/sbin/escpf が存在しない場合には、(文献-1)を参考に
escpf をインストールしてください。
/usr/sbin/ディレクトリ以外にインストールされている場合には、
/usr/local/.lib/.magic_pf の記述を修正してください。
-----------------(/usr/local/lib/magic_pf)----------------
1: #!/bin/sh
2: # DVI(TeX) filter
3: DVI_FILTER=/usr/sbin/dvipf
4: # PostScript filter
5: PS_FILTER=/usr/local/lib/gsf_bjc600
6: # Text filter
7: TEXT_FILTER=/usr/sbin/escpf
...snip...
-----------------(/usr/local/lib/magic_pf)----------------
例えば、「7: TEXT_FILTER」を修正します。
4-2. 「PostScript形式」が印刷できない。
Canon-BJシリーズ 以外のプリンタなら、もう一度「3-3. 調整」を参考にして
自分のプリンタにあった GhostScript の設定をしてください。
繰り返しますが「(文献-1) /usr/doc/JF/JPprinting-mini-HOWTO.euc.gz」を
参考にしてください。
4-3. 「LaTeXなどの DVI形式」が印刷できない。
「3-4. マジック・プリンタ・フィルター」で解説しましたが、magic_pf では
dvi2psコマンドを利用して、DVI形式 を PostScript形式 に変換して、これを
/usr/local/lib/gsf-bjc600 に渡しています。
(1)「PostScript形式」が印刷できますか?
もしまだ「PostScript形式」の印刷ができていなければ「DVI形式」の印刷も
できません。「4-2.」に戻って確認してください。
(2)「PostScript形式」は印刷できているのに「DVI形式」が印刷できない?
PJE (および Plagiaware)では、/usr/local/bin/ディレクトリ以下に dvi2ps
コマンドがインストールされます。
本パッケージの /usr/local/lib/dvipf はこれを前提にしています。
もし dvi2ps コマンドがインストールされていないと dvipf は動きません。
dvi2psコマンドをインストールしてください。
/usr/local/bin/ディレクトリ以外に dvips があるなら linkを貼ってしまう
のが手っ取り早いでしょう。/usr/local/bin/ディレクトリが嫌なら
/usr/local/lib/dvipf を修正してください。
5. 最後に
お決まりですが、当然 無保証 です。ご自分の責任範囲でご利用ください。
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