便秘の治療
 便秘になった時の改善方法の原則は食事・運動・排便習慣・ストレスの軽減です。
 便の量は食事中の食物繊維の量で決まります。
  十分な食物繊維をとることが一番大切です。それに副作用や習慣性の少ない膨張性下剤や
  塩類下剤、腸内環境を整える乳酸菌・ビフィズス菌製剤を使用します。習慣になりやすく、

  服薬しないと便が出ない といった状態になります。刺激性下剤を使用するのは最後です。


下剤の種類 と 正しい使い方
作用 薬剤名 と 注意
<刺激性下剤> セチロ・アローゼン・プルセニド・センナリド・シンラック・漢方薬など
市販の下剤の大半はこのタイプです。
腸の運動を刺激して、排便を促 します。
安易に連用してはいけません。
連用すると次第に腸の収縮筋力が弱まり、増量が必要になります。
これを下剤連用の悪循環といいます。
<塩類下剤> 【酸化マグネシウム】
腸内腔に水分を引き寄せる作用で、便を軟らかくするとともに、
内容物を膨張させて腸管を刺激し、排便を促します。少量では副作用もありません。
<膨張性下剤> 【ポリフルなど】
最近開発された薬剤で、高い吸水性を持つために水分を吸収しゲル状
に膨化します。下痢及び便秘に対しての調節作用があります。
食物繊維がもつ吸水・保水作用をさらに強化したような、ユニークな特
徴を持つ薬剤です。消化管に吸収されないため副作用もありません。


〜これまで刺激性下剤を常用されていた場合〜
急に食事療法などを行っても「下剤連用の悪循環」が起こっているために、
すぐにはうまく改善されません。
食事療法等の他、膨張性緩下剤、塩類下剤を主体に用い、
センナ等の刺激性下剤は数日に1回というふうに屯用で用いてください。
そして屯用の間隔を徐々に延ばしてください。決して連用しないことが大切です。

食物繊維について
  便秘の解消には食餌中の食物繊維が大切になります。
  ☆食物繊維には水溶性と、不溶性があります。
        水溶性の食物繊維          不溶性の食物繊維
特 徴 水に溶ける食物繊維です。
腸内の善玉菌を増やす働きがあります。
便秘解消だけでなく、
血糖値やコレステロール値を改善して、
血液をサラサラにします。
水に溶けない食物繊維です。
水分を吸収して膨張することで
便の量を増やし、大腸を刺激して
蠕動運動を活発にします。
効 果 痙攣性便秘の人に向いています。
直腸性、結腸性便秘の人にも効果あり
直腸性、結腸性便秘の人に向いています。
食品の種類 海草類(アルギニン)
こんにゃく(アルギニン)
きのこ類(グルカン)
納豆
果物(ペクチン)
オクラ
にんにく
豆、木の実(リグニン)
穀物(セルロース)
根菜類(リグニン)
ココア
果物(セルロース)








食物繊維含有量・100gあたりの食物繊維(g)
種類 食物名 含有量
穀類 オートミール 7.46
食パン 2.55
ひやむぎ(乾) 2.08
精白米 0.72
マカロニ 2.72
豆類 いんげん豆 19.76
えんどう(ゆで)豆 5.21
糸ひき納豆 9.60
魚介類 あじ 1.34
さんま 0.52
肉類 豚肉(もも) 0.14
野菜類 グリーンアスパラ 1.68
オクラ 4.59
カボチャ 2.99
キャベツ 1.42
にんじん 2.55
ほうれん草 2.50
トマト 0.79
たまねぎ 1.50
藻類 まこんぶ 28.58
ひじき 54.94
かんてん 81.29
わかめ(素干し) 37.95
果実類 あんず(乾果) 8.29
いちご 1.52
バナナ 1.48
リンゴ(皮無し) 1.63
キウイフルーツ 2.65