また今年も別れの季節がやってきた。
俺の様な職業、つまりは教師なんだがそんな職業についていれば毎年の恒例行事のはずなのである。しかし今年は特に…………………………………辛い。
「俺のお気に入りの乃絵ちゃんがぁぁぁぁ!卒業だとぅぅぅぅぅぅ!」
「もうアイツの可愛い顔!可愛い脚!奇麗な指!セーラー服姿!体操服!その他諸々が拝めなくなってしまうぅ!」
授業中は平気な顔をしていても俺の心の中は転げ回り這いつくばり悶え苦しむ自分の姿でいっぱいだ。卒業という事実をどうしても受け止めきれない。それだけ俺はあの愛くるしい佳山乃絵が大好きでお気に入りでたまらないのだ。
「せんせー?あれ?せんせーどこですかぁ?」
彼女を呼び出したのは今改築中の旧校舎。立ち入り禁止の札と規制線、このシーズンなんで休工中。その上都合のいい事に
現校舎からちょっと離れているので生徒達は滅多に近寄らない。こんなところはウチの生徒達は真面
目で良かったなぁと思っている。
「おっかしぃなぁ〜3時にここだって言ってたのにぃ」
「でも一体なんだろ先生ったら。どう考えたって卒業式後のサプライズパーティの打ち合わせって不自然でしょ、こんなとこで。
もしかして私が卒業しちゃうんで『愛の告白』だったりしてキャー!」
「先生優しいし相談乗ってくれるしイケメンよりはイケてないけどいい人だからなぁ〜」
「夕方の教室で一人たたずんでるの見た時ちょっとキュ〜ンってなっちゃったもんなぁ〜そのあとあご髭抜いてたの見たら
ちょっと幻滅したけど」
何をアイツはひとりでボソボソ言いながらクネクネ悶えてるんだ。うん、可愛い!やっぱ決行だ!もっと悶えさせてやるっ!
「あ、せんせ…ウァっ」
隠れていた物陰から俺はさっと彼女の後ろに回りスタンガンで気絶をさせた。
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