精米歩合 | 精米時間 | 消費電力 |
% | h | kWh |
70 | 9 | 240 |
65 | 14 | 378 |
60 | 22 | 594 |
55 | 30 | 810 |
50 | 42 | 1134 |
45 | 56 | 1512 |
40 | 72 | 1944 |
(1)償却費30俵張り、本体と付属設備で5,000万円。年600万円償却。120日稼働として1日あたり5万円。(2)人件費1/2人とみて、1日あたり8,000円。(3)電気代第1図から所要時間を求める。平均27kWとみて電力量(kWh)を求める。1kWhが20円として計算。
計算例1・精米歩合60%の場合。(1)所要時間は24時間と見積もる。
(2)償却費・・・1日分、5万円。
(3)人件費・・・1日分、8000円。
(4)電気代・・・27kW X 24H = 648kWh・・・12,960円。
合計・・・70,960円。(玄米60kgあたり2,365円)
計算例2・精米歩合50%の場合。(1)所要時間は48時間とみておく。
(2)償却費・・・2日分、10万円。
(3)人件費・・・2日分、1.6万円。
(4)電気代・・・27kW x 48h = 1,296kWh・・・ 25,920円。
合計・・・141,920円。1俵あたり4,730円。
計算例3・精米歩合40%の場合。(1)所要時間72時間(3日)。したがって償却費も人件費も3日分。
15万円およぴ2.4万円。
(2)電気代・・・72時間分、1,944kWh、38,880円。
合計・・・212,880円。1俵あたり7,096円。
その他、建物の建設償却費、トランスの新設、防音工事(都市部)、運賃など条件次第できまる不確定なコストがある。
最近、農家あるいは農協で酒米を委託生産しようという動きが活発化している。精米は清酒メーカー各自でおこなうのが原則であるが諸般の事情で委託精米するケースも多い。 しかし委託精米では自分が持ち込んだ米が正確に戻ってくるか否かの不安がある。精米歩合も正確か否かが時に問題になる。
そこで米を委託栽培する現地に精米所を建設し、清酒メーカーが共同で運営しようという案も出ている。運賃とパッケージのコストが軽減される。この場合、精米機の稼働日数を確保するため、晩生の他に中生、早稲もあわせて委託生産しなくてはならない。糠、白糠の利用にも有利と思われる。糠、白糠は円高の結果、輸入飼料が安価なため買い叩かれ、極端な安値になっている。これも精米コストの上昇要因の一つである。
全自動の精米機を多数設備しフル運転すると消費電力は24時間ほとんど変動がない。また、夏の電力危期には停止している。しかし電力会社は料金を負けない。そこで、自家発電も検討されている。この場合、熱効率を40%と見積もっても残りの60%は廃熱となって煙突から逃げる。廃熱の利用法を考えなくてはならない。たとえばハウス園芸の熱源などである。
ページ作成者より
この会は講義に参加していないので注釈は特にありません。
電気代・設備費は書かれた当時のままということくらいです。
ちなみに、3・で精米が正確かどうか不安というくだりがありますが実際自社での精米に切り替えた蔵に行かれたことがあるそうで、
「これだけの設備投資をして、儲かってるんだね」と言ったら
「儲かってるからやってるんじゃありません」と返事が返ってきたと言うエピソードを別の回の講義で紹介されていました。