「そんなに暴れたいならここにいるんだな、ここならいくら暴れたって外には音も漏れないしな」

 誘拐犯は少女を地下室に押し込めた。叫び、呻きが大きくなるが、この環境下ではその声も外には聞こえず、さらに入口は天井にあるために、いくら縄を解いたところで梯子を外されては逃げる事が不可能になる。
  少女は目の前に立ちはだかる男を上目遣いで悔しそうに見上げる。そんな顔を見て男はひとり悶えながらこう言う。

「いいぞ〜その顔。たまらないなぁ。もっと僕を睨んでくれよ、心の中で『変態』って罵ってくれ。あぁ…」

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